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弁護士が集客施策の優先順位を着手できる順に決める3つの手順

結論・要点

ホームページ・ブログ・地図・SNSは、効果の大きさでは並びません。並べられるのは、他の施策の行き先になっているか・一度やれば終わる作業か毎月続く作業か・続く作業が来月から出せる時間に入るか、の3つです。行き先を1位に、一度で終わる作業を次に、続く作業は時間に入る数だけ残し、1位だけに着手して終わったと言える条件が埋まってから2位に進みます。

目次

  1. 持てる候補が複数になったとき──効きそうな順では並ばない
  2. 並べるのに使う3つ──行き先・作業の終わり方・使える時間
  3. 手順1 4つを同じ表に並べる
  4. 手順2と手順3──並べ替えて、1位だけに着手する
  5. 【モデルケース解説】4つの候補を並べ替えて、最初の1つを決める
  6. 同じ段に2つ並んで決められないとき
  7. まとめ──順位は効きそうな順ではなく、行き先・一度で終わる作業・使える時間の順に決める

持てる候補が複数になったとき──効きそうな順では並ばない

調べるほど、挙がる順番が違う

ホームページの改修、ブログ、Googleマップ、SNS。前のページで1つに絞ったあと、条件が動いて2つ目、3つ目を持てるようになることがあります。事務員の手が空いた、サイトができた、分野を決めた。そこで改めて「どれから手を付けるか」を調べると、記事によって挙がる順番が違います。決められないまま日が過ぎ、候補だけが増えていきます。

弁護士1〜3名で、集客の作業を自分か事務員の1人で回している事務所では、この段で止まりやすくなります。

効きの順位は示さないが、着手できる順なら並べられる

こちらから「この施策がいちばん効きます」とは書きません。施策それぞれで相談が何件増えるかを比べた数字を持っていないからです。持っていない数字で順位を付ければ、根拠のない順番を渡すことになります。費用の側から順位を決める方法も、このページでは扱いません。金額を比べるには自分の帳簿の数字が要り、下の3つの材料には入らないためです。

ただし、どれから着手できるかなら、手元の材料だけで並べられます。使うのは、いまの事務所サイトの状態と、Googleビジネスプロフィールが登録されているかどうかと、来月から集客の作業に出せる時間の3つです。どれも今日のうちに書き出せます。

このページは並べ方を先に置き、そのあと手順の順に、4つを同じ表に並べる、上から順に並べ替える、1位だけに着手して終わりの目印を置く、を示します。ホームページの中のどこをどう直すかには入りません。そこは「集客できるサイトに整える」の章で扱います。

並べるのに使う3つ──行き先・作業の終わり方・使える時間

見るもの 何を確かめるか 順位への効き方
行き先 その施策から人が移動する先が、用意できているか 行き先になるものが先
作業の終わり方 一度やれば終わる作業か、毎月続く作業か 一度で終わるものが先
使える時間 続く作業に、来月から毎月何時間出せるか 時間に入らない分は今回やらない

行き先

Googleビジネスプロフィールには、ウェブサイトのURLを登録する欄があります。SNSのプロフィールにも、リンクを置く欄があります。ブログは、事務所サイトの中に置く場合と、外部のサービスに置いて事務所サイトへつなぐ場合に分かれます。4つのうち3つは、行き先として事務所サイトを指す作りになっている、ということです。

行き先が用意できていないうちに地図やSNSの側だけを整えると、移動してきた人が着く場所がありません。ですから、事務所サイトが行き先として成立しているかどうかを、いちばん先に見ます。

作業の終わり方

4つの中身は、性質が2つに分かれます。一度やれば終わる作業と、毎月続く作業です。一度で終わる作業を先に片付けるのは、終わりを自分で決められるからです。終わりの来ない作業を先に始めると、一度で終わるはずの作業のほうが、いつまでも残ることになります。

使える時間

続く作業は、時間がなくなれば止まります。止まった施策は、着手していない施策と同じ状態に戻ります。ですから続く作業は、やると決める前に、来月から毎月何時間出せるかを先に決め、その時間に入る数だけ残します。入らないものは、順位を付けずに「今回はやらない」に移します。「後で」に置いたものが、次の月にも残ります。

