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弁護士の広告キーワード設計──狙い方・マッチタイプ・除外設定の実践

結論・要点

広告は1クリックごとに費用が発生するため、狙うキーワードの精度が費用対効果を直接左右します。弁護士の広告では「地域名+分野」を完全一致で狙い、「求人」「資格」など無関係な検索を除外キーワードで防ぐのが基本です。本記事ではKWの選び方・マッチタイプ・除外設定の実践手順を解説します。

目次

  1. SEOのキーワード選びと広告のキーワード設計は何が違うか
  2. 弁護士が広告で狙うべきキーワードの選び方
  3. マッチタイプの使い分け──完全一致・フレーズ一致・部分一致
  4. 【モデルケース解説】相続に注力する事務所が広告キーワードを設計する
  5. 除外キーワードの設計──広告費の無駄を防ぐ守りの設定

SEOのキーワード選びと広告のキーワード設計は何が違うか

SEO=幅広く狙う vs 広告=絞って狙う──費用がかかる理由

「キーワード選定の記事」で学んだとおり、SEOでは記事を公開すれば、狙ったキーワードだけでなく関連する検索語にも幅広く表示される可能性があります。記事の公開自体にクリック単価はかからないため、1本の記事で多くの検索語からアクセスを集められるのがSEOの強みです。

一方、リスティング広告は設定したキーワードに対してクリックが発生するたびに費用がかかります。たとえば「地域名 相続 弁護士」に出稿して1クリック500円なら、100クリックで5万円です。つまり、広告では「どのキーワードに費用を使うか」の精度が費用対効果を直接左右します。SEOのように幅広く出すのではなく、相談につながる確率が高いキーワードに絞って出稿するのが基本的な考え方です。

広告キーワード設計の3要素(狙うキーワード・マッチタイプ・除外キーワード)

広告のキーワード設計は、次の3つの要素で構成されます。

  • 狙うキーワード: どの検索語に広告を表示するか。分野・地域・検索意図の3軸で候補を絞り込む
  • マッチタイプ: 設定したキーワードと実際の検索語がどの程度一致したときに広告を表示するかを制御する仕組み。完全一致・フレーズ一致・部分一致の3種類がある(Google広告 ヘルプ(Google))
  • 除外キーワード: 広告を表示したくない検索語を指定し、無関係なクリックによる費用の無駄を防ぐ設定

この3つを正しく組み合わせることで、限られた予算でも相談につながるクリックを効率よく集められます。以下のセクションで、それぞれの設計方法を順番に解説します。

項目 SEO リスティング広告 弁護士にとっての意味
費用の発生 記事公開自体は無料 1クリックごとに課金 広告はキーワード選びの精度が費用に直結する
狙い方 幅広いキーワードで流入を狙える 設定したキーワードに絞って表示 広告は「相談に近い検索語」に集中投下が基本
表示の制御 Googleのアルゴリズムが判断 マッチタイプと除外キーワードで自分で制御 不要な表示を自分で止められる=費用の無駄を防げる
成果が出るまでの時間 数ヶ月〜半年以上 出稿した日から表示開始 開業直後や新分野への注力開始時は広告が即効性を持つ
キーワード数の考え方 多くの記事で多数のキーワードをカバー 少数の高精度キーワードに集中 月予算5万円なら10〜20キーワード程度から始めるのが現実的

弁護士が広告で狙うべきキーワードの選び方

「地域名+分野」が基本──広告費を地域に集中させる理由

弁護士への相談は、原則として事務所に来所できる範囲の依頼者が対象です。人口10万〜50万の地方都市であれば、商圏はその市と周辺市町村に限られます。したがって広告キーワードも「地域名 相続 弁護士」「地域名 離婚 相談」のように、地域名を含めて設定するのが基本です。

「相続 弁護士」のような全国キーワードは、大手法律事務所やポータルサイトが高い入札額で上位を占めています。小規模事務所が同じキーワードで競っても、予算面で入り込む余地がありません。地域名を付けることでクリック単価が下がり、かつ自事務所の商圏内にいる検索者だけに広告を届けられます。

検索意図で絞る──「相談したい」意図のキーワードを優先する

「キーワード選定の記事」で学んだ検索意図の4分類は、広告にもそのまま応用できます。広告費をかける以上、最も優先すべきは「相談したい」「依頼したい」という行動直前の意図(トランザクショナル意図)を持つキーワードです。

