キジラクを試す
キジラクを試す

問い合わせ導線の設計──事故直後・治療中・示談交渉中で分ける

結論・要点

交通事故・被害者側のサイトでは、導線を分ける軸は「決意の度合い」ではなく事故からの経過時間です。同じ人が事故直後・治療中・示談交渉中と数か月かけて移動し、そのたびに困りごとが入れ替わります。相談を考え始めている段階の検索が73%、情報収集が目的の検索が88%を占め、しかも最大の関心は「いくら受け取れるか」に集中します。3つの時期それぞれに導線を用意し、金額の目安を相談の前段に置くのが被害者側の導線設計です。

目次

  1. 問い合わせ導線に必要な要素(What)
  2. なぜ時期別の導線が必要か──データと総論で理解する(Why)
  3. サンプルサイトで見る実例(How it looks)
  4. 実践チェックリスト

交通事故・被害者側のサイトでは、導線を分ける軸は「決意の度合い」ではなく事故からの経過時間です。同じ人が事故直後・治療中・示談交渉中と数か月かけて移動し、そのたびに困りごとが入れ替わります。相談を考え始めている段階の検索が73%、情報収集が目的の検索が88%を占め、しかも最大の関心は「いくら受け取れるか」に集中します。3つの時期それぞれに導線を用意し、金額の目安を相談の前段に置くのが被害者側の導線設計です。

問い合わせ導線に必要な要素(What)

多くの事務所サイトは「お問い合わせはこちら」というボタンを各ページに置いて導線を作ったつもりになっています。しかし交通事故の被害者は、事故から何日目に検索しているかで、知りたいことも取れる行動もまったく変わります。導線が1系統しかないサイトは、そのうちのどれか1つの時期にしか届いていません。

導線を分ける軸は「事故からの経過時間」

離婚のような分野では、訪問者を「まだ迷っている人/依頼先を比べている人」という決意の度合いで分けるのが自然です。交通事故の被害者側は違います。事故に遭った瞬間に当事者になることは確定していて、迷う余地がありません。代わりに、事故からの経過時間によって直面する問題が入れ替わります

  • 事故直後: 何をすればいいか分からない。警察への届出、相手方保険会社からの連絡、診断書、物損から人身への切替に直面している
  • 治療中: 治療費の打ち切りを打診された、症状固定を迫られている、後遺障害の申請をいつ出すのか分からない
  • 示談交渉中: 提示された金額が妥当なのか判断できない。示談書にサインしてよいか迷っている

重要なのは、これが別々の人ではなく同じ人の時間経過だという点です。事故直後に読まれる記事から相談につながらなくても、その人は3か月後に治療費の打ち切りで戻ってきます。時期ごとに受け皿を置いておけば、どこかで拾えます。

3つの時期それぞれに必要な導線

時期 訪問者の状態 検索キーワードの例 用意する導線 CTA文言の方向性
事故直後 手続きが分からない・相手方保険会社に何を言えばよいか不安 追突事故/当て逃げ されたら/物損事故から人身に変更/診断書 交通事故 電話番号・受付時間・当日折り返しの可否/事故直後にやることの案内ページ 「今の対応に迷ったらお電話ください」
治療中 治療費を打ち切られそう・後遺障害の申請時期が分からない 休業損害 証明書/事故 通院 やめるタイミング/異議申立/交通事故 保険会社に任せる 期限を示した相談導線/後遺障害・打ち切り対応の業務紹介への内部リンク 「打ち切りの連絡が来た時点でご相談ください」
示談交渉中 提示額が妥当か分からない・署名してよいか迷っている 交通事故 慰謝料 早見表/慰謝料 相場/示談書/示談 交渉 自分 で 金額の目安コンテンツ→相談への接続/解決事例・料金への内部リンク 「署名の前に提示額をご確認ください」

3つの時期のうち、多くの事務所サイトが空白にしているのが事故直後です。この時期の検索は法律相談の形をしておらず、「警察を呼ばなかったがどうなるか」「診断書はいつまでに出すのか」といった手続きの疑問として現れます。相談を求めていないように見えるため軽視されがちですが、この時期に接点を持てた事務所は、治療中・示談交渉中にも最初に思い出されます。

