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弁護士・事務所紹介の作り方──争点別の強みで選ばれる

結論・要点

離婚(請求者側)の紹介ページで効くのは「離婚に強い」という看板ではなく、どの争点で強いかとどの段階まで担当するかの2点です。実際の検索では「不倫に強い弁護士」「養育費に強い弁護士」「親権 強い弁護士」と、争点名とセットで弁護士が探されています。この記事では、載せるべき内容(What)→データと総論で裏付ける理由(Why)→サンプルサイトの実例(How it looks)の3層で解説します。

目次

  1. 請求者側の事務所紹介ページに載せるもの(What)
  2. なぜ「争点別」と「対応段階」なのか(Why)
  3. サンプルサイトで見る実例(How it looks)
  4. 実践チェックリスト

離婚(請求者側)の紹介ページで効くのは「離婚に強い」という看板ではなく、どの争点で強いかどの段階まで担当するかの2点です。実際の検索では「不倫に強い弁護士」「養育費に強い弁護士」「親権 強い弁護士」と、争点名とセットで弁護士が探されています。この記事では、載せるべき内容(What)→データと総論で裏付ける理由(Why)→サンプルサイトの実例(How it looks)の3層で解説します。

請求者側の事務所紹介ページに載せるもの(What)

事務所紹介ページは、弁護士個人を示すプロフィールブロックと、事務所の実態を示す事務所情報ブロックの2つで構成します。離婚(請求者側)専門サイトでは、この2つに加えて「争点別の強み」と「対応段階」という請求者側固有の2要素を必ず組み込みます。すでに離婚を決意し、進め方を探している訪問者は、人柄への共感だけでは動きません。自分が抱えている争点を扱えるのか、そして最後まで伴走してもらえるのかを確認してから相談に進みます。

弁護士プロフィール7項目

プロフィールブロックには次の7項目を置きます。どれも省略すると信頼の根拠が1つ抜けますが、請求者側では特に「注力分野」と「メッセージ」の書き方が他分野と変わります。

項目 目的 請求者側での記載例 規程上の注意点
顔写真 誰に依頼するのかを視覚的に確定させる 明るい背景・正面向き・単独の写真 過度な加工は避ける。実際の印象と乖離させない
氏名 依頼対象を明確にする。ふりがなを添えると検索・呼称の障壁が下がる 氏名と読み仮名を併記 特になし
弁護士登録番号 資格の裏付け。第三者が公開情報で照会できる状態を作る 登録番号を明記し、日本弁護士連合会の弁護士情報提供サービスで照会できる旨を添える 誤記は信頼を大きく損なう。登録情報と一字一句合わせる
所属弁護士会 権威性と地域性の裏付け 所属弁護士会名を明記 特になし
経歴 専門性がどこで培われたかを示す 学歴・勤務歴・離婚案件に携わってきた期間 事実に基づく範囲に限る。年数や件数を書くなら数え方の定義を添える
注力分野(争点別) 訪問者の争点と自分の強みを突き合わせる 「主な取扱分野: 不貞慰謝料請求、養育費・婚姻費用、親権・監護、モラハラ・DV」 「専門」は使わず「注力」「重点的に取り扱い」「主な取扱分野」に置き換える
メッセージ 依頼後に何が起きるかの見通しを与える 「離婚を決めた方が次に迷うのは、どの手続きから始めるかです。方針と見通しを最初にお示しします」 「必ず取れる」「満額回収」など結果を約束する表現は使えない

被請求者側の紹介ページでは「まず話を聞く」という傾聴の姿勢が中心になりますが、請求者側では見通しを示す姿勢が中心になります。決意はすでに固まっているため、共感よりも「この順番で、ここまで進めます」という道筋の提示が響きます。

争点別の強み──「離婚に強い」ではなく「どの争点で強いか」

請求者側の検索者は、離婚という大きな塊ではなく、自分が抱えている個別の争点で検索します。したがって紹介ページの注力分野も、争点の粒度まで分解して書きます。離婚(請求者側)の分野で集めた2,933件のキーワードのうち、実際に弁護士を探す検索語として現れているのは、次の4系統です。

