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トップページの設計──緊急層と検討層を同時に受け止める

結論・要点

交通事故(被害者側)専門サイトのトップページは、「被害者側の相談を受ける」立場を明示し、事故直後の緊急層と治療中〜示談交渉中の検討層を同じ画面で受け止める構成が求められます。検索キーワード1,746件のうち最多は「いくら受け取れるか知りたい」で40.8%、次が「自分のケースについて知りたい」21.1%。必要な要素(What)→根拠(Why)→実例(How it looks)の3層で解説します。

目次

  1. 交通事故(被害者側)トップページに必要な要素(What)
  2. なぜこの構成が必要か──総論の知識で理解する(Why)
  3. サンプルサイトで見る実例(How it looks)
  4. 実践チェックリスト

交通事故(被害者側)専門サイトのトップページは、「被害者側の相談を受ける」立場を明示し、事故直後の緊急層と治療中〜示談交渉中の検討層を同じ画面で受け止める構成が求められます。検索キーワード1,746件のうち最多は「いくら受け取れるか知りたい」で40.8%、次が「自分のケースについて知りたい」21.1%。必要な要素(What)→根拠(Why)→実例(How it looks)の3層で解説します。

交通事故(被害者側)トップページに必要な要素(What)

この分野のトップページが他分野と最も違うのは、訪問者の緊急度が両極に分かれている点です。事故に遭ったばかりの人と、治療を続けながら数か月後の示談交渉を見据えている人が、同じ画面に着地します。

ファーストビューに置くべき4点セット

スクロールなしで見える範囲には次の4点を入れます。他分野より1つ多いのは、緊急層向けの即時導線が必要だからです。

  • 分野名+立場の明示: 「交通事故」だけでは足りません。「交通事故の被害に遭われた方へ」のように、被害者側の相談を受けるサイトであることを示します
  • キャッチコピー: 被害者側の心理は「何をすればいいか分からない」「保険会社の言い分が正しいのか」「結局いくら受け取れるのか」に集約されます。不安に寄り添うだけでなく判断の拠り所を示すトーンが合います
  • 電話番号の常時表示: 事故直後の緊急層は、フォームに事故状況を入力する余裕がありません。ヘッダーに固定表示し、スマートフォンではタップで発信できるようにします
  • CTA(問い合わせボタン): 検討層向けの導線です。電話と並べることで、緊急度の異なる2つの層に同時に出口を用意できます

スクロール後のレイアウト順序

続くコンテンツは次の順番で積み上げます。右端は、その要素が応える検索ニーズです。

要素 目的 配置の目安 応える検索ニーズ
ファーストビュー(分野+立場+CTA) 3秒で「被害者の相談窓口」と伝える 最上部 どこに頼むか選びたい
電話番号の常時表示 緊急層をその場でつなぐ ヘッダー固定 自分のケースについて
段階別の入口(事故直後・治療中・示談交渉中) 今いる段階から情報へ入らせる 直下 自分のケースについて(21.1%)
争点別の入口(示談交渉・後遺障害等級認定・慰謝料・過失割合・死亡事故) 関心のある争点から業務ページへ 同じ帯 いくら受け取れるか(40.8%)
金額の目安を扱う解説への導線 最大の関心を受け止める コラム一覧 いくら受け取れるか
相談から解決までの流れ 治療から示談までの全体像 業務導線の直後 進め方・手続き(11.9%)
弁護士写真+経歴+医療分野の知見 顔の見える相談相手になる ページ上半分 どこに頼むか選びたい
弁護士費用特約の案内と料金導線・最終CTA 持ち出しの懸念を解く 最下部 費用がいくらか(1.7%)

なぜこの構成が必要か──総論の知識で理解する(Why)

ファーストビュー3秒で「被害者側の相談窓口」と伝える(総論04)

総論04で学んだとおり、訪問者はページを開いてから約3秒でそのサイトを使い続けるかを判断します。交通事故分野では、この3秒に2つの難しさがあります。

1つ目は立場の混在です。「示談」(月間9,900回)や「示談交渉 弁護士」(月間780回)には、賠償を受け取る側と、支払う側・刑事処分を心配する側の両方が含まれます。被害者側は賠償額をどこまで積めるか、加害者側は処分の軽減と示談の成立が主眼で、求めるものが正反対です。加害者側のサイトでは重点が変わるため、両方を1ページで扱うとどちらにも中途半端になります。

2つ目は緊急度の混在です。事故から数時間の人と、治療を6か月続けて症状固定を迎えた人が同じ入口に来ます。立場を1行で示し、電話とフォームを並べる設計は、この2つの混在に同時に対処するものです。

