弁護士のリスティング広告でクリック単価が高い場合に試す3つの対策

弁護士のリスティング広告でクリック単価が高い場合に試す3つの対策

リスティング広告の運用改善を学ぶうえで、最初にぶつかりやすい壁が「クリック単価の高さ」です。「弁護士 離婚」で広告を出しているが、クリック単価が高くて月の予算がすぐなくなる。月15万円で出しているのに75クリック程度で使い切ってしまい、問い合わせは月1〜2件。このような状況で、予算を増やす前に単価を下げる方法を知りたい、というのはよくある課題です。

単価が高い原因を分けずに予算だけ増やすと、同じ構造のまま費用が膨らみ、問い合わせ1件あたりの費用がさらに上がります。クリック単価が高い原因は品質スコア・キーワードの選び方・配信設定の3つに分かれ、それぞれ管理画面で確認して改善できます。

この記事では、3つの対策を順に示し、改善後に同じ予算でクリック数と問い合わせがどう変わるかを確かめる方法まで置きます。

全体の流れ — 品質スコアを確認し、キーワードを見直し、配信設定を絞る。この順で進める

クリック単価が高い場合に確認する対策は3つあります。以下の表に、それぞれでやることと管理画面で確認する場所をまとめます。

対策 やること 管理画面で確認する場所
1. 品質スコアを改善する 推定クリック率・広告の関連性・ランディングページの利便性の3要素のうち「平均より下」の要素を改善する キーワードタブ → 表示項目 →「品質スコア」と3要素の列を追加
2. ロングテールキーワードにシフトする 「分野名×地域名」「分野名×相談者の状況」など、語数が多く具体的なキーワードを足す キーワードタブ → キーワードの追加
3. 配信地域と時間帯を絞る 商圏外のクリック、営業時間外のクリックを減らす キャンペーン設定 →「地域」「広告のスケジュール」

なぜこの順で進めるのか。Googleは広告の掲載順位と実際に支払う単価を、入札単価だけでなく「広告の品質」を含めた広告ランクで決めています。

広告ランクは、入札単価、オークション時の広告の品質(推定クリック率、広告の関連性、ランディング ページの利便性など)、広告ランクの下限値、オークションにおける競争力、ユーザーが検索に至った背景(コンテキスト)、広告アセットやその他の広告フォーマットの効果予測に基づいて算出されます

(出典: Google広告ヘルプ「広告ランクについて」)

品質が低いまま入札単価だけ上げても、同じ掲載順位を取るために競合より多く支払うことになります。品質スコアの確認が最初に来るのはこのためです。キーワードの見直しは単価の低いキーワードを足す作業、配信設定は無駄なクリックを減らす仕上げとして、この順番で進めます。

対策1 品質スコアを確認する — 3要素のどれが「平均より下」かで、直すところが変わる

品質スコアは、Google広告の管理画面でキーワードごとに確認できる指標で、1〜10の数値で評価されます。

品質スコアは、推定クリック率、広告の関連性、ランディング ページの利便性の3つの要素で評価されます。各要素は「平均より上」「平均的」「平均より下」のいずれかのステータスが付きます

(出典: Google広告ヘルプ「品質スコアについて」)

品質スコアが高いほど、同じ掲載順位でもクリック単価が抑えられる仕組みです。管理画面のキーワードタブで、表示項目に「品質スコア」と3つの要素(推定クリック率・広告の関連性・ランディングページの利便性)の列を追加すると、キーワードごとにどの要素が「平均より下」になっているかが分かります。

「平均より下」が付いている要素がどれかによって、次にやることが変わります。

推定クリック率が「平均より下」の場合 — 広告文にキーワードと読者の状況を入れる

推定クリック率は、その広告が表示されたときにどれくらいクリックされるかの予測値です。この評価が低い場合、広告文の見出しや説明文が、検索した人にとって「自分に関係がある」と感じられていない可能性があります。

改善のためにやることは以下の2つです。

  • 見出しに検索キーワードを含める。「弁護士 離婚 養育費」で広告を出しているのに、見出しが「○○法律事務所」だけになっていると、検索した人は自分の悩みに合う広告だと判断しにくくなります。「離婚・養育費のご相談」のように、検索キーワードに対応する言葉を見出しに入れます
  • 説明文に相談者の具体的な状況を入れる。「離婚をお考えの方」だけでなく、「養育費の金額で折り合いがつかない方」「面会交流の条件を決めたい方」のように、検索者が自分のことだと感じられる状況を入れると、クリックされやすくなります

