この章で学ぶこと
この章では、Googleビジネスプロフィール(GBP)の投稿機能に自社サイトの記事を活用して、地域検索からの流入を増やす方法を学びます。投稿の種類と弁護士に向く使い方、記事の要約を投稿する具体的な手順、無理なく続けるための頻度と内容の目安を理解していきましょう。
GBPの投稿機能は弁護士にとって無料の地域集客ツール
GBPの投稿機能とは、Googleマップや検索結果のビジネスプロフィール欄に、テキスト・画像・リンク付きの短い投稿を表示できる機能です。ユーザーが「弁護士 渋谷」「離婚 弁護士 新宿」のように地域名を含むキーワードで検索したとき、GBPの情報が検索結果に表示されます。投稿を行っている事務所は、この表示欄にテキストと画像が追加されるため、目に留まりやすくなります。
GBP投稿の基本仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 費用 | 無料 |
| 文字数 | 最大1,500文字(推奨は150〜300文字) |
| 画像 | 1投稿につき1枚以上を推奨(最小400×300ピクセル) |
| リンク | ボタン付きリンク(「詳細」「予約」など)を設定可能 |
| 表示期間 | 投稿から6か月間表示される(以前は7日間だったが変更された) |
| 表示場所 | Google検索のビジネスプロフィール欄・Googleマップの事務所情報欄 |
なぜ弁護士にとって有効なのか
弁護士への相談は地域性が高く、依頼者の多くは「自宅や職場から近い事務所」を探します。GBPは地域検索に特化した仕組みであり、弁護士の集客と相性がよいです。投稿機能を使うことで、次の効果が期待できます。
- 検索結果でのGBP欄の情報量が増え、クリック率が上がる
- 定期的に投稿している事務所は「活動している事務所」として信頼されやすい
- 投稿にリンクを設定すれば、自社サイトへの流入が増える
- GBPの投稿頻度がローカル検索順位に影響するとされている(Google公式は明言していないが、複数の調査が相関を報告している)
BrightLocalの調査(2024年)によれば、消費者の87%がローカルビジネスの評価をGoogleで確認すると回答しています。弁護士に限った調査ではありませんが、GBPの情報を見て事務所を比較する人が多いことは推測できます。
GBP投稿に記事の要約を載せて自社サイトに誘導する手順
GBPの投稿は、ゼロから内容を考える必要はありません。自社サイトに公開済みの記事の要約を使えば、投稿の作成にかかる時間を大幅に短縮できます。具体的な手順を以下に示します。
手順1 投稿に使う記事を選ぶ
GBP投稿に向く記事は、以下の条件を満たすものです。
- 地域の潜在的な依頼者が関心を持つテーマであること(離婚・相続・交通事故・債務整理など)
- 記事の内容が150〜300文字に要約できること
- 記事ページに問い合わせフォームへのリンクなどが設置されていること
取扱分野に関する記事を優先して選びましょう。事務所の内部的な話題よりも、法律問題の解説や手続きの流れを説明する記事のほうが、GBP投稿としての反応がよくなります。
手順2 記事の要約を作成する
記事の内容を150〜300文字に要約します。GBP投稿では、冒頭の数十文字だけが表示され、残りは「続きを読む」をタップしないと見えません。そのため、冒頭に最も重要な情報を置くことが大切です。
要約の構成
- 1文目: 読者が抱える問題や疑問を提示する(例: 「離婚時の財産分与、何が対象になるかご存じですか」)
- 2〜3文目: 記事の要点を2〜3点にまとめる(例: 「預貯金・不動産だけでなく、退職金や年金も対象になる場合があります」)
- 最終文: 記事への誘導(例: 「詳しくは当事務所の記事で解説しています」)
手順3 GBPに投稿を作成する
GBPの管理画面から投稿を作成する手順は以下のとおりです。
- GBPの管理画面(business.google.com)にログインする
- 左メニューの「投稿」をクリックする
- 「最新情報を追加」を選択する
- 手順2で作成した要約文を入力する
- 画像を1枚追加する(記事のアイキャッチ画像を流用するのが効率的です)
- ボタンを追加する。ボタンの種類は「詳細」を選び、リンク先に記事のURLを設定する
- 「公開」をクリックする
手順4 投稿の効果を確認する
GBPの管理画面の「パフォーマンス」タブで、以下の指標を確認できます。
| 指標 | 確認できること |
|---|---|
| 検索数 | GBPがGoogle検索やマップで表示された回数 |
| ウェブサイトのクリック数 | GBPからサイトへのアクセス数 |
| 通話数 | GBPの電話ボタンが押された回数 |
| ルート検索数 | 事務所への道順が検索された回数 |
投稿を始める前と後で、ウェブサイトのクリック数がどう変化したかを比較しましょう。投稿を始めてから1〜2か月後に効果が見え始めることが多いです。
投稿の種類と弁護士に向く使い方
