この章で学ぶこと
この章では、記事が増えてきたときに記事一覧を見やすく整理し、読者の回遊を増やす方法を学びます。カテゴリ別に分ける方法、人気記事と新着記事の入口を作る方法、一覧ページのレイアウトの工夫を、具体的な手順とともに理解していきましょう。
記事が増えると一覧ページが雑然として読者が迷う
弁護士のホームページで記事一覧が雑然としやすいのには、いくつかの原因があります。
原因1 時系列の一覧しかない
WordPressのデフォルト設定では、記事は公開日の新しい順に並びます。10本程度であれば問題ありませんが、20本を超えると一覧が長くなり、読者はスクロールして目的の記事を探さなければなりません。離婚について調べに来た読者が、一覧の中から離婚の記事を探すのに手間がかかります。
原因2 カテゴリが設定されていない
記事を書くときにカテゴリを設定していない、または「お知らせ」「コラム」のような大雑把なカテゴリしかない場合があります。「コラム」というカテゴリの中に離婚・相続・交通事故の記事が混在していると、カテゴリで絞り込んでも意味がありません。
原因3 記事のタイトルだけが並んでいる
一覧ページにタイトルと日付だけが表示されている場合、読者はタイトルだけで内容を判断しなければなりません。タイトルが分かりにくいと、クリックされずにスルーされます。
問題の整理
| 問題 | 読者への影響 | 結果 |
|---|---|---|
| 時系列の一覧しかない | 目的の記事を探すのに時間がかかる | 途中で離脱する |
| カテゴリが未設定・大雑把 | テーマで絞り込めない | 関連記事に気づかない |
| タイトルだけの表示 | 内容を推測できない | クリックされない |
逆に言えば、この三つを改善すれば、読者が目的の記事を見つけやすくなり、関連する記事も読んでもらえるようになります。
カテゴリ別に分ける — テーマごとにまとめて選びやすくする
最も効果が大きく、最初に取り組むべき対策はカテゴリの整理です。
手順1 カテゴリの設計
カテゴリは、読者が「自分のテーマはどれか」を一目で判断できる粒度にします。弁護士のサイトであれば、取扱分野ごとにカテゴリを作るのが最もシンプルで分かりやすいです。
カテゴリ設計の例を示します。
| カテゴリ名 | 含める記事の内容 | スラッグ(URL)の例 |
|---|---|---|
| 離婚 | 慰謝料・養育費・財産分与・面会交流・離婚調停など | /category/rikon/ |
| 相続 | 遺産分割・遺留分・相続放棄・遺言書など | /category/souzoku/ |
| 交通事故 | 示談金・後遺障害・過失割合・保険会社対応など | /category/koutsujiko/ |
| 債務整理 | 任意整理・自己破産・個人再生・過払い金など | /category/saimuseiri/ |
カテゴリ設計の注意点
- カテゴリは5〜8個以内にする — 多すぎると読者が選びにくくなります。取扱分野の数に合わせましょう
- 「その他」「一般」のようなカテゴリは作らない — どこにも分類できない記事が「その他」に溜まり、結局雑然とします
- 1つの記事に1つのカテゴリを原則とする — 複数のカテゴリに属する記事が多いと、どのカテゴリを見ても同じ記事が表示され、整理した意味がなくなります
- 「お知らせ」は記事カテゴリと分ける — 事務所のお知らせ(年末年始の営業日など)と法律コンテンツは性質が異なるため、混在させないようにしましょう
手順2 既存記事へのカテゴリ付与
カテゴリを設計したら、既存の記事に一つずつカテゴリを設定します。WordPressの場合、管理画面の「投稿一覧」から各記事の編集画面を開き、右側の「カテゴリー」欄でチェックを入れるだけです。
記事数が多い場合は、投稿一覧の「クイック編集」機能を使うと、編集画面を開かずにカテゴリを変更できます。20本程度であれば、30分〜1時間で完了します。
手順3 カテゴリ一覧への導線を作る
カテゴリを設定しただけでは、読者がカテゴリの存在に気づかない場合があります。以下の場所にカテゴリへの導線を設置しましょう。
- サイドバー — 「カテゴリ一覧」ウィジェットを設置する。各カテゴリ名がリンクになり、クリックするとそのカテゴリの記事一覧が表示される
- 記事一覧ページの上部 — カテゴリ名をタブやボタンとして並べ、クリックで絞り込めるようにする
- グローバルナビゲーション — ヘッダーメニューに「離婚」「相続」などのカテゴリ名を直接配置する
最も手軽なのはサイドバーへのウィジェット設置です。WordPressの管理画面→「外観」→「ウィジェット」からサイドバーに「カテゴリー」ウィジェットを追加するだけで完了します。
人気記事・新着記事の表示 — 読者の目的に合わせた入口を作る
カテゴリ別の整理に加えて、「人気記事」と「新着記事」の入口を作ると、読者が記事を見つけやすくなります。
人気記事の表示
アクセス数が多い記事を「よく読まれている記事」としてサイドバーや記事一覧ページに表示します。読者は「他の人がよく読んでいる記事」を参考にする傾向があります。