手順1 4つを同じ表に並べる

用意するもの

  • 事務所サイトのURL(無い場合は「無い」と書きます)
  • Googleビジネスプロフィールが登録済みかどうか。登録済みなら、誰が管理しているかが分かる状態
  • 先月、集客の作業に実際に使えた時間。自分の分と事務員の分を分けて
  • 相談の記録。何を見て来られたかを聞いているなら、その記録も
施策 いまの状態 一度で終わる作業 毎月続く作業 月に要る時間
ホームページ
ブログ
Googleマップ
SNS

行ごとの書き方

ホームページ。「いまの状態」は、有る・無い・有るが取扱分野や費用の説明が載っていない、のように一言で書きます。どこをどう直すかまでは、ここでは決めません。この表で見たいのは、他の3つの行き先として成立しているかどうかだけです。

ブログ。毎月続く作業です。「月に要る時間」は、推定ではなく、1本書いて実際に測った時間を入れてください。測っていない時間で線を引くと、線そのものが当てになりません。

Googleマップ。Googleビジネスプロフィールの登録とオーナー確認は、一度やれば終わる作業です。載せた情報を新しくしていく作業は、毎月続く作業です。同じ行の中で、この2つを分けて書いてください。分けずに1つの塊にすると、今日終えられるはずの作業が、終わりの来ない作業と同じ重さに見えて後回しになります。

SNS。毎月続く作業です。「いまの状態」の欄には、アカウントの有無だけでなく、誰に向けて出すつもりかを一言書いてください。相談を考えている人に向けるのか、同業や他士業に向けるのかで、書く内容も要る時間も変わります。決まっていないなら、決まっていないと書きます。

行き先として成立しているかは、4つの欄の有無で見る

「事務所サイトが行き先として成立しているか」を、印象で決めないでください。見やすい、古く見えるといった言葉は、見る人によって答えが変わり、直す相手にもそのまま渡せません。判定に使えるのは、書いてあるか、書いていないかです。

「有る」と言える状態 「不十分」になりやすい書き方
取扱分野 相談者が自分の困りごとを呼ぶ言葉で分野が書かれ、分野ごとに説明のページがある 事件類型の名前が並ぶだけ。名前はあるが押した先にページがない
担当する弁護士 相談を受ける弁護士の氏名が書いてあり、その人が扱う分野が読み取れる 事務所名だけ。氏名と経歴はあるが、扱う分野が書かれていない
費用 相談の費用がどうなるかと、依頼した場合に何にお金がかかるかが文字で書いてある 「事案により異なります」で終わっている。相談の費用だけがあり、依頼した後に触れていない
問い合わせ 読んでいるページから連絡先に届き、連絡手段が複数あり、送った後に何が起きるかが書いてある 連絡先がトップとフッターにしかない

迷った欄は「不十分」に寄せてください。「有る」に入れると、その欄は次の点検で開かれません。この4つを選んだ理由を、数字では説明しません。相談者の何割がどこを見ているかという数字を、こちらは持っていないからです。判定の対象を絞るための枠として使ってください。

手順2と手順3──並べ替えて、1位だけに着手する

手順2 並べ替えは3段

一段目。他の施策の行き先になるものを先頭に置きます。事務所サイトです。ただし、無い場合と、有るが説明が足りない場合とでは作業の量が違います。有るなら、行き先として成立させるための作業だけを1位に置き、作り直すかどうかの判断は今回の順位表から外してください。判断が要るものを順位表に混ぜると、すぐ着手できる作業まで一緒に止まります。

二段目。一度で終わる作業を次に置きます。終わりを自分で決められるので、着手した日と終えた日が記録に残ります。この記録が、次に順位を見直すときの材料になります。

三段目。毎月続く作業は、月に出せる時間に入る数だけ残します。手順1で書いた「月に要る時間」を上から足していき、来月から出せる時間を超えたところで線を引きます。線から下は、順位を付けずに「今回はやらない」に移します。ここで、出せる時間の側を大きく見積もり直して線を下げないでください。線が下がっても、出せる時間が増えたわけではありません。

順位 施策 この順位にした理由
1
2
今回はやらない

手順3 1位だけに着手し、終わったと言える条件を先に書く

着手するのは1位だけです。続く作業が2つ残っていても、同時には始めません。終わったと言える条件が2つ同時に走ると、次に進む合図がどちらからも出なくなるからです。

施策 終わったと言える条件の書き方
ホームページ 相談を考えている人が判断に使う項目が載って公開されている状態を、載せる項目の名前で書く
Googleマップ オーナー確認が済み、所在地・電話番号・対応できる時間・サイトへのリンクが載っている
ブログ 自分で決めた本数を、自分で決めた期間のあいだ実際に出せた
SNS 誰に向けて何を出すかを決め、決めた本数を実際に出せた

