この章で学ぶこと
検索上位を取る記事に共通する構成と書き方のパターンを学びます。タイトルの付け方、見出しの設計、本文の書き方、E-E-A-Tの活かし方の4つを押さえれば、内容が同じでも検索順位が大きく変わることを理解します。
検索上位を取る記事には構成と書き方に共通するパターンがある
法律の知識は正確で、内容にも自信がある。それなのに、自分の取扱分野のキーワードで検索しても、自分の記事が検索結果の1ページ目に出てこない。上位に表示されているのは、ポータルサイトや他の事務所の記事ばかりです。
検索上位を取る記事には、構成と書き方に共通するパターンがあります。法律の知識が正確かどうかだけでなく、タイトルの付け方、見出しの設計、本文の書き方、そしてGoogleが重視するE-E-A-Tの要件を満たしているかどうかが、検索順位を左右します。
| ポイント | 内容 | 弁護士の記事でありがちな問題 |
|---|---|---|
| タイトル | 検索KWを含め、30文字前後にまとめる | 「最近の離婚事情について」のような抽象的なタイトル |
| 見出し設計 | 読者の疑問の順番に並べる | 弁護士の論理の順番(法的根拠→要件→効果)で並んでいる |
| 本文の書き方 | 結論を先に出し、根拠と手順を後に書く | 法律の背景説明が冒頭に長く続き、結論が最後に来る |
| E-E-A-T | 経験・専門性・権威性・信頼性を示す | 誰が書いたか分からない記事になっている |
これらのポイントは、記事の中身を変える必要がないものも多いです。構成を変える、タイトルを修正する、著者情報を追加する、といった「見せ方」の改善だけで、同じ内容の記事でも検索順位が変わる可能性があります。
タイトルの付け方 — 検索KWを含めて30文字前後にまとめる
タイトルは、検索結果に表示される最初の要素であり、クリックされるかどうかを左右します。同時に、Googleがその記事の内容を判断する最も重要な要素でもあります。
タイトルに検索KWを含める
記事で狙うキーワードが「離婚 慰謝料 相場」であれば、タイトルにこの3つのキーワードが含まれていなければなりません。
- 悪い例: 「離婚する際に知っておきたいお金の話」 — 「慰謝料」「相場」が含まれていない
- 良い例: 「離婚の慰謝料の相場はいくらか — 金額を左右する要素と請求の流れ」 — 3つのKWがすべて含まれている
30文字前後にまとめる理由
Googleの検索結果では、タイトルが長すぎると途中で切れて「…」と表示されます。PCでは30〜35文字程度、スマートフォンではさらに短い文字数で切れます。タイトルの前半にキーワードを配置し、全体を30文字前後にまとめると、検索結果で内容が伝わりやすくなります。
タイトルの型
弁護士の記事で使いやすいタイトルの型を示します。
| 型 | 例 | 使う場面 |
|---|---|---|
| [KW]の[結論]と[補足] | 離婚の慰謝料の相場と金額を左右する要素 | 相場・金額・期間の記事 |
| [KW]の[方法]と[手順・流れ] | 遺産分割協議の進め方と話し合いがまとまらないときの対処法 | 手続き・方法の記事 |
| [KW]で[悩み]のときの[解決策] | 交通事故で示談金が低いと感じたときの増額交渉の進め方 | トラブル対処の記事 |
どの型でも、キーワードをタイトルの前半に配置するのが基本です。
見出しの設計 — 読者の疑問の順番に並べる
タイトルの次に重要なのは、見出し(H2・H3)の設計です。見出しは記事の骨格であり、Googleはタイトルとともに見出しの内容から記事のテーマを判断します。
弁護士の記事でありがちな見出しの問題
弁護士が記事を書くと、法律文書の構成に引きずられて、次のような見出し構成になりがちです。
- H2: 離婚慰謝料の法的根拠
- H2: 慰謝料が認められる要件
- H2: 慰謝料の算定方法
- H2: 請求の手続き
- H2: まとめ
この構成は法的に正確ですが、相談者の疑問の順番とは合っていません。相談者が最初に知りたいのは「いくらもらえるのか」であり、「法的根拠」ではありません。
読者の疑問の順番で並べた見出しの例
- H2: 離婚の慰謝料の相場は100万〜300万円が目安
- H2: 慰謝料の金額を左右する5つの要素
- H2: 慰謝料を請求できるケースとできないケース
- H2: 慰謝料の請求手続きの流れ
- H2: 弁護士に依頼した場合の費用と効果
- H2: まとめ
この構成は、相談者が知りたい順番(金額→条件→手続き→費用)に沿っています。最初に「答え」を示し、その後で詳細を説明する流れです。
見出しにもKWを入れる
タイトルだけでなく、見出しにも検索キーワードを自然な形で含めることが重要です。ただし、すべての見出しに無理にKWを詰め込む必要はありません。主要なH2見出しの2〜3個にKWが含まれていれば十分です。
H3の使い方
H2の中でさらに細かく分ける場合にH3を使います。H2が「慰謝料の金額を左右する5つの要素」であれば、H3で「要素1 婚姻期間」「要素2 不貞行為の態様」のように分けます。H3があることで、記事の構造が明確になり、読者も読みやすくなります。Googleも記事の構造を理解しやすくなります。
本文の書き方 — 結論を先に出してから根拠と手順を説明する
見出しの設計ができたら、各見出しの中の本文の書き方を整えます。弁護士の記事で最も多い問題は、結論が最後に来る書き方です。
