この章で学ぶこと
ポータルサイトの選択肢は弁護士ドットコムだけではありません。この章では、弁護士向けポータルサイトを「総合型」「分野特化型」「地域型」の3タイプに分類し、それぞれの特徴と、自分の事務所の状況に合ったタイプの選び方を学びます。
弁護士が使えるポータルサイトの種類と特徴の全体像
集客手段を体系的に学んでいくうえで、ポータルサイトの全体像を把握しておくことは重要です。弁護士ドットコムが有名ですが、ベンナビやココナラ法律相談など他にも選択肢があり、それぞれ何が違うのか分からないまま検討を始めると判断がぶれやすくなります。
結論から言えば、弁護士向けポータルサイトは「総合型」「分野特化型」「地域型」の3タイプに分かれます。タイプごとに集客の仕組みと得意な領域が異なり、自分の事務所の状況によって合うタイプが変わります。この章では、3つのタイプそれぞれの特徴と、どのような事務所に向いているかを整理します。
ポータルサイトの3つのタイプ
弁護士向けポータルサイトは数多くありますが、特徴で分類すると次の3タイプに整理できます。
- 総合型 — 複数の分野を幅広くカバーし、全国規模で弁護士と相談者をつなぐ
- 分野特化型 — 離婚・相続・交通事故など、特定の分野に集中して相談者を集める
- 地域型 — 特定の都道府県や市区町村に特化して、地元の相談者と弁護士をつなぐ
どのタイプが優れているということではありません。自分の事務所の注力分野と商圏に合ったタイプを選ぶことが重要です。以下、それぞれの特徴を詳しく見ていきます。
総合型ポータルの特徴
総合型は、弁護士ドットコムやココナラ法律相談のように、複数の法律分野をまとめてカバーするポータルサイトです。
総合型の主な特徴は次のとおりです。
- アクセス数が多い — 扱う分野が広いため、サイト全体のアクセス数が大きくなりやすい。弁護士ドットコムは月間訪問者数が非常に多く、知名度も高いです
- 多くの分野で検索上位に表示される — サイトのドメインパワーが強いため、さまざまな分野の検索キーワードで上位表示されやすいです
- 掲載弁護士数が多い — 知名度が高いため掲載弁護士も多く、同じ分野・地域での競合が多くなりやすいです
- 相談者の幅が広い — 分野を問わず相談者が集まるため、自分が注力していない分野からの問い合わせも入る可能性があります
向いている事務所
複数の分野を幅広く扱っている事務所や、特定の分野に絞りきれていない開業初期の事務所には、総合型が合いやすいです。ただし、掲載弁護士が多いため、プロフィールの差別化ができないと埋もれます。掲載するだけで問い合わせが来るわけではない点に注意が必要です。
分野特化型ポータルの特徴
分野特化型は、特定の法律分野に集中してコンテンツを展開し、その分野の相談者を集めるポータルサイトです。ベンナビ(旧:弁護士ナビ)シリーズが代表例で、離婚・相続・交通事故・労働問題・債務整理など分野別にサイトが分かれています。
分野特化型の主な特徴は次のとおりです。
- 特定分野での検索順位が強い — 分野に特化したコンテンツを大量に持っているため、その分野のキーワードで検索上位に表示されやすい。「離婚 弁護士 地域名」のような検索で総合型より上位に出ることもあります
- 相談者の意図が明確 — 分野別のサイトに来ている相談者は、すでにその分野で弁護士を探しています。問い合わせにつながりやすい傾向があります
- 掲載弁護士数は分野ごとに異なる — 分野によって掲載弁護士の数にばらつきがあります。自分の注力分野で掲載弁護士が少なければ、目立ちやすいです
- 分野を横断した集客はできない — 離婚特化のポータルに掲載しても、相続の問い合わせは来ません。複数分野で集客したい場合は、複数のポータルに掲載する必要があります
向いている事務所
注力分野が明確に決まっている事務所に向いています。たとえば離婚案件に力を入れている事務所であれば、総合型よりも離婚特化型のポータルのほうが、その分野の相談者に効率よくリーチできる可能性があります。逆に、注力分野がまだ決まっていない段階では、分野特化型を選ぶメリットは薄いです。
地域型ポータルの特徴
地域型は、特定の都道府県や市区町村に特化して弁護士情報を掲載するポータルサイトです。弁護士会のウェブサイトが運営する弁護士検索機能や、自治体と連携した法律相談案内なども広い意味では地域型に含まれます。
地域型の主な特徴は次のとおりです。
- 地域名を含む検索に強い — 「弁護士 地域名」のような検索で上位に表示されることがあります。ただし、総合型や分野特化型のドメインパワーに押されて上位を取れないケースも多いです
- 掲載弁護士数が少ない — 地域に限定しているため、掲載弁護士の数は総合型や分野特化型に比べて少ないです。競合が少ない分、目立ちやすいですが、サイト自体のアクセス数が少ない可能性もあります
- 地元の相談者との親和性が高い — 地域型のポータルを利用する相談者は、近くの弁護士を探しています。対面相談を前提とした案件につながりやすいです
- 運営体制が小さい場合がある — 個人や小規模な事業者が運営しているケースもあり、サイトの更新頻度やサポート体制にばらつきがあります
向いている事務所
商圏が狭い事務所や、地元密着で集客したい事務所に向いています。たとえば、特定の市区町村からの相談者を中心に受任している事務所であれば、全国規模のポータルよりも地域型のほうが費用対効果がよい場合があります。ただし、地域型のポータルはアクセス数が限られるため、これだけで十分な問い合わせを確保するのは難しいです。他のタイプと併用するのが現実的です。
自分の事務所に合うタイプの選び方
3つのタイプの特徴を理解したうえで、自分の事務所にどのタイプが合うかを判断する基準を整理します。
注力分野が決まっているかどうか
- 注力分野が明確に決まっている → 分野特化型を優先的に検討する
- 複数の分野を幅広く扱っている → 総合型が合いやすい
- まだ注力分野が決まっていない → まず総合型で始め、問い合わせの傾向を見てから分野特化型を追加する
商圏の広さ
- 都道府県をまたいで受任する → 総合型や分野特化型が合う
- 特定の市区町村に限定している → 地域型を併用する価値がある
予算の考え方
- 複数のポータルに同時に掲載できる予算がある → 総合型+分野特化型の組み合わせが効果的
- まず1つだけ試したい → 自分の注力分野と地域で最も検索上位に出ているポータルを1つ選ぶ
大事なのは、どのタイプが優れているかではなく、自分の事務所の状況に合うタイプを選ぶことです。ポータルサイトは併用することもできますし、合わなければ変更もできます。
まとめ
弁護士向けポータルサイトは、次の3タイプに分かれます。
- 総合型 — 複数分野を幅広くカバー。アクセス数が多いが、掲載弁護士も多く埋もれやすい
- 分野特化型 — 特定分野の検索に強く、相談者の意図が明確。注力分野が決まっている事務所に向く
- 地域型 — 地元密着の集客に強いが、アクセス数に限りがある。他タイプとの併用が現実的
弁護士ドットコム以外にも選択肢はあります。サービス名で比較するのではなく、タイプの違いを理解したうえで、自分の注力分野と商圏に合うものを選ぶ。全体像を把握しておくことで、営業担当の説明を受けたときにも冷静に判断できます。