集客レポート・ダッシュボードの作り方──月1回5分で現状を把握する仕組み
結論・要点
GA4やSearch Consoleを毎回開いてデータを確認するのは、忙しい弁護士にとって続きません。Looker Studio(旧データポータル)を使えば、GA4とSearch Consoleのデータを1画面にまとめたダッシュボードを無料で作れます。本記事では弁護士サイトの集客レポートに必要な指標と構成を紹介し、月1回5分で現状を把握できるダッシュボードの作り方を解説します。
目次
- なぜダッシュボードが必要か──毎回ツールを開く手間をなくす
- 弁護士サイトの集客ダッシュボードに載せる指標
- Looker Studioでダッシュボードを作る手順
- 【モデルケース解説】相続に注力する事務所がダッシュボードを作成する
- ダッシュボード運用の注意点
- 計測から改善まで──pillar13のまとめ
なぜダッシュボードが必要か──毎回ツールを開く手間をなくす
GA4とSearch Consoleを別々に開く非効率
「改善サイクル」の記事で学んだ月次チェック(STEP1: 現状把握)では、GA4→コンバージョン→Search Consoleの3つのツールを順に開いて数字を確認します。この作業に毎月15分かかっていました。忙しい弁護士にとって、3つのツールを毎回別々にログインして操作するのは面倒で、つい後回しにしてしまう原因になります。
Looker Studioなら1画面で5分
Looker Studio(旧Googleデータポータル)は、Googleが無料で提供するダッシュボードツールです。GA4とSearch Consoleのデータを1つの画面にまとめて表示できます。一度作ってしまえば、毎月ダッシュボードを開くだけで現状把握が完了します。数字をスプレッドシートに手で転記する必要もなくなります。
ダッシュボードを作る目的は「データの可視化」ではなく「改善サイクルを続ける仕組み化」です。月初にダッシュボードを5分見て、課題を1つ発見し、施策を1つ実行する──この流れを自動的に始められる環境を作ります。
弁護士サイトの集客ダッシュボードに載せる指標
GA4から取得する指標──ユーザー数・流入経路・エンゲージメント率・コンバージョン
「GA4の基本」の記事で学んだ5つの指標と、「コンバージョン計測」の記事で設定したコンバージョンデータをダッシュボードに載せます。全指標を網羅する必要はありません。改善サイクルの判断に必要な指標だけに絞ります。
- 月間ユーザー数の推移(折れ線グラフ)──前月比でサイトの成長を確認
- 流入経路の内訳(円グラフ)──Organic Search・Direct・Referralの割合
- ランディングページ上位10件(表)──集客に貢献している記事を特定
- コンバージョン件数の推移(スコアカード+折れ線)──フォーム送信+電話クリックの合計
Search Consoleから取得する指標──クリック数・表示回数・CTR・掲載順位
「Search Console」の記事で学んだ検索パフォーマンスデータをダッシュボードに追加します。GA4のデータと並べて表示することで「検索→訪問→問い合わせ」の流れが1画面で見えるようになります。
- クリック数・表示回数の推移(折れ線グラフ)──検索流入の成長を確認
- 検索クエリ上位10件(表: クエリ・クリック数・CTR・順位)──キーワードの状況
- ページ別パフォーマンス上位10件(表)──記事ごとの検索成績
| No | データソース | 指標 | 表示形式 | チェックポイント |
|---|---|---|---|---|
| 1 | GA4 | 月間ユーザー数 | スコアカード+折れ線 | 前月比で増減を確認 |
| 2 | GA4 | 流入経路の内訳 | 円グラフ | Organic Searchの割合が増えているか |
| 3 | GA4 | ランディングページ上位 | 表 | 集客の柱となる記事を特定 |
| 4 | GA4 | コンバージョン件数 | スコアカード | 問い合わせ件数の前月比 |
| 5 | Search Console | クリック数・表示回数 | 折れ線グラフ | 検索流入の成長トレンド |
| 6 | Search Console | 検索クエリ上位 | 表 | 想定キーワードが来ているか |
| 7 | Search Console | ページ別パフォーマンス | 表 | リライト候補の記事を特定 |
Looker Studioでダッシュボードを作る手順
STEP1: Looker Studioにアクセスしてレポートを新規作成する
