弁護士が記事のアクセス解析から改善サイクルを回して集客を伸ばす方法

この章で学ぶこと

この章では、記事を公開した後にアクセス解析で数字を確認し、改善を繰り返す「公開→計測→改善」のサイクルについて学びます。公開後1か月・3か月・6か月の三つのタイミングで何を確認し、どのように判断し、どう改善するかを順に理解していきましょう。

記事を書きっぱなしにしていると効果は頭打ちになる

記事を書きっぱなしにしている事務所が多い理由は明確です。

  • 本業が忙しい — 弁護士は案件対応が本業であり、記事の効果検証に時間を割く余裕がない
  • 何を確認すればよいか分からない — アクセス解析ツールの画面を見ても、どの数字を見ればよいか分からない
  • 確認しても改善方法が分からない — 「アクセスが少ない」と分かっても、何をすればよいか分からない

しかし、書きっぱなしのまま放置すると、以下の問題が生じます。

問題 具体的な状態 影響
検索順位が上がらない 記事が検索結果の2ページ目以降に埋もれている アクセスがほぼゼロ
検索意図とのずれ 読者が求める情報と記事の内容がずれている クリックされても離脱される
情報の陳腐化 法改正や制度変更に記事が対応していない 読者に誤った情報を提供するリスク
改善機会の喪失 少し手を加えれば順位が上がる記事を放置している 得られたはずのアクセスと問い合わせを逃す

改善サイクルを回すといっても、毎日数字を見る必要はありません。月1回、30分〜1時間の確認作業で十分です。確認すべき数字と判断基準を決めておけば、「何を見ればよいか分からない」という問題は解消します。

月1回の改善ルーティン — 確認すべき数字と判断基準

改善サイクルを回すために必要なツールは二つです。いずれもGoogleが無料で提供しています。

必要なツール

ツール 確認できること 設定の手間
Googleサーチコンソール 検索結果での表示回数・クリック数・平均掲載順位・検索クエリ サイトの所有権確認が必要(1回のみ)
Googleアナリティクス(GA4) ページ別のアクセス数・滞在時間・直帰率・問い合わせ完了数 トラッキングコードの設置が必要(1回のみ)

この二つのツールがまだ設定されていない場合は、改善サイクルを回す前に設定が必要です。設定方法はそれぞれの公式ヘルプに詳しい手順が記載されています。WordPress用のプラグイン(Site Kit by Googleなど)を使えば、管理画面から設定を完了できます。

確認すべき数字

月1回の確認で見るべき数字は、以下の五つに絞ります。全ての指標を見る必要はありません。

番号 数字 確認するツール 意味
1 インデックス状況 サーチコンソール 記事がGoogleの検索結果に含まれているか
2 表示回数 サーチコンソール 検索結果に何回表示されたか
3 クリック数 サーチコンソール 検索結果から何回クリックされたか
4 平均掲載順位 サーチコンソール 検索結果の何位に表示されているか
5 問い合わせへの遷移 アナリティクス 記事を読んだ読者が問い合わせページに移動したか

この五つの数字を、公開後のタイミングに応じて確認します。公開後1か月・3か月・6か月でそれぞれ重点的に見るべき数字が異なります。

公開1か月後 — インデックスされているかを確認する

記事を公開してから1か月後に最初の確認を行います。この段階で確認するのは一つだけです。記事がGoogleにインデックスされているかどうか。

確認方法

Googleサーチコンソールの「URL検査」ツールを使います。

  1. サーチコンソールの管理画面上部の検索バーに、確認したい記事のURLを入力する
  2. 「URLはGoogleに登録されています」と表示されれば、インデックスされている
  3. 「URLがGoogleに登録されていません」と表示された場合は、インデックスされていない

インデックスされていない場合の対処

公開から1か月経ってもインデックスされていない場合、以下の原因が考えられます。

原因 確認方法 対処
Googleがまだ巡回していない サーチコンソールの「URL検査」で「インデックス登録をリクエスト」を実行する リクエスト後1〜2週間待つ
noindexタグが設定されている 記事のHTMLソースに「noindex」が含まれていないか確認する noindexタグを削除する
XMLサイトマップに含まれていない サーチコンソールの「サイトマップ」でサイトマップの状態を確認する サイトマップを再送信する
robots.txtでブロックされている サーチコンソールの「URL検査」で「クロールが許可されていますか」を確認する robots.txtを修正する

最も多い原因は「Googleがまだ巡回していない」です。サーチコンソールからインデックス登録をリクエストすれば、通常1〜2週間以内にインデックスされます。

インデックスが確認できたら、この段階での確認は完了です。公開1か月後の記事は検索順位がまだ安定していないため、順位やアクセス数を見て判断するのは時期尚早です。

公開3か月後 — 検索順位とアクセス数を確認してリライトを判断する

公開から3か月が経過すると、記事の検索順位がある程度安定します。この段階で、検索順位・表示回数・クリック数を確認し、リライト(記事の書き直し・修正)の要否を判断します。

確認手順

  1. サーチコンソールの「検索パフォーマンス」を開く
  2. 期間を「過去28日間」に設定する
  3. 「ページ」タブで確認したい記事のURLを選択する
  4. 「クエリ」タブに切り替え、その記事がどのような検索キーワードで表示されているかを確認する