本数も期間も、こちらからは示しません。事務所ごとに出せる時間が違い、示せる根拠を持っていないからです。手順1で測った1本あたりの時間と、手順2で引いた線から、自分で決めてください。

着手したら順位表に着手した日を書き、条件が埋まったら終えた日を書いて2位に進みます。埋まらないうちは2位に進みません。2つ抱えた時点で、1位も2位も止まる側に回ります。

条件が埋まらないまま月が終わった場合は、施策を替えるのではなく、条件のほうを見直してください。作業の量が、出せる時間に入っていなかったということです。同じ施策のまま、条件を小さくして続けるほうが、記録は残ります。

【モデルケース解説】4つの候補を並べ替えて、最初の1つを決める

事務所の設定

想定読者にあたる事務所を1つ立てて、表に並べるところから着手までを通しで見ていきます。地方都市で相続と離婚を扱う、弁護士2名・事務員1名の事務所です。前のページで「今選ぶ」がGoogleマップの1つに決まり、その後、相続のページを作る準備が進んで候補が増えた段にあります。

STEP1: 4つを同じ表に並べた

施策 いまの状態 一度で終わる作業 毎月続く作業 月に要る時間
ホームページ 有るが、費用と問い合わせの欄が不十分 4つの欄のうち不十分な2つを直す なし(直したら終わり) 直すまでの一時的な時間
ブログ まだ1本も出していない なし 題材決め・下書き・確認・公開 1本を通して測った時間
Googleマップ 登録済み・オーナー確認済み 済んでいる 情報を新しくする作業 短い
SNS アカウントあり。誰に向けるか未定 なし 投稿と返信 決まっていないので出せない

並べてみて分かったのは、SNSの「月に要る時間」が書けないことでした。誰に向けて出すかが決まっていないためです。書けない欄があること自体が、次の手順の材料になりました。

STEP2: 行き先の4つの欄を判定した

自分の端末で、管理画面からではなく検索して入り直し、事務所名を知らない人がトップに来たと置いて読みました。

判定 判定の理由
取扱分野 不十分 相続のページはできたが、離婚は一覧の名前だけ
担当する弁護士 有る 氏名と扱う分野が書いてある
費用 不十分 料率表はあるが、依頼した後に何にお金がかかるかがない
問い合わせ 不十分 連絡先がトップとフッターにしかない

STEP3: 3段で並べ替えた

一段目。不十分が3つ残っているので、ホームページが1位になりました。ただし「作り直すかどうか」の判断は順位表から外し、行き先として成立させるための作業だけを1位に置きました。

二段目。一度で終わる作業は、Googleマップの登録が既に済んでいるため残っていませんでした。

三段目。続く作業は、ブログとSNS、それにGoogleマップの情報更新です。来月から出せる時間を上から足していくと、Googleマップの更新までは入り、ブログは入らないという線になりました。SNSは要る時間が書けないため、線を引く前に「今回はやらない」に移しました。

順位 施策 この順位にした理由
1 ホームページ(4つの欄のうち不十分な3つを直す) 他の3つの行き先。判断が要る「作り直すか」は表から外した
2 Googleマップの情報更新 続く作業だが、出せる時間に入る
今回はやらない ブログ/SNS ブログは時間に入らない。SNSは向ける相手が未定で時間を出せない

STEP4: 1位の「終わったと言える条件」を先に書いた

条件は「取扱分野・費用・問い合わせの3つの欄が、有ると判定できる状態で公開されている」と1行で書きました。着手した日を順位表に書き、埋まってから2位に進むことにしました。

あわせて、相談を受けたときに何を見て来られたかを一言うかがって記録に残すことを始めました。この記録が溜まると、次に順位を見直すときには、着手できる順ではなく、実際に届いている経路から決められるようになります。

同じ段に2つ並んで決められないとき

同じ段に2つ並んで決められないときは、来週すぐに手を付けられるほうを上にしてください。どちらが効くかは着手して記録が溜まってから分かることで、いま机の上で比べても材料は増えません。

