この章で学ぶこと
ポータルサイトに初めて掲載する際、いきなり営業担当に連絡するのは不安が大きいものです。この章では、掲載先を選ぶ前に自分で進められる4つの手順――分野と商圏で絞る・プランの仕組みを確認・競合状況を調べる・最小プランで試す――を順番に学びます。
弁護士がポータルサイトを初めて選ぶときの4つの手順
集客を体系的に学んでいくと、ポータルサイトへの掲載は早い段階で検討対象に入ります。弁護士ドットコムが有名だということは知っていても、ベンナビやココナラ法律相談など他にも選択肢があり、掲載料は問い合わせないと分からないため、どこから手をつけるべきか迷う方は多いです。
結論から言えば、ポータルサイトを初めて選ぶときは、4つの手順を順番に進めればよい。「分野と商圏で絞る」「掲載プランの仕組みを確認する」「競合の掲載状況を調べる」「最小プランで試す」の4つです。この章では、各手順で何をすればよいかを具体的に説明します。
手順1 自分の注力分野と商圏でポータルを絞る
最初にやるべきことは、自分の事務所の状況を整理し、候補を絞ることです。全てのポータルサイトを検討する必要はありません。
注力分野を決める
まず、自分がこれから問い合わせを増やしたい分野を1つか2つに絞ります。「離婚」「相続」「交通事故」「債務整理」など、開業時に決めた注力分野があるはずです。まだ決まっていなければ、この段階で決めます。ポータルサイトは分野ごとに集客力が異なるため、分野を決めずに比較しても意味がありません。
商圏を確認する
次に、自分の事務所がどの地域から相談者を集めたいかを確認します。事務所の所在地を中心に、相談者が通える範囲が商圏になります。都道府県単位で考えれば十分です。
注力分野と商圏でポータルを絞る
Googleで「注力分野 弁護士 地域名」と検索します。たとえば「離婚 弁護士 横浜」で検索すると、検索結果の上位にどのポータルサイトが表示されるかが分かります。上位に表示されているポータルは、その分野と地域で相談者を集めている可能性が高い。上位に出てこないポータルに掲載しても、その分野・地域では相談者が来にくいです。
この方法で、検討対象を2つか3つに絞ります。
手順2 掲載プランの仕組みを確認する
候補を絞ったら、各ポータルの掲載プランの仕組みを確認します。この段階では掲載料の額を気にする必要はありません。まず仕組みを理解することが先です。
ポータルサイトの料金体系には、主に3つの種類があります。
- 月額固定制 — 毎月一定額を支払う。問い合わせの有無にかかわらず費用が発生します
- 成果課金制 — 問い合わせや相談予約が発生した場合のみ課金されます
- クリック課金制 — プロフィールページへのクリックごとに課金されます
各ポータルの公式サイトに料金体系の仕組みが書かれていることもあります。書かれていなければ、問い合わせフォームや資料請求で確認します。このとき、額だけでなく以下の点も聞いておきます。
- 最低契約期間はあるか
- 途中でプランを変更できるか
- 解約に条件や違約金はあるか
開業直後であれば、月額固定制よりも成果課金制やクリック課金制のほうがリスクが低い。問い合わせが来なかった月の出費を抑えられるからです。ただし、すべてのポータルが成果課金制を用意しているわけではありません。
手順3 同じ分野・同じ地域の競合の掲載状況を調べる
掲載プランの仕組みを理解したら、次に確認すべきは同じ分野・同じ地域で、他の弁護士がどの程度掲載しているかです。
やり方は単純です。候補のポータルサイトで、自分の注力分野と地域で弁護士を検索します。たとえばベンナビで「離婚 横浜市」で検索すれば、掲載弁護士の一覧が表示されます。
確認すべきポイントは次のとおりです。
- 掲載弁護士の数 — 同じ分野・地域に掲載している弁護士が多すぎると、埋もれるリスクがあります。逆に、数が極端に少ない場合は、そのポータルがその分野・地域に力を入れていない可能性があります
- 上位表示されている弁護士のプロフィール — 上位に表示されている弁護士がどのようなプロフィールを書いているかを見ておきます。後で自分のプロフィールを作るときの参考になります
- 自分の事務所の近隣に掲載が集中しているか — 同じ市区町村に掲載が集中していると、差別化が難しくなります
この確認は、掲載を申し込む前に無料でできます。掲載した後に「思ったより競合が多かった」と気づくのでは遅い。事前に状況を把握しておくことで、どのポータルが自分にとって有利かが見えてきます。
手順4 最小プランで掲載し、効果を確認する
候補を絞り、仕組みを確認し、競合状況を調べたら、いよいよ掲載します。ここで重要なのは、最初から高いプランを選ばないことです。
初めてポータルサイトに掲載するなら、まず最小プランで始める理由は3つあります。
- 効果が読めない段階で大きな費用をかけるリスクを避けられる — ポータルサイトの効果は、分野・地域・プロフィールの内容など複数の要因で変わります。掲載してみないと分からない部分があります
- 掲載後の運用に慣れる時間が取れる — プロフィールの編集、問い合わせへの対応、効果の確認など、掲載後にやるべきことがあります。最小プランで運用に慣れてからプランを上げても遅くありません
- 効果が出なかった場合に撤退しやすい — 最小プランであれば、効果が出なかったときの損失が小さいです
掲載後は、最低でも3か月は効果を見ます。1か月で「問い合わせが来ない」と判断するのは早い。3か月間のデータがあれば、プランを上げるか、別のポータルに切り替えるか、ポータル以外の集客手段を検討するかの判断ができます。
効果を確認する際に見るべき数字は次の3つです。
- プロフィールページの表示回数(管理画面で確認できることが多い)
- 問い合わせの件数
- 問い合わせから実際の相談につながった件数
表示回数が多いのに問い合わせが少なければ、プロフィールの内容に問題があります。表示回数自体が少なければ、そのポータルでの自分の分野・地域の集客力が弱い可能性があります。
まとめ
ポータルサイトを初めて選ぶときは、次の4つの手順で進めます。
- 分野と商圏で絞る — 自分の注力分野と地域で検索上位に出るポータルを2〜3つ選ぶ
- 掲載プランの仕組みを確認する — 月額制・成果課金・クリック課金の違いと契約条件を把握する
- 競合の掲載状況を調べる — 同じ分野・地域で何人が掲載しているかを事前に確認する
- 最小プランで試す — 最初から高いプランを選ばず、3か月間の効果を見てから判断する
いきなり営業担当に連絡するのではなく、この手順で事前に情報を整理しておくことで、掲載後に「思っていたのと違った」となるリスクを減らせます。ポータルサイトの掲載は、合わなければ変えればよい。最初の一歩は小さく始めることを勧めます。