lookerstudio.google.com にブラウザでアクセスし、GA4やSearch Consoleと同じGoogleアカウントでログインします。「空のレポート」をクリックして新規レポートを作成します。レポート名を「弁護士サイト集客レポート」など分かりやすい名前に変更します。
Looker Studioは完全無料で、Googleアカウントがあれば誰でも使えます。有料プランへのアップグレードなどは不要です(出典: Looker Studio ヘルプ)。
STEP2: GA4をデータソースとして接続する
レポートの編集画面で「データを追加」→「Google アナリティクス」を選択します。GA4で使用しているプロパティ(サイト)を選択して「接続」をクリックします。接続が完了すると、GA4のデータをグラフや表として配置できるようになります。
まず上段にスコアカード(大きな数字1つを表示するパーツ)を配置します。「ユーザー」の指標を選び、比較期間を「前の期間」に設定すると、前月比が自動で表示されます。同様にコンバージョン件数のスコアカードも配置します。中段には「ユーザー」の期間別推移を折れ線グラフで配置します。
STEP3: Search Consoleをデータソースとして接続する
再度「データを追加」→「Search Console」を選択します。対象のサイトを選択し、テーブルの種類は「サイトのインプレッション」を選んで接続します。これでSearch Consoleのデータもグラフとして使えるようになります。
クリック数と表示回数の推移を折れ線グラフで配置し、検索クエリ上位の表を追加します。表の列には「クエリ」「クリック数」「表示回数」「CTR」「掲載順位」を設定し、クリック数の降順で並べます(出典: Google アナリティクス ヘルプ)。
STEP4: グラフと表を配置して1画面にまとめる
すべてのパーツを1画面に収まるようにレイアウトを整えます。推奨する配置は次のとおりです。
| エリア | 配置するパーツ | データソース | 表示形式 |
|---|---|---|---|
| 上段 | ユーザー数・Organic比率・CV件数・CVR | GA4 | スコアカード×4 |
| 中段左 | ユーザー数の推移 | GA4 | 折れ線グラフ |
| 中段右 | クリック数・表示回数の推移 | Search Console | 折れ線グラフ |
| 下段左 | ランディングページ上位5件 | GA4 | 表 |
| 下段右 | 検索クエリ上位5件 | Search Console | 表 |
完成したら、右上の「共有」ボタンから「リンクを知っている人が閲覧可」に設定すると、事務所内のスタッフとも共有できます。フィルタや計算フィールドなどの高度なカスタマイズについてはLooker Studioの公式ヘルプを参照してください。
| STEP | 操作 | 所要時間 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | Looker Studioで新規レポート作成 | 2分 | GA4と同じGoogleアカウントでログイン |
| 2 | GA4をデータソースとして接続 | 5分 | スコアカード+折れ線+表を配置 |
| 3 | Search Consoleを接続 | 5分 | 「サイトのインプレッション」を選択 |
| 4 | レイアウト調整+共有設定 | 15分 | 1画面に収まるよう調整。共有設定で事務所内共有 |
【モデルケース解説】相続に注力する事務所がダッシュボードを作成する
事務所の設定とダッシュボード構成
「GA4の基本」から「改善サイクル」まで同じ事務所(弁護士1名・人口25万都市・相続に注力・記事8本・月間ユーザー350・CV 3件/月・CVR 0.9%)で、ダッシュボード作成を実演します。
| エリア | パーツ | 表示データ | 見るポイント |
|---|---|---|---|
| 上段左 | ユーザー数スコアカード | 350(前月比+10) | 増加傾向か横ばいか |
| 上段中央左 | Organic比率スコアカード | 45% | 検索流入の割合が伸びているか |
| 上段中央右 | CV件数スコアカード | 3件 | 問い合わせの前月比 |
| 上段右 | CVRスコアカード | 0.9% | 目標1%に対する現状 |
| 中段左 | ユーザー数推移 | 直近12ヶ月の折れ線 | 成長トレンドの確認 |
| 中段右 | クリック数推移 | 直近12ヶ月の折れ線 | 検索流入の成長確認 |
| 下段左 | ランディングページ上位5件 | ページ名・セッション数・エンゲージメント率 | 集客の柱と弱い記事の特定 |
| 下段右 | 検索クエリ上位5件 | クエリ・クリック数・CTR・順位 | リライト候補・新規記事候補 |