もう1つ手がかりがあります。期日が重なった週にも止まらないほうです。止まっても残るものがある施策を先に置くと、止まった週の後に再開しやすくなります。

迷ったときの手がかり どちらを上にするか
来週すぐ手を付けられるか 付けられるほう
期日が重なった週に止まるか 止まっても残るものがあるほう
終わったと言える条件を1行で書けるか 書けるほう

3つとも同じに見えるときは、書けない欄を探す

3つの手がかりを当てても差が出ないときは、たいてい表のどこかに書けていない欄があります。「月に要る時間」が推定のまま入っている、「いまの状態」が一言で書けていない、「終わったと言える条件」が2つとも書けない。書けない欄は、その施策についてまだ決まっていないことがある、という合図です。先にそこを決めるほうが、順位を無理に決めるより早く進みます。

着手した後に、順位を見直す合図

順位表は一度作って終わりではありません。次の3つのどれかが起きたら、当て直してください。

起きたこと 書き直す欄 順位への効き方
1位の「終わったと言える条件」が埋まった 終えた日を書く 2位が繰り上がる
先月の使える時間が、前と大きく変わった 「月に要る時間」との突き合わせ 線の位置が動き、「今回はやらない」の中身が変わる
事務所サイトの4つの欄の判定が変わった 「いまの状態」 行き先が成立すれば、1位は一度で終わる作業に移る

期間で見直さないでください。「3か月ごとに見直す」といった置き方をすると、条件が動いていない月にも表を触ることになり、動いた月に見落とします。合図は期間ではなく、条件が動いたことに置きます。

止まった週は、記録に残す

着手した施策が止まった週があれば、その週に何が重なっていたかも一行だけ残してください。止まった週の頻度が、次に順位を見直すときの「使える時間」の欄をいちばん正確にします。見込みで書いた時間より、止まった週の記録のほうが当てになります。

まとめ──順位は効きそうな順ではなく、行き先・一度で終わる作業・使える時間の順に決める

このページで学んだこと──3つの物差しと、3つの手順

4つの候補は、効果の大きさでは並びません。並べられるのは、他の施策の行き先になっているか、一度やれば終わる作業か毎月続く作業か、そして続く作業が来月から出せる時間に入るかの3つです。この3つは、事務所サイトの状態と、Googleビジネスプロフィールの登録の有無と、自分の時間の見積もりから、今日のうちに書き出せます。

書き出したら、行き先を1位に、一度で終わる作業を次に置き、続く作業は時間に入る数だけ残して、入らないものは「今回はやらない」に移します。そして1位だけに着手し、終わったと言える条件が埋まってから2位に進みます。条件が埋まらないまま月が終わったら、施策を替えるのではなく条件を小さくしてください。

行き先として成立しているかは、印象ではなく、取扱分野・担当する弁護士・費用・問い合わせの4つの欄の有無で判定します。迷った欄は「不十分」に寄せてください。

次のステップ──KPI設計へ

次のページ「KPI設計の考え方」では、着手した施策の結果を何で測るかを扱います。このページで書いた「終わったと言える条件」は作業の完了で定義したものですが、KPIはその先の、相談に届いたかどうかを見る数字です。2つを混ぜないことが、次のページの出発点になります。

順位表は、条件が動いたときに当て直します。先月の実績で時間の欄を書き直し、終えた作業に日付を入れれば、2位以降の並びはその場で決まります。

✓ 実践チェックリスト

  • □ 4つを同じ表に並べ、「一度で終わる作業」と「毎月続く作業」を分けて書いた
  • □ ブログの「月に要る時間」を、推定ではなく1本測った時間で入れた
  • □ Googleマップの行を、登録・オーナー確認と情報更新に分けて書いた
  • □ SNSの「いまの状態」に、誰に向けて出すつもりかを書いた
  • □ 事務所サイトを、検索して入り直して4つの欄で判定した(迷った欄は「不十分」に寄せた)
  • □ 行き先を1位に置き、「作り直すか」の判断は順位表から外した
  • □ 続く作業は、出せる時間に入る数だけ残した(線を下げていない)
  • □ 1位の「終わったと言える条件」を、着手する前に1行で書いた
  • □ 相談を受けたときに、何を見て来られたかを記録し始めた

学んだ方法を、手間なく実践する。

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