たとえば「地域名 離婚 弁護士 相談」は今すぐ弁護士に相談したい人が検索する語です。一方「離婚調停とは」は制度を調べたい情報収集意図の検索であり、広告でクリックを集めても相談につながる確率は低くなります。広告では、情報収集段階のキーワードはSEO記事に任せ、相談直前のキーワードに予算を集中させるのが費用対効果の高い戦略です。

CPC(クリック単価)を確認して予算内に収まるキーワードを選ぶ

狙いたいキーワードが決まったら、Google広告のキーワードプランナーでCPC(クリック単価=1クリックあたりの費用)を確認します(Google広告 ヘルプ(Google))。月予算とCPCから、獲得できるクリック数の目安を計算できます。

たとえば月予算5万円でCPCが500円のキーワードなら、月に約100クリックを獲得できます。広告経由の相談率(コンバージョン率)を仮に3%とすると、100クリック×3%=月3件の相談が見込めます。CPCが高すぎてクリック数が確保できないキーワードは、より具体的なロングテールキーワード(「地域名 遺産分割 調停 弁護士」など)に切り替えることでCPCを下げられる場合があります。

弁護士広告で狙いやすいキーワードの具体例

以下に、弁護士の広告で狙いやすいキーワードの具体例を分野別に示します。いずれも地域名を付けて出稿することを前提としています。

分野 キーワード例 検索意図 CPC目安 狙う理由
離婚 地域名 離婚 弁護士 相談直前 300〜800円 弁護士への相談を明確に求めている
離婚 地域名 離婚 相談 相談直前 200〜600円 「相談」の語が行動意図を示す
相続 地域名 相続 弁護士 相談直前 300〜700円 相続全般の相談ニーズを広くカバー
相続 地域名 遺産分割 相談 相談直前 200〜500円 具体的な悩みを持つ検索者が多い
債務整理 地域名 債務整理 弁護士 相談直前 400〜1,000円 債務整理は弁護士への依頼が前提の分野
交通事故 地域名 交通事故 弁護士 相談直前 500〜1,200円 保険会社との交渉で弁護士を探している
交通事故 地域名 交通事故 慰謝料 相談 相談直前 300〜700円 慰謝料の増額を求めて弁護士を探す検索

CPC目安はキーワードプランナーの表示値を参考にした概算であり、地域や時期によって変動します(Google広告 ヘルプ(Google))。実際の出稿前に必ず自事務所の地域名で確認してください。

なお、SEOで狙うべきキーワードを判断する際には、キジラクのキーワードデータが参考になります(キジラク調べ・抽出日: 2026-07-11)。広告で狙うキーワードとSEOで狙うキーワードを分けて考えることで、限られた予算を効率的に配分できます。

マッチタイプの使い分け──完全一致・フレーズ一致・部分一致

完全一致: 費用を抑えて確実に狙う(小規模事務所の基本)

完全一致は、設定したキーワードと同じ意味の検索語に対してのみ広告を表示するマッチタイプです(Google広告 ヘルプ(Google))。たとえば「地域名 相続 弁護士」を完全一致で設定すると、「地域名 相続 弁護士」や「地域名の相続に強い弁護士」など、意味が同じ検索にだけ表示されます。

表示範囲が狭い分、無関係なクリックが発生しにくく、費用を抑えられます。月予算が限られる小規模事務所では、まず完全一致で出稿を始めるのが基本です。

フレーズ一致: 関連する検索語にも表示を広げる

フレーズ一致は、設定したキーワードの意味を含む検索語に広告を表示します(Google広告 ヘルプ(Google))。「地域名 相続 弁護士」をフレーズ一致で設定すると、「地域名 相続 弁護士 費用」や「地域名 相続問題 弁護士に相談」など、キーワードの意味を含むより広い検索にも表示されます。

完全一致では拾えなかった検索語を取りこぼさずに済むメリットがありますが、意図しない検索にも表示される可能性が高まります。予算に余裕が出てきた段階で、完全一致と併用して表示を広げるのに適しています。

部分一致: 最も広いが費用リスクも最大──小規模事務所は慎重に

部分一致は、設定したキーワードに関連すると判断された検索語に幅広く表示されるマッチタイプです(Google広告 ヘルプ(Google))。「地域名 相続 弁護士」を部分一致で設定すると、「地域名 遺産 相談」「相続税 税理士 地域名」など、かなり広い範囲の検索にも表示される可能性があります。

想定外の検索語に表示され、無関係なクリックが増えるリスクが最も高いマッチタイプです。部分一致を使う場合は、除外キーワードの設定が必須です。小規模事務所が最初から部分一致を使うと、予算が無関係なクリックに消費される危険があるため、慎重に判断してください。