段階的CTAの設計──金額の目安を知る→自分のケースに当てはめる→相談する

示談交渉中の層は、1回のクリックで相談まで運ぼうとせず3つのステップに分けます。

  • 第1段階(目安を知る): コラム記事で慰謝料の算定の考え方と基準による差を示す。CTAは相談ではなく「関連する記事」「金額の目安を確認する」
  • 第2段階(自分のケースに当てはめる): 通院期間・通院日数・怪我の内容などの条件で目安の幅が分かる簡易的な確認コンテンツや、条件別の早見表を置く。ここで「自分の場合は提示額と合っているのか」という個別の疑問が生まれる
  • 第3段階(相談する): その直後に「個別の事情によって結論は変わります。提示された金額の見方は初回相談でお伝えします」と接続する

第2段階を挟むかどうかで、第3段階の説得力が変わります。目安を見た訪問者は「提示額は想定より低いかもしれない」と自分で気づき、相談する理由を自分で見つけます。

お問い合わせページに必要な構成要素

お問い合わせページは3つの時期すべての受け皿です。最低限、次の5点を用意します。

  • 冒頭の不安解消コピー: 「事故直後で何から聞けばよいか分からない状態でも構いません」「治療中のご相談も受け付けています」など、どの時期でも歓迎する一文
  • 複数の連絡手段: 電話(受付時間つき)・フォーム(24時間受付)・メール。入院中・通院中でもオンラインで相談できるかどうかを添える
  • 弁護士費用特約の案内: 保険証券のどこを見れば加入の有無が分かるか。家族の契約が使える場合があること
  • 最小限のフォーム項目: 必須は連絡先のみ。相談内容は任意。加えて「事故日」を任意項目で置くと折り返しの精度が上がる
  • 返信目安と情報の取り扱い: 「○営業日以内にご返信します」という具体的な日数と、誰が内容を確認するのか、プライバシーポリシーへのリンク

なぜ時期別の導線が必要か──データと総論で理解する(Why)

「慰謝料の記事にはアクセスがあるのに問い合わせが来ない」という状態の多くは、記事の質ではなく導線の設計に原因があります。

「相談を考え始めている」が73%──訪問者の大半は情報収集中

交通事故・被害者側のキーワードを分析すると、相談への近さは「相談を考え始めている」が73%、「今すぐ相談先を探している」が11%、「相談はまだ先」が16%でした。検索の目的は、情報を集めたいが88%、比べて選びたいが7%、申し込み・相談の直前が5%です(キジラク調べ・2026年8月時点。月間検索数100以上のキーワードのうち、交通事故の分野語を含むもの1,746件を対象としています)。

この分布が意味するのは、サイトに来る人の大半が「弁護士を探しに来た」のではなく「自分の状況を調べに来た」ことです。実際、弁護士や依頼先を探す動機が支配的なキーワードは31件・1.8%しかありません。「交通 事故 紛争 処理 センター」(月間3,800)のように、弁護士以外の選択肢を先に調べている検索も含まれます。

サイト全体を「今すぐお電話ください」という圧力型のCTAで固めると、大多数の訪問者には合いません。必要なのは急かす言葉ではなく、今いる時期でその人が抱えている問題に名前を付けて、それに対応した入口を見せることです。

「いくら受け取れるか知りたい」が40.8%──金額の目安を問い合わせの前段に置く

被害者側で最も大きなニーズは「いくら受け取れるか知りたい」で713件・40.8%を占めます。上位キーワードは「交通 事故 慰謝 料」(月間36,200)、「慰謝料 交通事故」(18,100)、「交通 事故 慰謝 料 計算」(8,800)、「交通事故 慰謝料 早見表」(7,200)、「逸失利益」(6,600)、「慰謝料 相場」(5,400)と、受け取る金額の算定に関する検索が支配的です。

第2位は「自分のケースについて知りたい」で369件・21.1%。「追突事故」(4,400)、「当て逃げ されたら」(3,600)、「通勤中の事故 労災」(1,900)のように、自分の事故の型に当てはまる説明を探しています。第3位の「進め方・手続きを知りたい」は208件・11.9%にとどまります。手続きの検索が少ないのは、交通事故では手続きが相手方保険会社の主導で進み、被害者が主導権を持たないためと考えられます。

この分布は導線設計に直接使えます。問い合わせの前段に「自分のケースだといくらくらいか」を確認できるコンテンツ──算定の考え方の解説、通院期間別の早見表、条件を入れると目安の幅が出る簡易的な確認コンテンツ、提示された金額の見方の説明──を置けば、最大ニーズを受け止めたうえで相談へ接続できます。

ただし金額を扱うコンテンツには表現上の制約があります。弁護士の業務広告に関する規程では、誇大な表現や成果を保証する表現は認められません。「必ず増額できます」「最低でも○倍になります」といった記述は避け、一般的な目安であることと、個別の事情によって結論が変わることを明示します。

