この章で学ぶこと
記事を書いたのに検索順位が上がらない――そんなとき、闇雲に記事を書き直すのは効率的ではありません。この章では、順位が上がらない原因をKW(キーワード)・コンテンツ・技術・競合の4つの層に分けて、上の層から順に確認していく切り分け方法を学びます。
順位が上がらない原因はKW・コンテンツ・技術・競合の4層に分かれる
SEOで順位が上がらないとき、多くの場合は「記事の質が悪いのだろう」と考えて、記事の書き直しに時間を使います。しかし、そもそも狙っているキーワードが間違っていれば、どれだけ良い記事を書いても順位は取れません。
原因を切り分けるために、次の4つの層を上から順に確認します。
| 層 | 確認すること | 問題の例 |
|---|---|---|
| 1. KW(キーワード) | 狙っているキーワードが適切か | 競合が強すぎる、検索されていない、意図とずれている |
| 2. コンテンツ | ページの内容が検索意図に応えているか | 検索者の悩みと記事の内容がずれている |
| 3. 技術 | ページが正しく検索エンジンに認識されているか | インデックスされていない、表示が遅い |
| 4. 競合 | 上位サイトとの差はどこにあるか | 被リンク数、コンテンツ量、ドメインの信頼性 |
上の層に問題があると、下の層をいくら改善しても効果は出ません。順番に確認していくことが重要です。
KWの層 — 狙っているキーワードが適切かを確認する
最初に確認するのは、そもそも狙っているキーワードに問題がないかです。ここが間違っていると、後の工程はすべて無駄になります。
確認1: そのキーワードは検索されているか
Googleキーワードプランナーやサジェストで、そのキーワードの検索ボリュームを確認します。月間検索数が0に近いキーワードでは、順位が上がっても誰の目にも留まりません。
確認2: 競合が強すぎないか
そのキーワードで実際に検索してみてください。上位10件がすべてポータルサイトや大規模メディアで占められている場合、個別の事務所サイトが入り込む余地は小さいです。2語の大きなキーワード(「弁護士 離婚」など)でこの状態になっていることが多く、3語以上の掛け合わせに変更することで改善する可能性があります。
確認3: キーワードと自分のページの内容は一致しているか
「離婚 弁護士 費用」で狙っているのに、ページの内容が離婚手続きの一般的な解説になっている場合、検索意図とページの内容がずれています。この場合は、キーワードを変えるか、ページの内容をキーワードに合わせる必要があります。
コンテンツの層 — ページの内容が検索意図に応えているかを確認する
キーワードが適切であることを確認したら、次はページの内容を確認します。
確認1: 検索意図に答えているか
そのキーワードで検索する人が知りたいことに、ページの冒頭で答えているかを確認します。「離婚 弁護士 費用」で検索する人は、費用の目安を知りたいはずです。離婚の種類の説明が延々と続いて、費用の話がページの下のほうにしか出てこないなら、検索意図に応えていません。
確認2: 上位のページと比べて情報が不足していないか
そのキーワードで上位に表示されているページを3つ読んでみてください。それらのページが共通して触れている内容で、自分のページに書かれていないものがあれば、情報が不足している可能性があります。
確認3: タイトルとH2見出しにキーワードが含まれているか
titleタグとH2見出しは、検索エンジンがページの内容を判断する重要な要素です。狙っているキーワード、またはその関連語が含まれていなければ、検索エンジンはそのページをそのキーワードに関連するページとして認識しにくくなります。ただし、不自然にキーワードを詰め込むのは逆効果です。
技術の層 — インデックス・表示速度・モバイル対応を確認する
コンテンツに問題がないのに順位が上がらない場合、技術的な問題が原因であることがあります。ここからは、ある程度の技術知識が必要になります。確認だけは自分で行い、修正は制作会社や業者に依頼するのが現実的です。
確認1: ページがインデックスされているか
Google検索で「site:自分のサイトのURL ページのタイトル」と検索します。検索結果に表示されなければ、そのページはGoogleに認識されていません。原因としては次のものがあります。
- noindexタグが設定されている(WordPressのプラグインで「検索エンジンにインデックスさせない」にチェックが入っている)
- robots.txtでクロールがブロックされている
- ページが公開されてから日が浅く、まだクロールされていない
Google Search Console(無料)を使えば、どのページがインデックスされているか、エラーが出ていないかを確認できます。まだ登録していなければ、登録しておくことをお勧めします。
確認2: 表示速度に問題がないか
PageSpeed Insights(pagespeed.web.dev)に自分のサイトのURLを入力すると、表示速度のスコアが出ます。モバイルのスコアが50以下であれば、表示速度が検索順位に悪影響を与えている可能性があります。よくある原因は、画像ファイルのサイズが大きすぎること、不要なプラグインが多いことです。
確認3: モバイル対応は問題ないか
Googleはモバイルファーストインデックスを採用しており、スマートフォンでの表示を基準にページを評価します。自分のサイトをスマートフォンで開いて、文字が小さすぎないか、ボタンが押しにくくないか、横スクロールが発生していないかを確認してください。
競合の層 — 上位サイトと自分のサイトの差を確認する
上の3つの層に問題がないのに順位が上がらない場合、競合のサイトが強いことが原因です。この層の問題は、短期間では解決しにくいものです。
確認1: 上位サイトの種類を見る
狙っているキーワードで上位に表示されているサイトが、次のどれかを確認します。
- ポータルサイト(弁護士ドットコムなど)
- 法律情報メディア(編集部が運営する大規模サイト)
- 他の事務所のサイト
上位がポータルサイトとメディアだけで埋まっている場合、そのキーワードで個別事務所のサイトが上位に入ることは難しいです。キーワードをより具体的なもの(3語以上の掛け合わせ)に変更することを検討しましょう。
確認2: 上位の事務所サイトとの差を比較する
上位に他の事務所サイトが入っている場合、次の項目で差を確認します。
- ページ数: サイト全体のページ数に大きな差がないか
- そのキーワードに関連するページの数: 離婚で1ページしかない自分のサイトと、離婚関連で10ページある競合では、Googleはどちらをその分野に詳しいと判断するでしょうか
- 被リンク: 他のサイトからリンクされている数。弁護士会のサイトや法律情報サイトからリンクされていると、ドメインの信頼性が高まります
競合との差が大きい場合、同じキーワードで勝負し続けるよりも、競合が手薄なキーワードに切り替えるほうが早く結果が出ることがあります。
まとめ — 上の層から順に確認して、詰まっている箇所を特定する
検索順位が上がらないときは、闇雲に記事を書き直すのではなく、KW → コンテンツ → 技術 → 競合の順に確認しましょう。
- KWの層: そもそも狙うキーワードが適切か。検索されているか。競合が強すぎないか
- コンテンツの層: 検索意図に答えているか。上位のページと比べて情報が不足していないか
- 技術の層: インデックスされているか。表示速度は問題ないか。モバイル対応はできているか
- 競合の層: 上位サイトとの差はどこにあるか。そのキーワードで勝負すべきか
原因が分かれば、やることが決まります。原因が分からないまま施策を続けることが、最も時間を無駄にするパターンです。まず上の層から順に確認して、どこが詰まっているかを特定することから始めてください。