また総論05(E-E-A-T)の観点から、弁護士の顔写真・経歴・実績はページ上半分に置きます。交通事故では、法律知識に加えて後遺障害等級認定に関わる医学的知見と保険実務の理解が信頼の中身になります。

検索データが示す被害者側の行動──関心は「いくら受け取れるか」に集中する

先にデータの扱いを断っておきます。収集した検索キーワード4,089件のうち1,724件(42.2%)は交通事故の語を含まない周辺語でした。マッサージ・レンタカー・源泉徴収票といった語が休業損害や治療の関連語として混入し、検索ボリューム総量の約79%を占めます。以下は、分野語を含み関連度の基準を満たした1,746件に絞った集計です。

  • いくら受け取れるか知りたい: 713キーワード(40.8%) ── 突出した最多
  • 自分のケースについて知りたい: 369キーワード(21.1%) ── 第2位
  • 進め方・手続きを知りたい: 208キーワード(11.9%)/制度の意味: 122キーワード(7.0%)
  • どこに頼むか選びたい: 31キーワード(1.8%)/費用がいくらか知りたい: 29キーワード(1.7%)
キーワード 月間検索数 検索者が知りたいこと
死亡事故 60,500 遺族として何を受け取れるか
交通事故 慰謝料 36,200 慰謝料をいくら受け取れるか
交通事故 慰謝料 計算 8,800 慰謝料の算定方法
損害賠償 請求 8,100 請求できる損害の範囲
交通事故 慰謝料 早見表 7,200 入通院日数ごとの慰謝料額
逸失利益 6,600 将来の収入減として請求できる分
示談書 6,600 示談書の作り方・確認点
追突事故 4,400 自分のケースの扱い
交通事故 紛争処理センター 3,800 弁護士以外の解決窓口

(キジラク調べ・検索ボリューム100以上を対象に集計。抽出日: 2026-08-12)

顔ぶれは「慰謝料」「相場」「早見表」「計算」「逸失利益」に集中しています。被害者側の検索者は、相談する前に自分でおおよその金額を調べているということです。4割を超える集中度は離婚(請求者側)の28.9%と比べても顕著で、金額の目安を扱う解説への導線がなければ最大の関心層を他サイトに渡すことになります。

第2位の「自分のケースについて知りたい」も特徴的です。「当て逃げされたら」(3,600回)、「通勤中の事故 労災」(1,900回)、「物損事故から人身に変更」(1,300回)のように、事故の態様が一件ごとに違い、訪問者は自分と同じ状況の記述を探しています。トップページは段階別・事故態様別の入口から詳細ページへ振り分けます。

一方「進め方・手続きを知りたい」は11.9%で、離婚(請求者側)の22.8%とほぼ倍の差があります。交通事故では依頼者になりうる人が手続きの主導権を持たないためです。治療も示談交渉も保険会社の連絡を起点に進むので、自分で手順を調べる動機が生まれにくい。裏を返せば「相談から解決までの流れ」は、誰からも教わっていない全体像を提供する要素になります。

導線は事故からの段階と争点の二軸で組む

分類軸を1つに絞ると取りこぼしが出ます。業務の分類は怪我の程度別ではなく争点別が主軸です。むちうちか骨折かといった程度は慰謝料でも後遺障害等級でも関わるため、各争点ページの中で分岐させる方が訪問者の探し方に合います。

入口の例 応えるニーズ データ上の裏付け
段階(事故直後) 事故直後にすべきこと/人身事故への切替え 今起きていることへの対処 「物損事故から人身に変更」1,300回
段階(治療中) 治療費の打ち切り/休業損害の請求 治療中の不安と収入の減少 「休業損害 証明書」5,400回
段階(示談交渉中) 提示額の妥当性/示談書/異議申立て 提示額で応じてよいか 「示談書」6,600回
争点(金銭) 慰謝料・損害賠償/休業損害・逸失利益 いくら受け取れるか いくら受け取れるか 713件(40.8%)
争点(等級) 後遺障害等級認定 等級が認められるか 「逸失利益」6,600回
争点(責任) 過失割合の交渉 自分の落ち度の評価 「自転車 車 事故 過失割合」1,600回
争点(死亡事故) 死亡事故・ご遺族の対応 遺族として何を請求できるか 「死亡事故」60,500回

