弁護士がSearch Consoleで記事の検索状況を確認して改善に使う方法

この章で学ぶこと

この章では、Google Search Console(サーチコンソール)の登録から、記事ごとの検索データの確認、そのデータを使った記事改善の進め方までを学びます。Search Consoleは記事がGoogleにどう評価されているかを確認できる唯一の公式ツールであり、記事改善の最も確実な手がかりを得られます。

Search Consoleは記事改善の最も重要なツール

弁護士が記事をウェブサイトに掲載するとき、記事の効果を測るためのツールは複数あります。Googleアナリティクス(GA4)はアクセス数を測るツール、Search Consoleは検索面での評価を確認するツールです。

この二つの違いを整理すると次のとおりです。

ツール 分かること 改善に使える場面
Googleアナリティクス(GA4) サイトに来た人の数・滞在時間・問い合わせ数 「サイトに来た後」の行動を分析する
Search Console 検索キーワード・検索順位・表示回数・クリック率 「サイトに来る前」のGoogle検索上の状況を分析する

記事の改善において最も手がかりが多いのはSearch Consoleです。理由は3つあります。

  • 読者がどんなキーワードで検索しているかが分かる — 自分が狙ったキーワードとは異なるキーワードで検索されていることがあります。そのキーワードに合わせて記事を調整すれば、検索順位が上がる可能性があります
  • 検索順位が数字で分かる — Googleで自分のキーワードを検索して順位を確認する方法では、パーソナライズ(過去の閲覧履歴による調整)の影響を受けるため正確な順位が分かりません。Search Consoleはパーソナライズを排除した実際の平均順位を表示します
  • クリック率(CTR)が分かる — 検索結果に表示されているのにクリックされていない記事は、タイトルや説明文の改善で大きく改善できる可能性があります

GA4は「サイトに来た後」を分析するツールであり、Search Consoleは「サイトに来る前」を分析するツールです。記事で集客するためには、まず検索結果でクリックされなければ始まらないため、Search Consoleの確認が先に来ます。

登録と初期設定

Search Consoleを使うには、Googleアカウントでログインした上で、自分のサイトの所有権を確認する必要があります。

登録手順

  1. https://search.google.com/search-console/ にアクセスする
  2. Googleアカウントでログインする(事務所のGoogleアカウントがあればそれを使う)
  3. 「プロパティを追加」をクリックする
  4. 「URLプレフィックス」を選択し、事務所サイトのURL(例: https://www.example-law.com/)を入力する
  5. 所有権の確認方法を選択する

所有権の確認方法

所有権の確認にはいくつかの方法があります。弁護士がサイトを制作会社に管理してもらっている場合、最も簡単なのは次の2つです。

方法 手順 適している場合
HTMLタグ Search Consoleが生成するメタタグをサイトのhead内に貼り付ける 制作会社に依頼できる場合
Googleアナリティクス連携 GA4が同じGoogleアカウントで設定されていれば自動で確認される GA4が設置済みの場合
ドメイン認証(DNS) DNSレコードにTXTレコードを追加する ドメインの管理権限がある場合

制作会社にサイトを任せている場合は、「Search Consoleの所有権確認をしたいので、HTMLタグの設置をお願いします」と依頼するのが最も手間がかかりません。GA4が同じGoogleアカウントで設定されている場合は、登録するだけで自動的に所有権が確認されます。

登録後の注意点

Search Consoleに登録した直後はデータが表示されません。データが蓄積されるまで2〜3日かかります。過去のデータは最大16か月分まで遡れますが、登録前のデータは参照できないため、早めに登録しておくことが望ましいです。

検索パフォーマンスの見方

Search Consoleの中で最もよく使う画面が「検索パフォーマンス」です。左メニューの「検索パフォーマンス」→「検索結果」をクリックすると表示されます。

4つの指標の意味

画面上部にグラフが表示され、その上に4つの指標があります。それぞれの意味は次のとおりです。

指標 意味 弁護士が見るべきポイント
合計クリック数 検索結果からサイトがクリックされた回数 記事がどれだけ読まれているかの総量
合計表示回数 検索結果にサイトが表示された回数(クリックされなくてもカウント) 大きいのにクリックが少なければタイトル改善の余地がある
平均CTR 表示回数に対するクリック数の割合 低ければタイトル・説明文の見直しが必要
平均掲載順位 検索結果での平均表示位置 10位以内(1ページ目)が目標