人気記事の表示方法は以下のとおりです。
- WordPress Popular Postsプラグイン — アクセス数に基づいて人気記事を自動的にランキング表示するプラグイン。設定画面で表示件数(5〜10件が適切)と集計期間(過去30日が推奨)を指定できる
- 手動で固定する — プラグインを使わず、読んでほしい記事を手動で選んでサイドバーにリンクを並べる方法。アクセス解析で上位の記事を確認し、月1回更新する
表示する件数は5〜10件が適切です。多すぎると読者が選びにくくなります。
新着記事の表示
最近公開した記事を「新着記事」として表示します。WordPressではデフォルトで「最近の投稿」ウィジェットが用意されているため、サイドバーに追加するだけで済みます。
新着記事の表示件数は3〜5件が適切です。サイトの更新頻度が低い場合(月1〜2本の場合)、新着記事は3件で十分です。古い記事が「新着」として表示され続けるのは逆効果になるため、更新頻度と表示件数のバランスを取りましょう。
関連記事の表示
各記事のページの末尾に「関連記事」を表示することで、読者が1本の記事を読んだ後に関連する記事に進みやすくなります。
| 方法 | 仕組み | 精度 | 手間 |
|---|---|---|---|
| 同じカテゴリの記事を表示 | カテゴリが同じ記事を自動表示 | 中(カテゴリが適切なら機能する) | 低(設定のみ) |
| プラグインで自動表示 | タイトル・本文のキーワードから関連度を算出 | 中〜高 | 低(プラグイン導入のみ) |
| 手動で指定 | 記事ごとに関連記事を手動で選ぶ | 高(最も適切な記事を選べる) | 高(記事ごとに設定が必要) |
記事数が少ないうちは「同じカテゴリの記事を表示」で十分です。記事数が増えて手動管理が難しくなったら、プラグイン(Yet Another Related Posts Plugin など)の導入を検討しましょう。
記事一覧ページのレイアウトの工夫 — カード型・リスト型の選び方
記事一覧ページのレイアウトは、大きく分けて「カード型」と「リスト型」の二つがあります。どちらを選ぶかで、読者の行動が変わります。
カード型レイアウト
カード型は、各記事をカード(四角い枠)として並べるレイアウトです。1枚のカードにアイキャッチ画像・タイトル・抜粋文・カテゴリ・公開日が含まれます。
カード型の特徴は以下のとおりです。
- 視覚的なインパクトがある — 画像が目に入るため、読者の目を引きやすい
- 一度に表示できる記事数が少ない — カードが大きいため、1画面に表示される記事数はリスト型より少ない
- アイキャッチ画像が必要 — 画像がないカードは見栄えが悪くなるため、全記事にアイキャッチ画像を用意する必要がある
リスト型レイアウト
リスト型は、各記事をタイトル・抜粋文・公開日の横並びで表示するレイアウトです。新聞の見出し一覧に近い形式です。
リスト型の特徴は以下のとおりです。
- 一度に多くの記事を表示できる — 1行あたりの高さが小さいため、1画面に多くの記事が収まる
- 情報量が多い読者に適している — 法律情報を探している読者は、ビジュアルより情報の正確さを重視する傾向がある
- アイキャッチ画像がなくても成立する — テキスト中心のレイアウトのため、画像がなくても見栄えに影響しにくい
選び方のまとめ
| 条件 | おすすめのレイアウト | 理由 |
|---|---|---|
| 記事数10〜20本・画像あり | カード型 | 視覚的に目を引きやすい |
| 記事数20本以上 | リスト型 | 一度に多くの記事を表示できる |
| 画像を用意する余裕がない | リスト型 | 画像なしでも成立する |
| スマートフォンの閲覧が多い | カード型(1列) | スマートフォンではカード型が読みやすい |
どちらを選んでも、以下の要素は必ず表示しましょう。
- 記事タイトル — 何の記事か分かるタイトル
- カテゴリ名 — どの分野の記事か一目で分かるラベル
- 抜粋文(50〜100字程度) — 記事の概要が分かる短い説明文
- 公開日または更新日 — 情報の鮮度が分かる
タイトルと日付だけの一覧は、読者が内容を推測できないためクリック率が低くなります。抜粋文とカテゴリ名を追加するだけで、読者が「自分に必要な記事かどうか」を判断しやすくなります。
まとめ
記事一覧を見やすく整理して回遊を増やす方法を整理します。
- 記事が増えると時系列の一覧だけでは読者が迷う。カテゴリ・人気記事・新着記事の三つの入口を用意する
- カテゴリは取扱分野ごとに5〜8個以内で設計し、1記事1カテゴリを原則にする
- サイドバー・記事一覧上部・グローバルナビにカテゴリへの導線を設置する
- 人気記事(5〜10件)と新着記事(3〜5件)をサイドバーに表示する
- 各記事の末尾に関連記事を表示して、次の記事への導線を作る
- レイアウトはカード型(記事数少・画像あり向き)とリスト型(記事数多・テキスト中心向き)から選ぶ。いずれの場合もタイトル・カテゴリ名・抜粋文・日付を表示する