依頼先を探す段階の検索は31件と多くありませんが、最多が「交通事故 紛争処理センター」(3,800回)という弁護士以外の解決窓口である点は見逃せません。弁護士に相談すると何が変わるのかを短く示す一節を置くと、この比較に答えられます。なお「専門」表記は業務広告規程上の制約があるため、サイト全体で表現を統一します。

費用は「支払う額」より「回収との関係」で見せる

自分が払う弁護士費用を知りたいキーワードは29件(1.7%)にとどまります。離婚(請求者側)の3.8%と比べても半分以下です。背景には弁護士費用特約の普及があると推測されます。自動車保険の特約で費用が賄えるなら、自分の持ち出しを調べる必要がないからです。この事実は費用の見せ方を変え、絶対額を並べる優先度は下がります。

  • 特約が使える可能性を早い段階で伝える: 特約を知らない訪問者には、これが相談のハードルを最も下げる情報です。ただし適用の可否は契約内容によるため、断定を避け「ご加入の保険で使える場合があります」といった表現に留めます
  • 費用と回収額の関係で示す: 特約がない場合も判断材料は「差し引いて手元に残るか」です。着手金・報酬金の仕組みを賠償額との関係で説明します(報酬表示の規程上、算定方法の明示が必要)

検討段階も設計に影響します。この分野のキーワードは情報収集型が88%、比較検討が7%、行動直前が5%で、相談を考え始めている段階の検索者が73%です。情報提供から段階的に相談へつなぐレイアウトを基本としつつ、緊急層には電話という別経路を残す二段構えになります。

地域での住み分け

交通事故分野は大手事務所と保険関連のポータルサイトが強く、全国規模の汎用キーワードで上位を取るのは現実的ではありません。地域名を組み合わせたキーワードに余地が残ります。

キーワードタイプ 検索ボリュームの目安 競合強度
全国汎用キーワード 交通事故 慰謝料 大(月3万回超) 高(大手・保険系ポータルが独占)
争点+依頼先キーワード 示談交渉 弁護士 小(月数百回) 中(争点特化で入り込める)
地域+分野キーワード 〔市名〕 交通事故 弁護士 小〜中(月数十〜数百回) 低(地元事務所が入り込める)
地域+争点キーワード 〔市名〕 後遺障害 相談 小(月数十回) 非常に低(ほぼ手つかず)

サンプルサイトで見る実例(How it looks)

ここまでの原則が実際のページでどう表現されるかを、キジラクの専門サイト制作代行で作成したサンプルサイト(sample-jiko.kijiraku.com)で確認しましょう。架空事務所のサイトのため、数値・住所・電話番号・相談者の声はすべて架空です。

ヘッダーとヒーロー── 緊急層の導線をどこに置くか

ヘッダーにはグローバルナビ(Home/業務紹介/解決事例/料金のご案内/About Us/交通事故コラム/Contact)が並び、右端に「TEL: 03-0000-0000」(架空)が常時表示されています。ファーストビューはH1「交通事故被害者の味方に。」、サブテキスト「示談交渉・後遺障害等級認定・慰謝料請求から死亡事故まで。」、「ご相談はこちら」のCTAボタンという構成です。

機能・なぜここに置くか: H1に「被害者」の語が入っているため、立場の明示が最上部で完了しています(総論04)。ヘッダーの電話番号は全ページ共通で、どのページから入った緊急層もその場で発信できます。電話とCTAボタンが共存し、緊急度の異なる2つの層に別々の出口があります。

自事務所への適用ポイント: 列挙されているのは争点だけです。ここに「事故直後の方」「治療中の方」「示談交渉中の方」という段階の表現を一行足すと、自分の現在地から入れる訪問者が増えます。地域名も同じ位置に入れ、電話番号はタップ発信できるようにします。

事務所紹介・強み・実績── 「適正な賠償まで到達できるか」に答える

ヒーローの下には2012年設立の事務所紹介、「裁判基準で適正な賠償額を」、解決実績3,000件超・ご相談者5,000名超・在籍弁護士10名・創業14年のカウンター、「私たちの強み」6項目(交通事故専門特化/着手金無料・成功報酬制/土日夜間相談予約可/医療機関連携/豊富な解決実績/オンライン相談可)が並びます。

機能・なぜここに置くか: 事務所の運用実態を早い段階で示し、「適正な賠償額まで到達できるか」に答えます(E-E-A-T・総論05)。6項目のうち「医療機関連携」がこの分野固有の信頼要素です。後遺障害等級の認定は診断書や画像所見の内容に左右されるためです。