争点 実際の検索キーワード(月間検索数) 紹介ページでの書き方 裏付けとしてリンクする先
不貞・慰謝料 不倫に強い弁護士 320/不倫 強い弁護士 320 「不貞行為の証拠評価から慰謝料請求まで重点的に取り扱っています」 不貞慰謝料の業務紹介ページ・匿名化した解決事例
養育費 養育費に強い弁護士 140/養育費 強い弁護士 140 「算定表に基づく取り決めと、取り決め後の履行確保まで対応します」 養育費の業務紹介ページ・公正証書/強制執行の解説記事
親権・監護 親権 強い弁護士 140/親権に強い弁護士 140 「監護実績の整理と主張立証を重点的に取り扱っています」 親権・監護の業務紹介ページ・調停での進め方の記事
モラハラ・DV モラハラ 離婚 弁護士 210/モラハラに強い弁護士 110 「モラハラを理由とする離婚案件を継続的に取り扱っています」 モラハラ離婚の業務紹介ページ・保護命令の解説記事

一方で財産分与は、検索ボリュームこそ大きいものの(財産分与とは・離婚 財産分与など制度理解の検索が中心)、「財産分与に強い弁護士」という形の指名検索としては上位に現れません。つまり財産分与は紹介ページの看板ではなく、業務紹介ページとコラム記事で受け止める争点です。紹介ページの見出しに何を置き、何を業務紹介に委ねるかは、この現れ方の差で決めます。

対応段階の明示──協議・調停・訴訟のどこまで担当するか

請求者側でもう1つ欠かせないのが、対応段階の明示です。紹介ページには次の4段階について、自分がどこまで担当するのかを書きます。

  • 協議段階: 相手方との交渉代理、離婚協議書・公正証書の作成まで担当するか
  • 調停段階: 家庭裁判所への申立書作成、期日への同行・代理を行うか
  • 訴訟段階: 調停不成立となった場合に、そのまま訴訟を追行するか
  • 履行確保: 取り決めた養育費が支払われない場合の履行勧告・強制執行まで扱うか

特に4番目の履行確保は差がつく項目です。取り決めて終わりではなく、実際に受け取るところまで担当すると明記している事務所は多くありません。「協議から訴訟、取り決め後の履行確保まで一貫して担当します」という一文が、途中で弁護士を替える不安を消します。

事務所情報ブロック──相談の入口を具体化する

事務所情報ブロックには、所在地と地図、最寄り駅からの経路、電話番号とメールアドレス、営業時間、相談方法(対面・電話・オンライン)、そして初回相談の費用を置きます。請求者側では、平日昼間に来所しづらい、子どもを預けられないといった事情で相談が先送りになることが少なくありません。オンライン相談や時間外相談の可否は、それ自体が問い合わせを増やす情報になります。

なぜ「争点別」と「対応段階」なのか(Why)

ここまでの設計方針を、総論で学んだ原則と検索データで裏付けます。

E-E-A-TとYMYL──紹介ページはサイト全体の土台(総論05・07)

総論05で扱ったとおり、離婚は財産・住居・子どもの生活が変わるYMYL領域であり、E-E-A-Tが最も厳しく評価される分野です。総論07で扱った著者性の観点でも、記事に監修者を表示するだけでは不十分で、その監修者が何者かを確認できるページが必要になります。紹介ページは、サイト内のすべての記事から参照される著者性の受け皿です。ここが空白だと、記事側でいくら監修表記を出しても裏が取れません。

要素 意味 紹介ページでの実装 請求者側で効く理由
Experience(経験) 実際に案件を扱った経験 争点別の取扱経験、匿名化した解決事例へのリンク 自分と同じ争点を扱った経験があるかが判断材料になる
Expertise(専門性) 知識と取扱分野の深さ 弁護士登録番号、経歴、争点別の注力分野 「不倫」「養育費」「親権」という争点粒度で適合を確認できる
Authoritativeness(権威性) 組織・業界での位置づけ 所属弁護士会、研修・講演歴(実績がある場合のみ) 資格の裏付けが公開情報で照会できる状態になる
Trustworthiness(信頼性) 運営の透明性と情報の正確さ 所在地・電話番号・営業時間・初回相談費用の明記、対応段階の明示 「どこまでやってくれるか」が事前に分かることが最大の安心材料になる