広告の関連性が「平均より下」の場合 — 広告グループをキーワードのまとまりごとに分ける

広告の関連性は、設定しているキーワードと広告文の内容がどれくらい一致しているかの評価です。この評価が低い場合、1つの広告グループに異なる分野のキーワードを混ぜている可能性があります。

たとえば「離婚 弁護士」と「相続 弁護士」を同じ広告グループに入れていると、広告文を1種類しか設定できないため、どちらかのキーワードに対して広告文の関連性が下がります。「離婚 弁護士」で検索した人に対して「相続もお任せください」という広告文が出ると、関連性は低く評価されます。

改善の方法は、分野ごとに広告グループを分けることです。

  • 広告グループ「離婚」: キーワード「離婚 弁護士」「離婚 養育費 相談」→ 広告文は離婚に特化した内容
  • 広告グループ「相続」: キーワード「相続 弁護士」「遺産分割 相談」→ 広告文は相続に特化した内容

広告グループを分野ごとに分け、それぞれに合った広告文を設定することで、関連性の評価が上がります。

ランディングページの利便性が「平均より下」の場合 — 広告の飛び先を検索キーワードに合ったページにする

ランディングページの利便性は、広告をクリックした人が飛んだ先のページが、検索した内容と合っているか、使いやすいかの評価です。

この評価が低い場合、広告の飛び先がトップページや事務所概要になっている可能性があります。「離婚 弁護士」で検索して広告をクリックしたのに、事務所のトップページが表示されると、検索した人は離婚の情報をそこから探さなければなりません。Googleもそのページの内容が検索キーワードと関連が薄いと評価します。

改善の方法は、広告の飛び先を検索キーワードに合ったページに変えることです。

  • 「離婚 弁護士」で出す広告 → 事務所サイトの離婚の取扱ページに飛ばす
  • 「相続 弁護士」で出す広告 → 事務所サイトの相続の取扱ページに飛ばす

飛び先のページに、その分野の取扱内容・相談の流れ・費用・問い合わせ方法が載っていれば、利便性の評価が上がりやすくなります。分野ごとの取扱ページがない場合は、ページを用意するところから始める必要があります。

対策2 ロングテールキーワードにシフトする — 「弁護士 離婚」より「弁護士 離婚 養育費 相談」の方が単価は低い傾向がある

品質スコアの改善と並行して確認したいのが、そもそも入札しているキーワードの選び方です。

「弁護士 離婚」「弁護士 相続」のように分野名だけのキーワードは検索ボリュームが大きく、広告を出している競合も多いため、クリック単価が高くなりやすい構造があります。一方、「弁護士 離婚 養育費 相談」「弁護士 相続 遺留分 ○○市」のように語数が多く具体的なキーワード(ロングテールキーワード)は、検索ボリュームが小さいぶん競合が少なく、単価が低い傾向があります。

また、具体的なキーワードで検索している人は、悩みが明確になっている段階にいるため、相談につながりやすいという利点もあります。

弁護士の主要分野ごとに、分野名だけのキーワードとロングテールキーワードの具体例を以下の表にまとめます。

分野 分野名だけのキーワード(例) ロングテールキーワード(例)
離婚 「弁護士 離婚」「離婚 弁護士 費用」 「離婚 養育費 相談 ○○市」「離婚 親権 弁護士 ○○区」「モラハラ 離婚 弁護士 相談」
相続 「弁護士 相続」「相続 弁護士 費用」 「遺産分割 調停 弁護士 ○○市」「遺留分 請求 弁護士 相談」「相続放棄 期限 弁護士」
交通事故 「弁護士 交通事故」「交通事故 弁護士 費用」 「交通事故 後遺障害 弁護士 ○○市」「追突事故 慰謝料 弁護士 相談」「交通事故 示談 弁護士」

ロングテールキーワードを足すときのやり方は以下のとおりです。

  1. 管理画面のキーワードタブで、現在入札しているキーワードの一覧を確認する
  2. 分野名だけのキーワードしか入っていなければ、上の表のようなロングテールキーワードを追加する
  3. 追加したキーワードに合った広告文を設定する(対策1の「広告の関連性」の改善と同じ考え方)
  4. 2〜4週間後に、追加したキーワードのクリック単価と問い合わせ数を確認する

分野名だけのキーワードを止める必要はありません。ロングテールキーワードを足して、予算の配分を調整していくイメージです。分野名だけのキーワードで月の予算を全て使い切っている場合は、そちらの入札単価を下げ、ロングテールキーワードに予算を回す方法もあります。

