この章で学ぶこと
記事を公開してもアクセスが増えない4つの原因(KW未設定・インデックス未登録・内部リンク不足・内容の薄さ)を学びます。それぞれの確認方法と改善手順を理解し、既存の記事を改善するだけでもアクセスの変化を出せるようになります。
記事を公開しただけではアクセスは増えない理由
記事を10本書いた。取扱分野の解説、手続きの流れ、費用の目安。内容には手を抜いていない。それなのに、アクセス解析を見ると月間PVは30〜50のまま、問い合わせはゼロ。何本書いてもアクセスが増える気配がない。このような経験をしている方は少なくありません。
「記事を書けばGoogleが見つけてくれて、検索に表示される」と思われがちですが、実際にはそうならないことが多いです。記事が公開されてから検索流入が得られるまでには、複数の条件を満たす必要があります。
検索流入が発生するまでの流れ
- ステップ1 — 記事を公開する
- ステップ2 — Googleのクローラーが記事を発見する
- ステップ3 — Googleが記事をインデックスに登録する
- ステップ4 — 検索キーワードに対して記事が順位を付ける
- ステップ5 — 検索結果から読者がクリックする
アクセスが増えない場合、このステップのどこかで止まっています。多くの弁護士の記事は、ステップ2〜4のいずれかで止まっています。
原因を特定するために確認すべきことは次の4つです。
| 確認事項 | 止まっているステップ | 典型的な状態 |
|---|---|---|
| 検索KWが設定されているか | ステップ4 | タイトル・見出しにKWが入っていない |
| Googleにインデックスされているか | ステップ2〜3 | そもそもGoogleに記事が登録されていない |
| 記事同士がリンクでつながっているか | ステップ2〜4 | 記事が孤立して他のページからリンクされていない |
| 競合の記事と比べて内容が十分か | ステップ4 | 同じKWの競合記事より情報量が少ない |
以下、それぞれの原因と改善手順を説明します。
原因1 検索キーワードが設定されていない — タイトルと見出しの修正
記事を書くときに「この記事はどのキーワードで検索上位を狙うか」を決めていない場合、Googleは記事の内容を正しく判断できず、適切な検索キーワードに対して順位が付きません。
確認方法
自分の記事のタイトルと見出しを確認します。次の状態であれば、KWが設定されていない可能性が高いです。
- タイトルが「離婚について思うこと」のように抽象的
- 見出しが「ポイント1」「注意点」のように内容が分からない表現
- 記事の中に、相談者が検索しそうなキーワードがほとんど含まれていない
改善手順
- 手順1 — 記事のテーマに合った検索KWを1つ決める。Googleサジェストやラッコキーワードで確認する
- 手順2 — タイトルにそのKWを含める。30文字前後にまとめる
- 手順3 — 主要なH2見出しにもKWまたは関連語を含める
- 手順4 — 記事のリード文(冒頭の1〜2段落)にKWを自然な形で含める
改善例
| 項目 | 改善前 | 改善後 |
|---|---|---|
| タイトル | 離婚について知っておきたいこと | 離婚の慰謝料の相場と請求できるケース |
| H2見出し | 大切なポイント | 離婚慰謝料の金額を左右する5つの要素 |
| リード文 | 離婚は人生の大きな決断です | 離婚の慰謝料の相場は100万〜300万円が目安です |
タイトルと見出しを修正するだけであれば、記事全体を書き直す必要はありません。既存の記事に対して、この修正だけでも検索順位が改善する可能性があります。
原因2 Googleにインデックスされていない — Search Consoleで確認する
記事を公開しても、Googleにインデックス(登録)されていなければ、検索結果には表示されません。特に開設したばかりのサイトや、記事数が少ないサイトでは、Googleのクローラーがサイトを訪問する頻度が低く、記事がインデックスされるまでに時間がかかることがあります。
確認方法
Google Search Consoleを使って確認します。Search Consoleは、Googleが無料で提供しているツールで、自分のサイトがGoogleにどのように認識されているかを確認できます。
- 手順1 — Google Search Console(search.google.com/search-console)にアクセスする
- 手順2 — 自分のサイトを登録する(初回のみ。サイトの所有権の確認が必要)
- 手順3 — 上部の検索窓に、確認したい記事のURLを入力する(URL検査ツール)
- 手順4 — 「URLはGoogleに登録されています」と表示されればインデックス済み。「URLがGoogleに登録されていません」と表示されれば未登録
インデックスされていない場合の対応
| 状態 | 対応 |
|---|---|
| 「検出 – インデックス未登録」 | Googleが記事を発見しているが、まだ登録していない。URL検査ツールから「インデックス登録をリクエスト」をクリックする |
| 「クロール済み – インデックス未登録」 | Googleが記事を読んだが、登録する価値がないと判断した。記事の内容を充実させてから再度リクエストする |
| 「ページにリダイレクトがあります」 | URLの設定に問題がある。制作会社に確認する |
| 「noindexタグによって除外されました」 | 記事のHTMLにnoindexタグが設定されている。制作会社に除外を依頼する |
サイトマップの送信
サイト全体のインデックスを促進するには、サイトマップをSearch Consoleに送信します。WordPressを使っている場合、Yoast SEOやAll in One SEOなどのプラグインが自動でサイトマップを生成します。Search Consoleの「サイトマップ」メニューから、サイトマップのURL(通常は「sitemap.xml」)を送信します。