「どこに頼むか選びたい」検索者は3.7%の少数派、しかし現れ方が争点特化で明確

請求者側のキーワード分布では、「どこに頼むか選びたい」という気持ちが最も強く出ているキーワードは110件・全体の3.7%にとどまります。請求者側の関心は、「いくら受け取れるか知りたい」(859件・28.9%)と「進め方・手続きを知りたい」(679件・22.8%)に集中しており、弁護士を比較する検索は数の上では少数派です。

しかし重要なのは比率ではなく現れ方です。「どこに頼むか選びたい」に分類されるキーワードは、「離婚 弁護士」(22,200)という総称のほかは、ほぼすべてが争点名とセットになっています。つまり弁護士を比較する段階まで来た検索者は、すでに自分の争点を特定し終えている。この検索者に対して「離婚問題に幅広く対応します」と書くのは、相手が絞り込んだ検索語に対して絞り込まない答えを返すことになります。争点別に書き分けるべき根拠はここにあります。

「進め方・手続きを知りたい」22.8%──「どう進めるか」を探す検索者には段階の地図が効く

手続きの流れを調べる検索は、「協議離婚 流れ」(月間880)、「離婚 手続き」(月間3,600)のように、進め方そのものを問う形で現れます。いずれも「進め方・手続きを知りたい」という気持ちが特に強く出ているキーワードです。これは請求者側がすでに離婚を決めていて、次の一歩を探していることの表れです。

この訪問者にとって、対応段階の明示は業務範囲の説明であると同時に、自分が今いる位置と、これから通る道筋の地図になります。「協議で決着しなければ調停、調停が不成立なら訴訟」という流れを紹介ページ側でも示しておくと、訪問者は自分の相談タイミングを判断できます。検索意図の内訳を見ても、情報収集型が83%、「相談を考え始めている」段階の検索者が72%を占めており、多くの検索者は今すぐ依頼する段階にいません。だからこそ、紹介ページは「今すぐ相談」を迫るのではなく、訪問者が自分の段階を確認できる情報を置く場所として設計します。

「いくら受け取れるか知りたい」という回収額への関心についても、紹介ページで金額に踏み込む必要はありません。金額の相場は業務紹介ページとコラム記事が担い、紹介ページは「取り決めた金額を実際に受け取るところまで担当する」という体制で答えます。金額そのものを約束しないまま、回収への関心に応える形です。

「専門」を使わずに専門性を伝える/実績数には根拠を添える

弁護士の業務広告に関する規程では、事実に基づかない表示や誤導のおそれのある表示が制限されます。「離婚専門弁護士」「専門事務所」といった表記は、専門性の認定制度が整備されていないことを踏まえ、使用を控えるのが実務上の扱いです。代わりに次の表現を使います。

  • 「離婚・男女問題に注力しています」
  • 「不貞慰謝料請求を重点的に取り扱っています」
  • 主な取扱分野: 養育費・婚姻費用、親権・監護」

経歴と実績の書き方にも同じ配慮が要ります。取扱件数や解決実績を数値で書くこと自体は否定されませんが、数え方の定義を添えることが前提です。「離婚相談件数」なのか「受任件数」なのか、期間はいつからいつまでかを明示すれば、根拠のある表示になります。定義のない「実績多数」「地域No.1」「解決率」といった表現は、裏付けを示せない限り避けます。獲得額についても、「必ず取れる」「満額回収」のような結果を約束する表現は使えません。「回収まで担当します」という体制の説明に置き換えます。

サンプルサイトで見る実例(How it looks)

ここまでの設計が実際のページでどう見えるかを、サンプルサイトの事務所紹介ページで確認します。架空の事務所を想定したサンプルですが、構造の参考になる部分と、実在の事務所なら補うべき部分の両方が読み取れます。

ページタイトルとキャッチコピー

ページ冒頭は「事務所のご紹介」というタイトルと、「離婚問題に寄り添い、新しい一歩を支える」というキャッチコピーで始まります。「新しい一歩」という表現は、離婚を終わりではなく次の生活の始まりとして位置づけており、決意済みの訪問者の視線と合っています。請求者側向けに調整するなら、寄り添う姿勢に加えて「必要な手続きを最後まで進めます」といった実行面の一言を添えると、より訪問者の関心に近づきます。