マッチタイプの組み合わせ方──まず完全一致で始める

小規模事務所に推奨する進め方は、以下のステップです。

  1. まず完全一致のみで出稿し、1〜2ヶ月間データを蓄積する
  2. 検索語レポートで実際にどんな検索語でクリックされているかを確認する
  3. 相談につながりそうな検索語が完全一致では拾えていない場合、フレーズ一致を追加する
  4. 部分一致は、除外キーワードの運用に慣れてから検討する(上級者向け)
種類 表示される検索語の例(「地域名 相続 弁護士」設定時) 表示範囲 費用リスク 小規模事務所の推奨度
完全一致 「地域名 相続 弁護士」「地域名の相続に強い弁護士」 狭い 低い 最初に使う(基本)
フレーズ一致 「地域名 相続 弁護士 費用」「地域名 相続問題 弁護士に相談」 中程度 中程度 データ蓄積後に追加
部分一致 「地域名 遺産 相談」「相続税 税理士 地域名」 広い 高い 上級者向け(除外キーワード必須)

【モデルケース解説】相続に注力する事務所が広告キーワードを設計する

事務所の設定と広告の目的

ここでは、以下の条件の事務所を想定してキーワード設計の手順を実演します。

  • 事務所の規模: 弁護士2名(所長+若手1名)、事務員1名
  • 所在地: 人口約30万人の地方都市
  • 注力分野: 相続(遺産分割・相続放棄・遺言書作成)
  • 広告の月予算: 5万円
  • 広告の目的: 相続分野の新規相談を月2〜3件獲得したい

この事務所が、Google広告のリスティング広告で相続の新規相談を獲得するためのキーワード設計を、4つのSTEPで進めます。

STEP1: 分野×地域でキーワード候補を洗い出す

まず、相続分野で依頼者が検索しそうなキーワードを「地域名+分野関連語」の組み合わせで洗い出します。キーワードプランナーに「地域名 相続」と入力し、関連キーワードの候補を取得します。

相続分野では、「相続」だけでなく「遺産分割」「相続放棄」「遺言書」など具体的な手続き名を含むキーワードも候補になります。依頼者は自分の悩みに近い具体的な語で検索する傾向があるため、分野を細分化してキーワードを洗い出すことが重要です。

STEP2: 検索意図とCPCで優先順位をつける

洗い出したキーワード候補に対して、検索意図とCPCを確認し、優先順位をつけます。月予算5万円の場合、CPCが500円ならば月100クリックが上限です。相談率を3%と仮定すると月3件の相談が見込めますが、CPCが高いキーワードばかりではクリック数が確保できません。

相談直前の意図を持つキーワードを最優先とし、その中でCPCが予算に見合うものから順に選びます。

キーワード 検索意図 CPC目安 月間検索数目安 優先度 理由
地域名 相続 弁護士 相談直前 400円 30〜90 弁護士への相談意図が明確
地域名 遺産分割 相談 相談直前 300円 10〜50 具体的な悩みを持つ検索者が多い
地域名 相続放棄 弁護士 相談直前 350円 10〜30 手続き代行を求める意図が強い
地域名 遺言書 作成 弁護士 相談直前 300円 10〜30 遺言書作成は依頼前提の検索
地域名 相続 相談 無料 相談検討中 250円 10〜30 無料相談があれば誘導しやすい
地域名 相続 手続き 情報収集 200円 20〜50 自分で手続きしたい人が多く相談率が低い

CPC目安・月間検索数目安は地域や時期により変動します。実際にはキーワードプランナーで自事務所の地域名を入れて確認してください(Google広告 ヘルプ(Google))。

STEP3: マッチタイプを決める

月予算5万円という制約を踏まえ、まずは優先度「高」のキーワード3つを完全一致で出稿します。完全一致であれば、設定したキーワードと同じ意味の検索にのみ表示されるため、無関係なクリックに予算が流れるリスクを抑えられます。

1〜2ヶ月間運用してデータが蓄積されたら、検索語レポートを確認します。完全一致では拾えていないが相談につながりそうな検索語がある場合は、フレーズ一致に切り替えて表示範囲を広げます。部分一致は除外キーワードの運用に慣れてから検討するのが安全です。

STEP4: 除外キーワードを設定する

広告を出稿する前に、相続分野で特に除外すべきキーワードを設定しておきます。完全一致で出稿していても、将来フレーズ一致や部分一致に広げたときのために、最初から除外キーワードを入れておくのが安全です。