GBPの投稿には複数の種類があります。それぞれの特徴と、弁護士の事務所でどう使うかを整理します。
| 投稿の種類 | 内容 | 弁護士での活用例 | 使用頻度の目安 |
|---|---|---|---|
| 最新情報 | 事務所の最新の活動やお知らせを投稿する | 新しい記事の公開告知、取扱分野の解説 | 週1回 |
| 特典 | 割引やキャンペーン情報を投稿する | 初回相談無料の告知(常設ではなく期間限定として投稿する) | 月1回程度 |
| イベント | セミナーや説明会の告知を投稿する | 無料法律相談会、セミナーの告知 | 開催時のみ |
弁護士に最も向くのは「最新情報」
弁護士の事務所では、特典やイベントを頻繁に実施するわけではありません。定期的に投稿できるのは「最新情報」であり、ここに記事の要約を載せるのが最も現実的な運用方法です。
「最新情報」の投稿で使える内容の例
- 新しく公開した記事の要約と「詳細」ボタン
- 取扱分野の簡単な解説(例: 「相続放棄は3か月以内に手続きが必要です。期限の起算点について解説します」)
- 法改正や判例の速報(例: 「2024年4月から相続登記が義務化されました」)
- 年末年始・GW・お盆の営業日程の案内
「特典」の注意点
弁護士の広告規制上、「初回相談無料」の表示自体は禁止されていません。ただし、常に初回相談無料であるにもかかわらず「期間限定」と表示するのは、事実に合致しない表示になるため注意が必要です。実際に期間限定で実施する場合のみ使用しましょう。
「イベント」の活用
無料法律相談会やセミナーを開催する場合、GBPのイベント投稿で告知すると、地域の検索者の目に留まりやすくなります。開始日と終了日を設定でき、期間中は投稿が上部に表示されます。
投稿頻度と内容の目安 — 週1回を無理なく続ける方法
GBP投稿の効果は、継続することで蓄積されます。1回投稿して終わりでは効果がありません。しかし、弁護士の業務は忙しく、投稿のために多くの時間を割けないのが現実です。ここでは現実的な頻度と、負荷を減らす運用方法を学びます。
推奨頻度: 週1回
週1回の投稿が、効果と負荷のバランスとして現実的です。月に4〜5回の投稿になります。これを続けるだけで、投稿をしていない競合の事務所に対して差がつきます。
月間の投稿スケジュール例
| 週 | 投稿内容 | 投稿の種類 | 所要時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 第1週 | 新しく公開した記事の要約 | 最新情報 | 15分 |
| 第2週 | 取扱分野の簡単な解説 | 最新情報 | 15分 |
| 第3週 | 過去記事の要約(別の切り口で) | 最新情報 | 10分 |
| 第4週 | 法改正・判例情報、または営業案内 | 最新情報 | 10分 |
1回の投稿にかかる時間は10〜15分程度です。月に合計1時間弱で運用できる計算になります。
負荷を減らすための工夫
- 記事を公開するたびにGBP用の要約を一緒に作成する。別のタイミングで作ろうとすると忘れがちです
- 月初に4回分の投稿内容をまとめて作成し、週ごとに公開する
- 画像は記事のアイキャッチ画像を流用する。GBP専用に画像を作る必要はありません
- 投稿文のテンプレートを用意しておき、毎回ゼロから書かないようにする
投稿文のテンプレート
以下のテンプレートに当てはめれば、5分で投稿文が完成します。
テンプレート(記事要約型)
「[対象者が抱える問題の提示]。[記事の要点を1〜2文で]。詳しくは当事務所のサイトで解説しています。」
例: 「離婚のとき、養育費をいくら請求できるか分からないという相談が多くあります。養育費の金額は裁判所の算定表をもとに決まりますが、算定表の見方にはいくつかの注意点があります。詳しくは当事務所のサイトで解説しています。」
テンプレート(法改正型)
「[法改正の内容を1文で]。[改正がどのような影響を与えるかを1〜2文で]。対応方法について当事務所のサイトで解説しています。」
やめてよいこと
- 毎日投稿する必要はありません。週1回で十分です
- GBP投稿のためだけに記事を書く必要はありません。既存の記事を活用しましょう
- 凝った画像を毎回用意する必要はありません。アイキャッチ画像の流用で問題ありません
- 投稿ごとに反応を細かく分析する必要はありません。月に1回パフォーマンスを確認すれば十分です
まとめ
GBPの投稿機能は、弁護士にとって無料で使える地域集客ツールです。自社サイトの記事の要約を投稿に使えば、投稿内容をゼロから考える必要がなくなります。投稿の種類は「最新情報」が弁護士に最も向いており、週1回の頻度で月に合計1時間弱の負荷で運用できます。投稿にはボタンリンクを設定して自社サイトに誘導し、GBP管理画面のパフォーマンスタブでウェブサイトのクリック数の変化を確認しましょう。投稿をしている事務所としていない事務所では、地域検索での見え方に差がつきます。まずは今週1回、最新の記事の要約を投稿するところから始めてみてください。