結論を先に出す理由
Web上の文章は、紙の書籍とは読まれ方が異なります。読者は最初の数行を読んで「この記事に自分が知りたい答えがあるか」を判断します。冒頭で結論が示されていなければ、「この記事には答えがない」と判断して離脱します。
Googleも、記事の冒頭部分を重視します。冒頭で検索意図に対する答えが示されている記事は、「この記事は検索者の疑問に答えている」と判断されやすくなります。
弁護士の記事でありがちな書き方と改善例
| 項目 | ありがちな書き方 | 改善した書き方 |
|---|---|---|
| 冒頭 | 「民法○○条は…」と法律の説明から始まる | 「結論から言えば、○○は△△です」と答えから始まる |
| 中盤 | 要件・効果・判例を順に解説する | 具体的なケースを示し、場合分けで説明する |
| 終盤 | 「以上のとおり、○○である」と結論を述べる | まとめとして要点を箇条書きにし、次の行動を示す |
PREP法を使う
各見出しの中の書き方として、PREP法が使いやすいです。
- P(Point) — 結論を最初に述べる
- R(Reason) — その根拠を説明する
- E(Example) — 具体例を示す
- P(Point) — 結論を繰り返す
たとえば、「離婚慰謝料の相場」のセクションであれば、次のように書きます。
- P: 離婚の慰謝料の相場は、100万〜300万円程度です
- R: 金額は離婚の原因、婚姻期間、子どもの有無などによって変動します
- E: 不貞行為が原因の場合は150万〜300万円、性格の不一致の場合は50万〜100万円が目安とされています
- P: 自分のケースの慰謝料の目安は、上記の要素を照らし合わせて判断します
「ケースによる」で終わらせない
弁護士は正確性を重視するため、「ケースによって異なります」「個別の事情によります」と書きがちです。法的には正しいですが、読者にとっては何の情報も得られていないのと同じです。場合分けをして、「Aの場合は○○、Bの場合は△△」と具体的に示すことが重要です。
弁護士の記事で特に重要なこと — E-E-A-Tと法的正確性
弁護士が書く記事には、一般のWebライターにはない強みがあります。それがE-E-A-Tです。E-E-A-Tは、Googleが検索品質評価ガイドラインで示している評価基準であり、特に法律・医療・金融などの「YMYL(Your Money or Your Life)」分野で重視されます。
E-E-A-Tの4要素
| 要素 | 意味 | 弁護士の記事での示し方 |
|---|---|---|
| Experience(経験) | 実体験に基づく情報か | 「実務では○○のケースが多い」のように、実務経験に基づく記述を含める |
| Expertise(専門性) | その分野の知識を持つ人が書いているか | 弁護士としての資格・取扱分野をプロフィールに明記する |
| Authoritativeness(権威性) | その分野で認められた情報源か | 事務所のサイトに掲載し、著者情報を充実させる |
| Trustworthiness(信頼性) | 正確で信頼できる情報か | 法的根拠を明示し、情報の正確性を担保する |
弁護士が自分の名前と資格を明示して記事を書く時点で、E-E-A-Tの4要素のうち3つ(経験・専門性・信頼性)は満たしやすいです。しかし、多くの弁護士の記事では、この強みが活かされていません。
E-E-A-Tを活かすための具体的な対応
- 著者プロフィールを記事に表示する — 弁護士名、所属弁護士会、登録番号、取扱分野を記事の冒頭または末尾に表示する
- 著者ページを作る — サイト内に著者の詳細プロフィールページを作り、記事からリンクする
- 実務経験に基づく記述を含める — 「実務上は○○のケースが多い」「相談を受ける中で○○という質問が多い」のように、実体験に基づく記述を入れる
- 法的根拠を明示する — 条文番号、判例の引用、参照先を明記して、情報の正確性を示す
法的正確性の担保
弁護士の記事で最も注意すべきは、法的正確性です。SEOのために分かりやすさを優先しすぎて、法律上の正確性が損なわれては本末転倒です。次のバランスを意識してください。
- 結論を先に述べつつも、「ただし例外がある」「個別の事情で変わる」という留保を付ける
- 相場や目安を示す場合は、幅で示し、断定しない
- 法改正が見込まれるテーマでは、記事の更新時期を明記する
- 弁護士広告規制に抵触する表現(「勝訴率○%」「成功実績No.1」など)を使わない
まとめ — 構成を先に作ってから書けば、検索にも読者にも評価される記事になる
検索上位を取るための記事の構成と書き方をまとめると、次の4点になります。
- タイトル — 検索KWを含めて30文字前後にまとめる。KWはタイトルの前半に配置する
- 見出し — 法律の論理順ではなく、読者の疑問の順番に並べる。見出しにもKWを含める
- 本文 — 結論を先に出してから根拠と手順を説明する。「ケースによる」で終わらせず、場合分けをして具体的に示す
- E-E-A-T — 弁護士の資格・経験を記事に明示する。著者プロフィール・著者ページを整備する
記事を書き始める前に、まず構成(タイトル・見出し・各見出しの結論)を先に作ることをおすすめします。構成ができてから本文を書く方が、書き直しが少なく、結果的に効率が良くなります。検索に評価される記事は、書き始める前の設計で8割が決まります。