事務所概要ブロック──段階軸と争点軸が同居している

事務所概要では、対応分野が「離婚協議・調停・訴訟」「養育費、財産分与、親権・面会交流、DV・モラハラ」という順で列挙されています。前半が対応段階、後半が争点にあたり、本記事で示した2軸がそのまま並んでいる構造です。実在の事務所ではこの列挙を、それぞれ対応する業務紹介ページへのリンクに変えると、紹介ページが分野ページへの入口としても機能します。なお、このサンプルは架空である旨をブロック内で明示しています。実在の事務所では当然不要ですが、掲載内容の性質を正直に断る姿勢自体は、そのまま信頼性の実装例として参考になります。

ビジョン・ミッション・価値観──請求者側では「進める力」に翻訳する

ビジョン・ミッションに続いて、価値観が5項目(相談者本位、迅速な対応、子の利益最優先、わかりやすい説明、誠実なコミュニケーション)で示されています。これらは抽象的な標語のままだと差別化になりませんが、請求者側向けには具体的な行動に翻訳できます。「迅速な対応」は調停申立てや時効・期限の管理として、「わかりやすい説明」は次の期日までに何が起きるかの見通し提示として書き直せば、決意済みの訪問者にとって意味のある約束になります。

ご相談者の声とCTA──相談の条件を先に出す

ページ後半には相談者の声が3件(いずれも架空である旨を明示)、末尾には「初回60分相談無料」と申し込みボタンが置かれています。相談料を先に明示する構成は、費用を調べる検索(「離婚 弁護士費用 相場」3,200など)と、無料相談を探す検索(「養育費 弁護士 無料 相談」210など)の両方に、ページ内で直接答える形になっています。実在の事務所では、声を掲載する場合に依頼者の同意と匿名化が前提となる点に注意します。

このサンプルに足りないもの──弁護士個人のプロフィール

一方で、このサンプルページには弁護士個人のプロフィールが存在しません。顔写真も氏名も弁護士登録番号も所属弁護士会も経歴もなく、事務所としての理念と対応分野だけで構成されています。本記事のWhat層で挙げた7項目のうち、実質的に埋まっているのは注力分野だけです。

これはE-E-A-Tの中核が空白のまま公開されている状態であり、実在の事務所がそのまま真似てはいけない部分です。教科書が定義する必要要素にサンプルが追いついていない箇所は、こうして明示します。自事務所のページを作る際は、この空白部分にプロフィール7項目と対応段階の記載を追加してください。なお、注力する争点や対応段階を事務所プロフィールとして一度定義しておくと、キジラクで作成する記事の監修表記や導線にも同じ内容を一貫して反映できます。

同じサンプルサイトを被請求者側の視点で読むと、設計の重心が変わります。突然離婚を切り出された訪問者に対しては、争点別の強みより「まず話を聞く」姿勢と守秘義務の明示が前に出ます。その違いは弁護士・事務所紹介の作り方(被請求者側)で解説しています。

紹介ページ公開前の確認項目

  • 顔写真・氏名・弁護士登録番号・所属弁護士会・経歴が掲載されているか
  • 「離婚に強い」ではなく、不貞慰謝料・養育費・親権・モラハラなど争点別に強みを書き分けているか
  • 協議・調停・訴訟・履行確保のどの段階まで担当するかが明記されているか
  • 「専門」表記を避け、「注力」「主な取扱分野」等の表現に置き換えているか
  • 実績数を書く場合、数え方(期間・対象・件数の定義)を添えているか
  • 獲得額を約束する表現(「必ず取れる」「満額回収」等)が含まれていないか
  • 所在地・地図・電話番号・営業時間・相談方法・初回相談費用が明記されているか
  • 紹介ページから業務紹介・解決事例・問い合わせへの導線があるか

請求者側の紹介ページは、人柄を伝える場であると同時に、争点の適合と対応範囲を確認させる場です。争点別の強みと対応段階という2軸を軸に、プロフィール7項目と事務所情報を整えれば、業務紹介・解決事例・料金ページで積み上げた信頼を相談へつなげられます。次の記事では、コラム記事(SEO記事)の書き方を扱います。回収額や手続きの流れを調べる検索者に届く記事テーマの選び方と、紹介ページ・業務紹介ページへの内部リンクの組み方を解説します。

監修: 花井 直哉(キジラク運営)

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