デフォルトでは「合計クリック数」と「合計表示回数」のみが表示されています。「平均CTR」と「平均掲載順位」は画面上部のラベルをクリックして有効にする必要があります。この操作を知らないと、Search Consoleの最も重要な情報を見逃すことになります。

期間の設定

画面上部の「日付」で期間を指定できます。確認の目的ごとに適切な期間が異なります。

  • 記事の現状確認 → 過去28日間(直近の傾向を把握する)
  • 改善効果の確認 → 過去3か月間(改善前後の比較ができる)
  • 長期的な推移の確認 → 過去6か月間〜12か月間

グラフ下部の表の使い方

グラフの下に表が表示されます。この表には「クエリ」「ページ」「国」「デバイス」「検索での見え方」「日付」の6つのタブがあります。記事改善に使うのは主に「クエリ」と「ページ」の2つです。

  • 「クエリ」タブ — サイト全体でどのキーワードが検索されているかの一覧。表示回数の多い順に並んでいます
  • 「ページ」タブ — ページ(記事)ごとのクリック数・表示回数・CTR・順位の一覧。記事単位で効果を確認するときに使います

記事ごとの検索KWを確認して改善に使う方法

Search Consoleの最も価値のある使い方は、「特定の記事がどのキーワードで検索されているかを確認し、そのデータに基づいて記事を改善する」ことです。

手順1:記事のURLで絞り込む

  1. 検索パフォーマンスの画面を開く
  2. 画面上部の「+新規」→「ページ」をクリックする
  3. 確認したい記事のURLを入力する(例: https://www.example-law.com/rikon-bengoshi-hiyou/)
  4. 「適用」をクリックすると、その記事だけのデータに絞り込まれる

手順2:その記事に流入しているキーワードを確認する

絞り込み後、グラフ下部の「クエリ」タブを見ると、その記事に検索流入しているキーワードの一覧が表示されます。ここで確認すべきポイントは3つです。

確認ポイント1:狙ったキーワードが含まれているか

例えば「離婚 弁護士 費用」を狙って書いた記事であれば、クエリ一覧に「離婚 弁護士 費用」やその関連語(「離婚 弁護士 いくら」「離婚 弁護士 料金」など)が含まれているかを確認します。含まれていなければ、記事の内容がそのキーワードの検索意図に合っていない可能性があります。

確認ポイント2:想定外のキーワードがないか

意図していなかったキーワードで検索されていることがあります。例えば「離婚 弁護士 費用」を狙った記事が「離婚 弁護士 無料相談」というキーワードでも表示されている場合、無料相談に関する情報を加筆すれば、そのキーワードでの順位が上がる可能性があります。

確認ポイント3:表示回数が多いのにクリックが少ないキーワードがないか

表示回数が100回以上あるのにクリック数が1〜2回しかないキーワードは、検索結果に表示されているがタイトルや説明文が読者の目に留まっていないことを意味します。このキーワードに合わせてタイトルや説明文を調整すると、クリック率が改善する可能性があります。

手順3:データに基づいて記事を改善する

Search Consoleのデータから得られる改善アクションは、主に次の4つです。

状況 データの特徴 改善アクション
順位が11〜20位 表示回数はあるがクリックが少ない 記事の加筆・見出し構成の見直しで10位以内を目指す
順位が10位以内だがCTR低い 表示回数に対してクリックが少ない タイトルとメタディスクリプションを改善する
想定外のKWで表示されている 狙っていないキーワードで表示回数が多い そのキーワードに合わせた内容を加筆する
狙ったKWで表示されていない 意図したキーワードがクエリ一覧にない 記事の内容が検索意図に合っているか見直す

