弁護士がロングテールキーワードで記事を書いて少ない競合で上位を取る方法

この章で学ぶこと

ロングテールキーワード(3語以上の具体的な検索語句)の仕組みと活用方法を学びます。ビッグKWでは勝てない小規模事務所でも、ロングテールKWなら少ない記事で検索上位を取れることを理解し、見つけ方と記事構成の作り方を身につけます。

ロングテールキーワードとは3語以上の具体的な検索語句のこと

「弁護士 離婚」で記事を書いてみたが、検索結果の1ページ目に入れない。上位にはポータルサイトや大手法律事務所のサイトが並んでおり、1〜2名の事務所が太刀打ちできる気がしない。このような状況は珍しくありません。

この状況を打開する方法がロングテールキーワード(以下、ロングテールKW)で記事を書くことです。SEOで使われるKWは、検索ボリューム(月間の検索回数)によって大きく3つに分類されます。

分類 検索ボリュームの目安 KWの例 競合の多さ
ビッグKW 月間1,000回以上 「弁護士 離婚」 非常に多い
ミドルKW 月間100〜1,000回 「離婚 弁護士費用 相場」 多い
ロングテールKW 月間100回未満 「協議離婚 弁護士 費用 どれくらい」 少ない

ロングテールKWには以下の特徴があります。

  • 語数が多い(3語以上が一般的)。検索者が具体的な状況や条件を含めて検索するため、語句が長くなります
  • 検索ボリュームが小さい。1つのKWあたりの月間検索回数は数十回〜数百回程度です。1本の記事で大量のアクセスは期待できません
  • 競合が少ない。ビッグKWに比べて、そのKWをピンポイントで狙った記事を出しているサイトが少ないです
  • 検索意図が明確。「弁護士 離婚」は何を知りたいか不明確ですが、「協議離婚 弁護士 費用 どれくらい」は「協議離婚における弁護士費用の相場を知りたい」と意図が絞り込まれています
  • 問い合わせにつながりやすい。検索意図が明確な人ほど、すでに弁護士への相談を検討している段階にあることが多いです

ロングテールKWの戦略は「1本の記事で大量のアクセスを稼ぐ」のではなく、「少ないアクセスでも確実に上位に入る記事を、KWごとに積み上げていく」という考え方です。1本あたりのアクセスは少なくても、10本、20本と積み上がれば合計の検索流入は相当な量になります。

弁護士業界のロングテールKWの具体例

弁護士の取扱分野ごとに、ロングテールKWの具体例を示します。いずれもGoogleサジェストやラッコキーワードで実際に表示される語句を参考にしています。

離婚分野

ビッグKW ロングテールKWの例
弁護士 離婚 「協議離婚 弁護士 必要か」
弁護士 離婚 「離婚調停 弁護士なし デメリット」
離婚 弁護士費用 「離婚 弁護士費用 払えない 場合」
離婚 慰謝料 「不倫 慰謝料 相場 婚姻期間 短い」

相続分野

ビッグKW ロングテールKWの例
弁護士 相続 「遺産分割 兄弟 揉める 弁護士」
相続 弁護士費用 「相続 弁護士 費用 遺産 少ない」
遺言書 「遺言書 自筆 書き方 無効にならない」
相続放棄 「相続放棄 3ヶ月 過ぎた 場合」

交通事故分野

ビッグKW ロングテールKWの例
弁護士 交通事故 「交通事故 弁護士 いつ 相談 タイミング」
交通事故 慰謝料 「追突事故 むちうち 慰謝料 相場 通院3ヶ月」
後遺障害 「後遺障害 14級 認定されない 理由」

債務整理分野

ビッグKW ロングテールKWの例
弁護士 債務整理 「任意整理 弁護士 費用 分割 払い」
自己破産 「自己破産 車 残す 方法」
個人再生 「個人再生 住宅ローン あり 手続き 流れ」

これらのロングテールKWに共通するのは、検索者の状況が具体的であることです。「弁護士 離婚」と検索する人の意図は多様ですが、「離婚調停 弁護士なし デメリット」と検索する人は「弁護士をつけずに離婚調停をすることのデメリットを知りたい」という明確な目的を持っています。この明確さが、記事を書く際の構成を立てやすくし、検索意図への合致度を高めやすくします。

ロングテールKWの見つけ方 — サジェスト・関連キーワード・Search Console

ロングテールKWを見つけるには、以下の3つの方法があります。いずれも無料で使えます。

方法1 Googleサジェストを使う

Google検索窓にKWを入力すると、入力途中で候補が表示されます。これがGoogleサジェストです。表示される候補は、実際に多くの人が検索している語句であるため、ロングテールKWの候補として有力です。

手順は以下のとおりです。

  1. Google検索窓に「離婚 弁護士」と入力する(検索ボタンは押さない)
  2. 表示されるサジェスト候補をメモする
  3. 「離婚 弁護士 費用」のように1語加えて、さらにサジェスト候補を確認する
  4. 2〜3段階繰り返すと、3語以上のロングテールKWが複数見つかる

方法2 ラッコキーワードを使う

ラッコキーワード(https://related-keywords.com/)は、Googleサジェストの候補を一括で取得できる無料ツールです。

手順は以下のとおりです。

  1. ラッコキーワードにアクセスする
  2. 検索窓に「離婚 弁護士」と入力して検索する
  3. サジェスト候補が一覧で表示される
  4. 3語以上の候補をリストアップする

ラッコキーワードを使えば、Googleサジェストを手作業で1つずつ確認する手間が省けます。無料プランでも1日の検索回数に制限はありますが、KWリストの作成には十分です。