対策3 配信地域と時間帯を絞る — 商圏外と営業時間外のクリックを減らす

品質スコアとキーワードの改善を進めたら、配信設定を確認します。配信地域と配信時間帯がデフォルトのまま全国・24時間になっていると、来所できない地域からのクリックや、電話を取れない時間帯のクリックにも予算を使っていることがあります。

以下のチェックリストで、配信設定を確認・変更してください。

  • 配信地域が事務所の商圏(市区町村単位)に絞られているか。来所が前提の事務所であれば、事務所から車で30分程度の範囲、または市区町村単位で設定します。オンライン相談に対応している場合でも、最初は事務所の所在地を中心にした範囲で始め、データを見てから広げる方が予算を効率よく使えます
  • 地域の設定が「この地域にいるユーザー」になっているか。Google広告の地域設定には「この地域にいるユーザー、またはこの地域に関心を示したユーザー」と「この地域にいるユーザー」の2つがあります。前者がデフォルトですが、「関心を示したユーザー」には、その地域について調べているだけの人(たとえば引っ越し先を調べている人や旅行先を検索している人)も含まれます。来所が前提であれば「この地域にいるユーザー」に変更します
  • 営業時間外の配信が止まっているか、または入札単価が下がっているか。管理画面の「広告のスケジュール」で、曜日・時間帯ごとに配信のオン・オフや入札単価の調整ができます。電話受付が平日9時〜18時であれば、それ以外の時間帯は配信を止めるか、入札単価を下げることで、電話を取れない時間帯のクリックに予算を使わなくなります
  • 土曜に面談を受けるなら土曜の配信は残し、受けないなら止めるか入札単価を下げる。土曜に面談を実施している事務所であれば、土曜の配信は残す意味があります。面談を受けていないのであれば、土曜のクリックに予算を使う必要はありません

商圏外の検索者がクリックしても来所にはつながりにくく、そのクリック分の予算が商圏内の検索者に使えなくなります。配信地域と時間帯を絞ることで、クリック単価そのものが下がるわけではありませんが、相談につながりにくいクリックに予算を使わなくなるため、同じ予算で商圏内のクリックに集中できます。

改善後に確かめる — 同じ予算でクリック数が増えたか、問い合わせ単価が下がったかを翌月に比べる

3つの対策を実行したら、翌月に管理画面で以下の数字を前月と比べます。

  • 平均クリック単価: 下がっているか
  • クリック数: 同じ予算でクリック数が増えているか
  • 問い合わせ数: 問い合わせが増えているか
  • 問い合わせ1件あたりの費用(広告費÷問い合わせ数): 下がっているか

以下の表は、月の予算が15万円で変わらない場合に、クリック単価の変化がクリック数と問い合わせにどう影響するかの計算例です。

項目 改善前 改善後
月の広告予算 150,000円 150,000円
平均クリック単価 2,000円 1,200円
月のクリック数 75回 125回
問い合わせ率(仮に2%とした場合) 1.5件 2.5件
問い合わせ1件あたりの費用 100,000円 60,000円

この計算例はあくまで仮定の数字です。実際のクリック単価の下がり方は、品質スコアの改善度合い、追加したキーワードの競合状況、配信地域の絞り方によって変わります。大事なのは、改善前の数字を記録しておき、翌月の数字と比べることです。

3つの対策のうちどれが効いたかを見るには、管理画面で以下を確認します。

  • 品質スコアの変化: キーワードタブで品質スコアが上がったか、3要素の「平均より下」が減ったか
  • ロングテールキーワードの単価: 新しく追加したキーワードのクリック単価が、既存のキーワードより低いか
  • 配信地域・時間帯の効果: 地域レポート・時間帯レポートで、商圏内のクリック比率が上がっているか

まとめ — 品質スコア・キーワード・配信設定の3つを順に確認し、同じ予算でクリック数を増やす

クリック単価が高い場合に試す対策は3つです。

  1. 品質スコアの3要素を確認し、「平均より下」の要素を改善する。推定クリック率は広告文の改善、広告の関連性は広告グループの分割、ランディングページの利便性は飛び先ページの変更で対応します
  2. ロングテールキーワードにシフトする。分野名だけのキーワードに加えて、「分野名×地域名」「分野名×相談者の状況」のような具体的なキーワードを足し、単価の低いキーワードに予算を配分します
  3. 配信地域と時間帯を絞る。商圏外のクリックと営業時間外のクリックを減らし、相談につながりやすいクリックに予算を集中させます

改善を実行したら、翌月に平均クリック単価とクリック数を前月と比べ、同じ予算でクリック数が増えたかを確認します。

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