STEP1〜2: GA4を接続してユーザー数とコンバージョンを可視化
Looker Studioで「データを追加」→GA4のプロパティを選択して接続します。上段にスコアカードを4つ配置し、月間ユーザー350・Organic比率45%・CV 3件・CVR 0.9%を表示します。各スコアカードに「前の期間との比較」を設定すると、前月比が自動で表示されます。
中段左にユーザー数の推移を折れ線グラフで配置。期間を「過去12ヶ月」に設定すると、サイトの成長トレンドが一目で分かります。下段左にランディングページ上位5件の表を配置し、「セッション数」と「エンゲージメント率」の列を追加します。
STEP3〜4: Search Consoleを接続して検索データを追加し完成
「データを追加」→Search Consoleを接続し、中段右にクリック数・表示回数の推移グラフ、下段右に検索クエリ上位5件の表を配置します。レイアウトを調整して1画面に収めれば完成です。初回の作成時間は約30分です。
完成したダッシュボードを毎月初に開くと、スコアカードで主要指標を一目で確認し、グラフでトレンドを把握し、表でリライト候補を特定できます。改善サイクルのSTEP1(現状把握)が5分で完了します。
| 指標 | 値 | 判断 | 次のアクション |
|---|---|---|---|
| ユーザー数 前月比 | +10 | 微増。記事を増やせばさらに伸びる | 新規記事作成を検討 |
| CVR | 0.9% | 目標1%未満。導線改善の余地あり | 問い合わせボタンの配置を確認 |
| 「相続税 弁護士」CTR | 3.5% | 前月の改善効果あり。順位も上昇傾向 | リライトでさらなる順位向上を目指す |
| 「遺言書 書き方」表示回数 | 50 | 記事がない。新規記事候補 | 新規記事を作成してキーワードを獲得 |
ダッシュボード運用の注意点
データの更新タイミング──GA4は翌日、Search Consoleは2〜3日後
ダッシュボードのデータはリアルタイムではありません。GA4のデータは翌日に反映されますが、Search Consoleのデータは2〜3日遅れて反映されます。月初にダッシュボードを開くとき、前月末のデータがまだ表示されていない場合があります。月初の3〜5営業日以降に確認するのがより正確です。
ダッシュボードを作っただけでは改善しない──見て判断して実行する
ダッシュボードはデータを見やすくするツールであり、見ただけでは集客は改善しません。「改善サイクル」の記事で学んだとおり、データを見て→課題を特定して→施策を1つ実行して→翌月に効果を検証するサイクルを回すことが目的です。ダッシュボードはそのサイクルを効率化する道具として活用してください。
計測から改善まで──pillar13のまとめ
5記事で学んだこと──計測→分析→改善→仕組み化
本グループ「計測して改善する」の5記事で、弁護士サイトの集客を数字で管理する方法を一通り学びました。GA4で集客の全体像を把握し(「GA4の基本」の記事)、コンバージョンで成果を測り(「コンバージョン計測」の記事)、Search Consoleで検索データを分析し(「Search Console」の記事)、改善サイクルで判断・実行し(「改善サイクル」の記事)、ダッシュボードで仕組み化する(本記事)。「入れてはいるが見ていない」状態から「月1回5分で改善点を見つけ、施策を打てる」状態に変わりました。
自社サイト集客を育てる「次の一歩」
これで総論13グループの学習が完了です。次のステップは各論(分野ごとの対策)で、相続・離婚・交通事故など自分の看板分野に合った集客戦略を学びます。「カリキュラム一覧」のページから各論の記事に進んでください。計測と改善の仕組みがあれば、施策の効果を数字で確認しながら着実に集客を伸ばせます。月1アクションの積み重ねが、12ヶ月後の集客を変えます。キジラクのサイト診断を活用すれば、集客の現状把握と改善点の特定をさらに効率化できます。
この記事の学習チェックリスト
- □ Looker Studioで弁護士サイトの集客ダッシュボードを作成する手順を理解した
- □ ダッシュボードに載せるべき指標(GA4: ユーザー数・流入経路・CV数 / Search Console: クリック数・CTR・順位)を把握した
- □ GA4とSearch Consoleをデータソースとして接続する方法を確認した
- □ ダッシュボードのレイアウト(スコアカード+グラフ+表)を設計できた
- □ 月1回5分のチェックで改善サイクルの現状把握を効率化する仕組みを理解した
(出典: Looker Studio ヘルプ・Google アナリティクス ヘルプ・キジラク調べ・抽出日: 2026-07-14)