自事務所への適用ポイント: 「着手金無料・成功報酬制」は費用の懸念を解く配置ですが、この分野では弁護士費用特約の案内を併記するとさらに効きます。「専門特化」の表記は業務広告規程に配慮した言い換えを検討してください。カウンターの数値は自事務所の実績を使い、増額幅や獲得額の平均値は成果保証と受け取られかねないため避けます。

取扱業務カード── 争点別の入口を揃える

「取扱業務」として、示談交渉/後遺障害等級認定/慰謝料・損害賠償/過失割合の交渉/死亡事故/休業損害・逸失利益/加害者側対応/自転車・バイク事故の8カードが並び、それぞれに一行の説明文(例: 後遺障害等級認定は「適正な等級認定のための医療記録整備・異議申立てに対応します。」)が添えられています。

機能・なぜここに置くか: 争点別の入口が一通り揃い、金額に直結する争点が「慰謝料・損害賠償」と「休業損害・逸失利益」の2枠に分かれています。最大の関心(40.8%)に複数の入口を用意する構造です。

自事務所への適用ポイント: 注目すべきは「加害者側対応」が同居している点です。被害者側に絞ったサイトなら扱いは検討対象で、両方を扱う事務所は入口自体を分けたほうが伝わります。怪我の程度でカードを増やすのではなく、各争点ページの中で分岐させてください。

ご相談から解決までの流れ── 保険会社主導の中で見通しを示す

業務カードの下に3ステップが置かれています。ご相談(初回60分無料・架空の設定)→ 方針のご提案(事故状況・お怪我の内容を伺い、想定される賠償額と今後の手続きの見通しを説明)→ 正式受任・実行(保険会社への通知・証拠収集・示談交渉・訴訟提起)という流れです。

機能・なぜここに置くか: 手続きを自分で調べる検索者が11.9%と少ない分野だからこそ、誰からも教わっていない全体像を提供する意味があります。第2ステップに「想定される賠償額」が組み込まれ、最大の関心と手続きの見通しが一度で結びついています。

自事務所への適用ポイント: 3ステップに加えて、治療 → 症状固定 → 後遺障害等級認定 → 示談交渉という事故からの時間軸を併記すると、治療中の訪問者が自分の現在地を確認できます。ただし期間や賠償額の見通しは事案によって変わるため、断定を避け「一般的な目安」であることを明記してください。

オフィス情報・相談者の声・CTAバンド── 最後のひと押し

ページ後半にはオフィス情報(東京本部・大阪・福岡/住所と電話番号はいずれも架空と明記)、相談者の声3件(追突事故のむちうちと示談金、後遺障害等級の異議申立て、死亡事故での遺族対応)、最下部に「交通事故のお悩み、まずはご相談ください」「初回60分相談無料。お電話・メール・フォームからお気軽にご連絡ください」+「ご相談を申し込む」のCTAバンドが置かれています。

機能・なぜここに置くか: 地域名で通える範囲かを示し、声で判断材料を補い、最後に電話・メール・フォームの3経路で出口を用意しています。検索者の88%は情報収集の段階にあり、一度で問い合わせに至らなくても出口が明確なら再訪時の行動につながります。

自事務所への適用ポイント: サンプルの声には「3倍以上の金額で示談できました」「14級が認定されました」という具体的な結果が含まれます。実際に掲載する場合は本人の同意と匿名化に加え、結果表示が成果保証と読まれないよう注記を添えてください。増額の実績は被害者側サイトで最も訴求力がある一方、最も表現に注意が要る箇所です。CTAの文言も「必ず増額できます」のような断定を避けます。

実践チェックリスト

  • □ ファーストビューに「交通事故」+「被害者側の相談を受ける」立場が明示されているか
  • □ 電話番号がヘッダーに常時表示され、スマートフォンでタップ発信できるか
  • □ 事故からの段階別(事故直後・治療中・示談交渉中)の入口があるか
  • □ 争点別(示談交渉・後遺障害等級認定・慰謝料・過失割合・死亡事故)の入口があるか
  • □ 「いくら受け取れるか」に答える解説コンテンツへの導線があるか
  • □ 相談から解決までの流れが治療から示談までの時間軸で示されているか
  • □ 弁護士の顔写真・医療分野の知見・実績・地域名がページ上半分にあるか
  • □ 成果保証・誇大表現がないか(「必ず増額できる」「確実に等級が取れる」等を避ける)

この3層で理解すると、「なんとなく作る」から「根拠を持って設計する」に変わります。次の記事では、争点別の分類と怪我の程度による分岐をページ構成にどう落とすかを、同じ3層構造で解説します(→ 業務紹介ページの作り方)。

監修: 花井 直哉(キジラク運営)

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