除外キーワード 除外理由
相続 税理士 税理士を探している検索者であり、弁護士への相談意図ではない
相続 登記 自分で 自力で手続きしたい人であり、弁護士への依頼意図がない
相続 資格 相続関連の資格を調べている検索で、相談目的ではない
相続 司法書士 司法書士を探しており、弁護士への相談には至りにくい
相続税 計算 税額を自分で計算したい情報収集の検索
相続 放棄 自分で 弁護士に依頼せず自分で手続きしたい意図

出稿開始後は、検索語レポートを週1回確認し、相談につながらない検索語が見つかったら除外キーワードに追加していきます。この運用を続けることで、月を追うごとにキーワード設計の精度が上がります。

除外キーワードの設計──広告費の無駄を防ぐ守りの設定

なぜ除外キーワードが重要か──弁護士の広告で起きやすい無駄クリック

「弁護士」や「法律事務所」を含むキーワードに広告を出すと、相談目的ではない検索にも広告が表示されてしまうことがあります。たとえば「弁護士 求人」「弁護士 年収」「弁護士 ドラマ」といった検索は、弁護士に相談したい人ではなく、就職情報や一般的な興味で検索している人です。

これらの検索に広告が表示されてクリックされると、相談にはつながらないまま1クリック分の費用だけが発生します。月予算5万円の事務所にとって、無関係な100クリック(仮にCPC 300円なら3万円)は予算の6割が無駄になる計算です。除外キーワードは、このような費用の無駄を事前に防ぐ「守りの設定」です。

弁護士が設定すべき除外キーワードの定番リスト

以下は、弁護士の広告で設定しておくべき除外キーワードの定番リストです。分野を問わず共通で使えるものを中心にまとめています。

除外キーワード 理由 適用すべきマッチタイプ
求人 弁護士の採用情報を探す検索。相談目的ではない フレーズ一致
資格 弁護士資格の取得方法を調べる検索 フレーズ一致
試験 司法試験に関する情報収集の検索 フレーズ一致
年収 弁護士の年収・収入を調べる一般的な興味 フレーズ一致
ドラマ 弁護士が登場するドラマに関する検索 フレーズ一致
漫画 弁護士が題材の漫画に関する検索 フレーズ一致
なるには 弁護士になる方法を調べる検索 フレーズ一致
税理士 弁護士ではなく税理士を探している検索(分野による判断が必要) 完全一致
司法書士 弁護士ではなく司法書士を探している検索(分野による判断が必要) 完全一致
自分で 弁護士に依頼せず自力で手続きしたい意図の検索 フレーズ一致

「税理士」「司法書士」は、相続や登記の文脈では士業間の連携もあるため、完全一致で除外し、意図的に広い除外をしないようにしています。自事務所の取扱分野に応じて調整してください。

検索語レポートで除外キーワードを追加する運用

除外キーワードは、出稿前に定番リストを設定するだけでは不十分です。広告を開始した後、Google広告の「検索語レポート」(実際にクリックにつながった検索語の一覧)を定期的に確認し、無関係な検索語を発見したら除外キーワードに追加していきます(Google広告 ヘルプ(Google))。

推奨する運用サイクルは以下のとおりです。

  1. 週1回: 検索語レポートを確認し、相談目的でない検索語を除外キーワードに追加する
  2. 月1回: 除外キーワードのリスト全体を見直し、過剰に除外していないか確認する
  3. 四半期に1回: 分野の追加や注力変更に合わせて除外キーワードを再設計する

この運用を続けることで、月を追うごとに無駄なクリックが減り、同じ予算でもより多くの相談につながるキーワード設計に育てていくことができます。

✓ 実践チェックリスト

  • □ SEOのキーワード選びと広告のキーワード設計の違いを理解した
  • □ 自事務所の分野×地域で広告キーワード候補を5つ以上洗い出した
  • □ 検索意図(相談直前 vs 情報収集)でキーワードの優先順位をつけた
  • □ マッチタイプ(完全一致から開始)を決めた
  • □ 除外キーワードを10個以上設定した
  • □ 検索語レポートで除外キーワードを追加する運用ルールを把握した

広告キーワードの設計と除外設定ができました。次は「ランディングページとCVR」の記事で、広告をクリックした人が相談に至るページの作り方を学びます。キーワード設計で集めた訪問者を実際の相談につなげるには、クリック先のページをどう設計するかが鍵になります。

学んだ方法を、手間なく実践する。

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