この章で学ぶこと
ポータルサイトの掲載料を毎月払い続けているが、効果が実感できない。しかし、やめた途端に問い合わせがゼロになるのが怖い――この章では、ポータルサイトから自社サイトへ段階的に移行する4つのステップを学びます。一気にやめるのではなく、自社サイトの集客力を確認しながら進める方法です。
ポータルをやめる前に自社サイトで準備すべきこと
ポータルサイトの掲載をやめるということは、そこから来ていた問い合わせを別の経路で補う必要があるということです。代わりの経路がないまま解約すれば、問い合わせは減ります。
自社サイトを代替経路にする場合、必要な準備は3つあります。
- 自社サイトが存在し、最低限のページ(トップ・事務所紹介・取扱い分野・費用・問い合わせ)が揃っていること
- アクセス解析が導入されていること(Googleアナリティクス等)
- 問い合わせフォームまたは電話番号が、どのページからもアクセスできること
この3つが揃っていなければ、移行の前に自社サイトの整備から始める必要があります。
段階1: 自社サイトのアクセスと問い合わせの現状を確認する
最初にやることは、現状の把握です。自社サイトに今どのくらいのアクセスがあり、そこから問い合わせが何件来ているかを確認します。
確認すべき3つの数字
| 確認項目 | 確認方法 |
|---|---|
| 月間アクセス数 | Googleアナリティクスのセッション数 |
| 自社サイト経由の問い合わせ数 | フォーム送信数・電話着信数 |
| ポータル経由の問い合わせ数 | ポータルの管理画面で確認 |
この時点で、ポータル経由の問い合わせがゼロに近ければ、実質的にポータルから集客できていない状態です。その場合は、掲載を続ける意味が薄いため、段階3に進んでよいでしょう。
逆に、ポータル経由の問い合わせが事務所の収益の大部分を占めている場合は、移行に時間がかかることを前提にして動く必要があります。
段階2: 自社サイトのコンテンツと導線を整える
自社サイトから問い合わせが来ない場合、多くは2つの原因に集約されます。見つけてもらえていないか、見つけても問い合わせに至らないかです。
見つけてもらえていない場合
検索からの流入を増やすには、相談者が検索するキーワードに対応した記事が必要になります。たとえば「離婚 弁護士 費用」で検索する相談者は、離婚の弁護士費用について知りたい人です。この検索に対応するページが自社サイトにあれば、流入が見込めます。
記事は一度にまとめて公開するのではなく、月に数本ずつ継続的に追加していきましょう。検索エンジンが新しいページを評価するまでには時間がかかるため、早く始めるほど移行までの期間が短くなります。
見つけても問い合わせに至らない場合
アクセスがあるのに問い合わせが来ない場合は、サイトの導線に問題があります。費用ページがない、問い合わせフォームの場所が分かりにくい、プロフィール写真がないなど、相談者が連絡をためらう要因を取り除く必要があります。
段階3: ポータルの掲載プランを縮小しながら自社サイトの効果を確認する
自社サイトからの問い合わせが出始めたら、ポータルの掲載を一気にやめるのではなく、掲載プランを縮小することを検討しましょう。
ポータルサイトの多くは、掲載プランが複数用意されています。上位プランから下位プランに変更すれば、掲載料を下げながら最低限の露出を維持できます。
この段階で確認すべきは、プランを下げたことで問い合わせがどの程度減るかです。減った分を自社サイトからの問い合わせで補えているかどうかを、月単位で確認します。
注意点として、契約内容を事前に確認しておく必要があります。最低契約期間が残っている場合は、プラン変更や解約の時期を把握しておかないと、移行スケジュールが組めません。
段階4: 自社サイトからの相談が安定してからポータルを解約する
ポータルの解約に踏み切る基準は、自社サイト経由の問い合わせだけで事務所の運営に必要な受任を確保できるかどうかです。
ここで判断の基準にすべきは、問い合わせ件数ではなく受任件数と売上です。ポータル経由の問い合わせは件数が多くても受任率が低いことがあります。自社サイト経由の問い合わせは件数が少なくても、分野や相談内容が合致していて受任につながりやすいことがあります。件数だけで比較すると判断を誤ります。
安定の目安として、自社サイト経由の受任が3ヶ月以上継続していることを確認できれば、一時的な変動ではないと判断しやすくなります。
なお、ポータルを完全にやめる必要はありません。無料プランや最低プランが用意されている場合は、費用を最小限にして掲載を残しておくという選択肢もあります。
まとめ — 一気にやめるのではなく、段階的に移行する
ポータルサイトの掲載をやめるまでの手順を整理すると、次の4段階になります。
- 自社サイトのアクセスと問い合わせの現状を数字で把握する
- 自社サイトのコンテンツと導線を整え、検索からの流入を増やす
- ポータルの掲載プランを縮小し、影響を月単位で確認する
- 自社サイトからの受任が安定してから、ポータルを解約する
大事なのは、やめることをゴールにしないことです。ゴールは「自社サイトから安定して問い合わせが来る状態をつくること」であり、ポータルの解約はその結果として自然に訪れます。自社サイトの準備が整う前にやめれば、問い合わせが減った期間をそのまま耐えることになります。順番を間違えないことが、移行を成功させる最大のポイントです。