方法3 Google Search Consoleを使う

すでにホームページを持っていてSearch Consoleを導入している場合、自分のサイトが実際にどのKWで検索結果に表示されているかを確認できます。

手順は以下のとおりです。

  1. Search Consoleの「検索パフォーマンス」を開く
  2. 「クエリ」タブで、自分のサイトが表示されている検索語句の一覧を見る
  3. 表示回数はあるがクリック率が低いKWをリストアップする
  4. そのKWに対応する記事がまだない場合、新規記事の候補になる

Search Consoleの利点は、実際の検索データに基づいている点です。サジェストは「多くの人が検索しているKW」を示しますが、Search Consoleは「自分のサイトがすでに関連していると判断されているKW」を示します。後者のほうが、記事を書いたときに上位に入りやすい傾向があります。

補足 Googleキーワードプランナーで検索ボリュームを確認する

上記の方法で見つけたロングテールKWの検索ボリュームを確認するには、Googleキーワードプランナーが使えます。Google広告のアカウントを作成すれば(広告を出稿しなくてもアカウントは作れます)、KWごとの月間検索ボリュームの概算を確認できます。

月間検索ボリュームが10〜100程度のKWでも、弁護士のサイトでは十分に意味があります。弁護士の場合、1件の問い合わせが数十万円の売上につながるため、月に数回しか検索されないKWでも、そこから1件の問い合わせを得られれば投資対効果は高いです。

ロングテールKWで記事を書くときの構成の作り方

ロングテールKWが決まったら、次はそのKWで検索上位を取るための記事の構成を作ります。構成とは、記事のタイトルと見出し(H2・H3)の骨格のことです。

手順1 検索意図を特定する

ロングテールKWで実際にGoogle検索を行い、上位10件の記事を確認します。上位記事に共通して含まれている情報が、そのKWの検索意図に対する「最低限必要な回答」です。

たとえば「離婚調停 弁護士なし デメリット」で検索した場合、上位記事に共通して含まれている情報は以下のようなものになります。

  • 弁護士なしで離婚調停を行うデメリットの具体的な内容
  • 弁護士がいる場合といない場合の違い
  • 弁護士費用の目安
  • 弁護士なしでも対応できるケース

これらの情報を漏れなくカバーすることが、検索意図に合致する記事の最低条件です。

手順2 タイトルにKWを含める

記事のタイトルには、狙っているロングテールKWをそのまま含めます。ただし、KWを不自然に詰め込むのではなく、検索者が読みたくなる自然な文にします。

KW 悪い例 よい例
離婚調停 弁護士なし デメリット 離婚調停弁護士なしデメリットについて 離婚調停を弁護士なしで行うデメリットと対処法
相続放棄 3ヶ月 過ぎた 場合 相続放棄3ヶ月過ぎた場合どうなる 相続放棄の期限3か月を過ぎた場合にできること

手順3 見出し(H2)を検索意図の要素ごとに作る

手順1で特定した検索意図の要素を、H2見出しとして並べます。1つのH2に1つの要素を対応させ、記事を読み進めるだけで検索者の疑問がすべて解消される構成にします。

「離婚調停 弁護士なし デメリット」の場合、構成の例は以下のとおりです。

  1. H2: 離婚調停を弁護士なしで行う場合の具体的なデメリット
  2. H2: 弁護士がいる場合といない場合で何が変わるか
  3. H2: 弁護士なしでも対応できるケースの条件
  4. H2: 弁護士費用の目安と費用を抑える方法
  5. H2: まとめ

手順4 各H2の中身を具体的に書く

各H2の中で、以下のいずれかを含めると記事の実用性が上がります。

  • 手順やステップ — 「何をすればよいか」が分かる
  • 表や比較 — 条件ごとの違いが一目で分かる
  • 具体的な数字 — 費用・期間・件数などの目安
  • ありがちな失敗例 — 読者が陥りやすいパターンを事前に示す

ロングテールKWで検索する人は、具体的な回答を求めています。抽象的な解説だけの記事では、検索者が満足せずにページを離れてしまい、Googleの評価も上がりません。

手順5 上位記事にない独自の情報を加える

上位記事と同じ内容を書くだけでは、後発の記事が上位に入るのは難しいです。弁護士として実務で経験している知見を加えることで、差別化できます。

たとえば「離婚調停 弁護士なし デメリット」であれば、弁護士として離婚調停を担当した経験から「弁護士がいないことで不利になりやすい具体的な場面」を挙げることで、一般的な法律解説サイトとの差別化が可能になります。ただし、守秘義務に抵触しない範囲で書くことが前提です。

まとめ — 大きなKWで勝てなくても、ロングテールKWなら少ない記事で上位を取れる

ロングテールKWで記事を書く方法について、この章の要点をまとめます。

  • ロングテールKWとは3語以上の具体的な検索語句です。検索ボリュームは小さいですが、競合が少なく、小規模事務所でも上位を取りやすいです
  • 弁護士業界では分野ごとに多数のロングテールKWが存在します。離婚・相続・交通事故・債務整理のいずれの分野でも、具体的な疑問から生まれるロングテールKWがあります
  • 見つけ方は3つあります。Googleサジェスト、ラッコキーワード、Search Console。いずれも無料で使えます
  • 記事の構成は検索意図から逆算して作ります。タイトルにKWを含め、検索意図の要素ごとにH2見出しを立て、具体的な手順・数字・比較を含めて書きます
  • 1本あたりのアクセスは少なくても、積み上がれば大きな流入になります。月1〜2本のペースでロングテールKW記事を書き続ければ、1年後には10〜20本の記事が検索上位に並び、合計の検索流入は相当な量になります

「弁護士 離婚」のようなビッグKWで上位を取れないことは、SEOを諦める理由にはなりません。ロングテールKWを1つずつ攻略していくことが、小規模事務所にとって最も現実的で効果的なSEO戦略です。

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