インデックスまでの期間
インデックス登録をリクエストしてから実際に登録されるまで、数日〜数週間かかることがあります。リクエスト後すぐには反映されないため、焦らず待ちます。ただし、2〜4週間経っても登録されない場合は、記事の内容やサイトの構造に問題がある可能性があります。
原因3 記事同士がつながっていない — 内部リンクの追加
記事を複数公開しているのに、記事同士がリンクでつながっていない場合、次の2つの問題が発生します。
- Googleのクローラーが記事を発見しにくい — クローラーはリンクをたどってページを巡回します。他のページからリンクされていない記事は、発見されにくくなります
- 記事の評価が分散する — 内部リンクは、Googleに対して「このページは重要である」というシグナルを送ります。リンクがないページは、重要でないと判断される可能性があります
確認方法
自分の記事を1つ開き、その記事から他の記事へのリンクがあるか、また他の記事からその記事へのリンクがあるかを確認します。
- 記事の中に他の記事へのリンクが1つもない → 内部リンクが不足している
- サイトのトップページやメニューからしかアクセスできない記事がある → その記事は孤立している
内部リンクの追加方法
内部リンクは、次のパターンで追加します。
| パターン | 例 | 効果 |
|---|---|---|
| 関連する記事への誘導 | 「離婚慰謝料の記事」の中に「慰謝料の請求手続きの流れはこちら」とリンク | 読者の回遊率向上・クローラーの巡回促進 |
| 同じ分野の記事一覧への誘導 | 記事末尾に「離婚に関するその他の記事」として一覧リンク | 分野全体の評価向上 |
| まとめ記事(ピラーページ)からの誘導 | 「離婚の手続き完全ガイド」の中に各手続きの詳細記事へのリンク | サイト全体の構造が明確になる |
内部リンクの追加手順
- 手順1 — 自分の記事の一覧を作り、各記事のテーマとURLを整理する
- 手順2 — 同じ分野や関連するテーマの記事同士を洗い出す
- 手順3 — 記事の本文の中で、関連するテーマに言及している箇所にリンクを追加する
- 手順4 — 記事の末尾に「関連する記事」としてリンクを2〜3本追加する
内部リンクは、記事を書いた後からでも追加できます。既存の記事すべてに対して、上記の手順で内部リンクを追加するだけでも、サイト全体のSEO効果が改善する可能性があります。
原因4 競合の記事より内容が薄い — 情報量と構成の見直し
上記の3つ(KW設定・インデックス・内部リンク)を確認しても改善しない場合、記事の内容自体が競合と比べて不足している可能性があります。
確認方法
自分の記事が狙っているKWでGoogleを検索し、上位5件の記事と自分の記事を比較します。
| 比較項目 | 確認すること |
|---|---|
| 文字数 | 上位記事と比べて極端に短くないか(目安: 上位記事の半分以下は不足の可能性) |
| 見出しの数 | 上位記事がカバーしている項目を、自分の記事でもカバーしているか |
| 具体性 | 金額・期間・手順など、具体的な数字や手順が含まれているか |
| 場合分け | 「ケースによる」で終わらず、場合分けをして説明しているか |
| 表・リスト | 情報が整理されて見やすいか。表やリストを使っているか |
改善手順
- 手順1 — 上位5件の記事の見出し構成をすべて書き出す
- 手順2 — 上位記事がカバーしていて、自分の記事に欠けているテーマを特定する
- 手順3 — 欠けているテーマを自分の記事に追加する
- 手順4 — 上位記事にはない、自分だけが書ける情報(実務経験に基づく知見など)を追加する
「上位記事と同じ内容を書く」ではない
上位記事の内容をコピーするのではなく、「上位記事がカバーしているテーマは最低限カバーする」「それに加えて、自分だけが書ける情報を追加する」という考え方です。弁護士の強みは、実務経験に基づく具体的な知見があることです。
たとえば、上位記事が「離婚慰謝料の相場」について一般的な金額を羅列しているだけであれば、自分の記事では「実務上は○○の要素が金額に大きく影響する」「相談を受ける中で、△△と誤解されていることが多い」のように、実務経験に基づく情報を加えます。これが、上位記事との差別化になります。
更新も重要
記事を公開した後、内容を更新しないまま放置していないでしょうか。法改正があった場合はもちろん、情報が古くなった部分を定期的に見直して更新することが重要です。Googleは、更新されている記事を「鮮度の高い情報」として評価する傾向があります。半年に1回程度、公開済みの記事を見直して、古い情報を更新する習慣を持つと良いでしょう。
まとめ — 公開後にKW設定・インデックス・内部リンクの3つを確認する
記事を公開してもアクセスが増えない場合、次の4つの原因を順番に確認します。
- 原因1 KW未設定 — タイトルと見出しに検索KWを含めているか確認する。含めていなければ修正する
- 原因2 インデックス未登録 — Search ConsoleのURL検査で記事がインデックスされているか確認する。未登録であればリクエストする
- 原因3 内部リンク不足 — 記事同士がリンクでつながっているか確認する。つながっていなければリンクを追加する
- 原因4 内容の不足 — 上位記事と比較して、情報量・具体性・場合分けが不足していないか確認する
この4つの確認と改善は、新しい記事を書く前に、既存の記事に対して行うことをおすすめします。10本の既存記事を改善する方が、KW未設定・インデックス未登録のまま新しい記事を書き続けるよりも、はるかに効果が出やすいです。まずはSearch Consoleを開いて、自分の記事がインデックスされているかを確認するところから始めてみてください。