改善の優先順位の付け方

改善すべき記事が複数ある場合、次の優先順位で進めるのが効率的です。

  1. 順位が11〜20位の記事 — あと少しで1ページ目に入る記事。改善の効果が最も出やすいです
  2. 順位が10位以内でCTRが低い記事 — タイトル変更だけで改善できるため、手間が少ないです
  3. 想定外のキーワードで表示されている記事 — 加筆するだけで新しい検索流入を獲得できます
  4. 順位が30位以下の記事 — 改善に時間がかかるため、上記を先に片付けてから取り組みましょう

インデックス状態の確認

Search Consoleには「URL検査」という機能があります。記事のURLを入力すると、その記事がGoogleにインデックス(登録)されているかどうかを確認できます。

URL検査の手順

  1. Search Consoleの画面上部の検索バーに、確認したい記事のURLを入力する
  2. Enterキーを押すと、インデックス状態が表示される
  3. 「URLはGoogleに登録されています」と表示されれば、その記事はインデックスされている
  4. 「URLがGoogleに登録されていません」と表示された場合は、インデックスされていない

インデックスされていない場合の対処

記事がインデックスされていない場合、次の原因が考えられます。

原因 確認方法 対処
公開後まだ日が浅い 公開日を確認する 公開後1〜2週間は待つ。待っても登録されない場合は次の対処へ
Googleがページを見つけていない URL検査で「クロール済み – インデックス未登録」と表示 「インデックス登録をリクエスト」をクリックする
noindexタグが設定されている URL検査の詳細に「noindex」の記載がある 制作会社に連絡してnoindexタグを外してもらう
ページの品質がGoogleの基準に達していない 上記に該当しない場合 記事の内容を大幅に加筆・リライトする

サイトマップの送信

サイトマップとは、サイト内のページ一覧をGoogleに伝えるためのファイルです。WordPressを使っている場合、プラグイン(Yoast SEO、All in One SEOなど)が自動的にサイトマップを生成していることが多いです。

サイトマップの送信手順は次のとおりです。

  1. Search Consoleの左メニューから「サイトマップ」を開く
  2. 「新しいサイトマップの追加」に、サイトマップのURL(通常は https://www.example-law.com/sitemap.xml)を入力する
  3. 「送信」をクリックする

サイトマップを送信しておくと、新しい記事をGoogleが発見しやすくなります。一度送信すれば、記事を追加するたびに再送信する必要はありません(サイトマップは自動的に更新されます)。

インデックスカバレッジレポートの確認

Search Consoleの左メニュー「ページ」(旧名称「カバレッジ」)を開くと、サイト全体のインデックス状況を一覧で確認できます。

  • 「インデックスに登録済み」 — 正常にインデックスされているページ数
  • 「インデックスに登録されなかった理由」 — インデックスされていないページとその理由の一覧

エラーが発生している場合は赤色で表示されます。「サーバーエラー(5xx)」「リダイレクトエラー」「送信されたURLにnoindexタグが追加されています」などのエラーが代表的です。エラーが出ている場合は制作会社に連絡して対処を依頼しましょう。

まとめ

Search Consoleは、自分の記事がGoogleの検索結果でどう評価されているかを確認できる唯一の公式ツールです。

  • 登録は無料で、Googleアカウントとサイトの所有権確認だけで使えます。GA4が同じアカウントで設定されていれば自動で確認されます
  • 検索パフォーマンスで、クリック数・表示回数・CTR・平均掲載順位の4指標を確認します。「平均CTR」と「平均掲載順位」はデフォルトで非表示のため、クリックして有効にしてください
  • 記事ごとのキーワード確認が最も価値のある使い方です。「+新規」→「ページ」でURLを絞り込み、その記事にどんなキーワードで検索流入しているかを確認します
  • 改善の優先順位は、11〜20位の記事(あと少しで1ページ目)→CTRが低い記事(タイトル改善)→想定外KWで表示されている記事(加筆)の順です
  • URL検査で記事がインデックスされているかを確認します。インデックスされていなければ登録リクエストを送りましょう
  • 月に1回、Search Consoleを開いて記事ごとのデータを確認する習慣を持てば、記事の改善は感覚ではなくデータに基づいて進められます

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