判断基準

確認した数字に基づいて、以下の判断基準で対処を決めます。

状態 数字の目安 判断 対処
順位が高くクリックも多い 平均順位1〜10位、月間クリック数30以上 好調。現状維持 内容の正確性を定期確認するだけでよい
順位は高いがクリックが少ない 平均順位1〜10位、月間クリック数10未満 タイトルかディスクリプションに問題がある タイトルとメタディスクリプションを改善する
順位が中程度 平均順位11〜30位 リライトで上位に入る可能性がある 記事の内容を加筆・修正する
順位が低い 平均順位31位以下 記事のテーマや構成の見直しが必要 検索意図の再調査から始める
表示すらされていない 表示回数0 インデックスの問題か、競合が強すぎる インデックス状況を再確認する

リライトの具体的な方法

平均順位11〜30位の記事は、リライトによって上位に入る可能性があります。リライトで重点的に見直すべきポイントは以下の三つです。

ポイント1 検索クエリと記事内容のずれを修正する

サーチコンソールの「クエリ」タブで、記事がどのようなキーワードで検索されているかを確認します。想定していなかったキーワードで検索されている場合、そのキーワードに合った内容を記事に追加しましょう。

たとえば、「離婚 弁護士費用」をターゲットにした記事が、「離婚 弁護士 いつ相談」というキーワードでも表示されている場合、「弁護士に相談するタイミング」のセクションを追加すると、両方のキーワードでの評価が向上する可能性があります。

ポイント2 情報の深さを強化する

検索結果の上位に表示されているライバル記事を確認し、自分の記事に不足している情報がないか調べます。ライバル記事が表や手順を使って詳しく解説しているのに、自分の記事がテキストだけの概説にとどまっている場合は、情報を追加して充実させましょう。

ポイント3 タイトルとメタディスクリプションを改善する

検索順位は高いのにクリック率が低い場合、検索結果に表示されるタイトルとメタディスクリプション(説明文)が読者の興味を引いていない可能性があります。タイトルに具体的な数字や読者の疑問を含めると、クリック率が改善する傾向があります。

  • 改善前: 「離婚の弁護士費用について」
  • 改善後: 「離婚の弁護士費用はいくらか — 相談料・着手金・報酬金の相場と内訳」

公開6か月後 — 問い合わせにつながっているかを確認する

公開から6か月が経過したら、記事が最終的な目標である問い合わせにつながっているかを確認します。

確認手順

Googleアナリティクス(GA4)で、記事を読んだ読者がその後どのような行動を取ったかを確認します。

  1. GA4の「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」を開く
  2. 確認したい記事のURLでフィルタリングする
  3. そのページを閲覧した後に問い合わせページに遷移しているかを確認する

GA4で問い合わせフォームの送信をイベントとして計測するよう設定しておくと、どの記事経由で問い合わせが来たかを追跡できます。設定方法はGA4のヘルプ「イベントの作成」に記載されています。

判断基準

状態 判断 対処
記事から問い合わせページへの遷移がある 導線が機能している 現状維持。記事の更新を継続する
アクセスはあるが問い合わせページへの遷移がない 記事内の導線に問題がある 記事の末尾に問い合わせへの導線を追加する
アクセス自体が少ない 検索順位の問題 公開3か月後の改善手順に戻る

問い合わせ導線の改善方法

アクセスがあるのに問い合わせにつながっていない場合、以下の改善を検討しましょう。

  • 記事の末尾に問い合わせへの案内を追加する — 「この問題でお悩みの方はお気軽にご相談ください」のように、読者が自然に次の行動に移れる案内を追加する
  • 関連する段階2・段階3の記事へのリンクを追加する — 段階1の記事(法律知識の解説)を読んだ読者が、段階2の記事(弁護士に依頼すべきケース)に進めるようにする
  • 問い合わせフォームの位置を見直す — フォームがページの深い階層にあると、読者がたどり着けない場合がある

6か月後以降のルーティン

公開6か月後の確認が終わった記事は、以降3〜6か月ごとに以下の確認を行います。

確認項目 頻度 目的
検索順位の変動 3か月ごと 順位が下がっていないか
情報の正確性 6か月ごと 法改正や制度変更に対応しているか
問い合わせへの貢献 6か月ごと 引き続き問い合わせにつながっているか

記事数が増えてくると、全ての記事を毎月確認するのは非現実的になります。そのため、以下の優先順位で確認する記事を絞りましょう。

  • 最優先 — 問い合わせにつながっている記事(効果が維持されているか確認する)
  • 次に優先 — 検索順位11〜30位の記事(リライトで上位に入る可能性がある)
  • 余裕があれば — 新規公開した記事(公開1か月後・3か月後の確認)

まとめ

記事のアクセス解析から改善サイクルを回す方法を整理します。

  • 記事は書きっぱなしでは効果が頭打ちになる。公開→計測→改善のサイクルを月1回のルーティンとして回す
  • 必要なツールはGoogleサーチコンソールとGoogleアナリティクス(GA4)の二つ。いずれも無料
  • 確認すべき数字は五つに絞る: インデックス状況・表示回数・クリック数・平均掲載順位・問い合わせへの遷移
  • 公開1か月後: インデックスされているかだけを確認する。順位やアクセス数を見るのは時期尚早
  • 公開3か月後: 検索順位とアクセス数を確認し、リライトの要否を判断する。順位11〜30位の記事はリライトで上位に入る可能性がある
  • 公開6か月後: 問い合わせにつながっているかを確認する。導線が機能していない場合は記事内の案内やリンクを改善する
  • 記事数が増えたら、問い合わせに貢献している記事と順位11〜30位の記事を優先的に確認する

Leave a Comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *

Scroll to Top