争点 前段に置くコンテンツ 使える表現 避ける表現
入通院慰謝料 算定基準の違いと通院期間別の目安 「基準によってこの範囲の差が生じます」 「必ず○倍に増額できます」
後遺障害 等級ごとの慰謝料の目安と認定で見られる資料 「等級が認定された場合の目安です」 「当事務所なら等級を取得できます」
逸失利益 計算の考え方と金額を左右する要素 「収入と等級から算定します」 「将来分も満額回収します」
過失割合 事故類型別の基本割合と修正要素 「類型ごとの基本的な割合の例です」 「過失をゼロにできます」

自分が払う費用の検索は1.7%──弁護士費用特約を導線に組み込む

意外に見えるかもしれませんが、自分が払う弁護士費用を知りたいという動機が支配的なキーワードは29件・1.7%しかありません。離婚(請求者側)の3.8%と比べても小さい数字です。背景には弁護士費用特約の普及があると考えられます。「費用は保険で賄える」という前提が広がっているぶん、費用そのものは相談をためらう主因になっていません。

ここから導かれる設計は、費用の説明を厚くすることではなく、「自分は特約を使えるのか」という別の障害を先回りで外すことです。特約に入っているかどうかは保険証券を見れば分かりますが、多くの人はどこを見ればよいかを知りません。次の3点を問い合わせの近くに置きます。

  • 保険証券やご契約内容の通知のどこに特約の記載があるか
  • 自分の契約になくても、同居の家族の契約で使える場合があること
  • 使えるかどうかの最終判断は保険会社が行うため、確認をこちらで代行できること

3点目が実務上は効きます。「調べておいてください」で終わらせず「こちらで確認します」まで書くと、特約の有無が分からない人でも連絡できます。逆に、上限額を超える部分の負担や適用されない場合があることに触れずに「負担はありません」とだけ書くと、誤導と受け取られかねません。断定を避け、条件を添えます。

時期を逃すと取り返せない──期限を導線の理由にする

交通事故には、その時期を過ぎると選択肢が消える場面がいくつもあります。これは相談を促す最も正当な理由です。

  • 治療の打ち切り: 「事故 通院 やめるタイミング」(480)で検索される場面。打ち切りに応じて通院をやめた後では、通院期間を前提とする賠償の計算をやり直せません
  • 示談書への署名: 一度成立した示談は原則としてやり直せません。「示談書」(6,600)「示談 交渉 自分 で」(780)で検索している人には、署名前という期限が明確にあります
  • 請求できる期間: 「損害賠償 請求 時効」(1,600)、「慰謝料 請求 時効」(480)と、期限そのものを調べる検索も存在します

期限を書くときは、不安を煽る書き方ではなく「この時点までなら選べる」という形にします。「今すぐ相談しないと損をします」ではなく「打ち切りの連絡を受けた時点であれば、通院を続ける方法を検討できます」です。前者は誇大表現の問題を招き、後者は訪問者に判断材料を渡します。

CTAの文言・位置・数の原則(総論04)

総論04(集客できるサイトの条件)のCTA設計の原則を、被害者側に当てはめます。

  • 文言: 「お問い合わせ」より「提示された金額を確認する」「打ち切りの連絡が来た方へ」。時期と困りごとを名指しした文言のほうが、自分向けだと認識されます
  • 位置: ファーストビュー・本文中の区切り・ページ末尾の3か所が基本。慰謝料の解説記事は長くなりがちなので、金額の目安を示した直後にも1つ置きます
  • : 複数置いてよいが行き先は絞ります。「相談予約」「資料請求」「電話」が同じ場所に並ぶと選択の負荷が上がり、どれも押されません
連絡手段 即時性 心理的ハードル 被害者側への適性 主に受ける時期
電話 高(その場で会話) 中(受付時間内・会話への緊張) 事故直後に必須 事故直後・打ち切り連絡の直後
フォーム 低〜中(返信まで時間) 低(24時間・書いて送るだけ) 基本の受け皿 治療中・示談交渉中
オンライン面談 中(予約が必要) 中(日程調整の手間) 入院中・通院中の層に有効 治療中

運用できない手段を掲げると返信の遅れが不信に直結します。電話とフォームの2つを最低ラインとし、入院中の相談を受けるならオンライン面談を明記します。

地域とGBPを導線に組み込む(総論09)

総論09(地域集客の実践)のとおり、Googleビジネスプロフィールはサイト外の導線として機能します。事故直後の層は地図から直接電話をかけるため、次の3点を確認します。

  • 登録した電話番号がサイトのヘッダー・お問い合わせページと一致しているか
  • 営業時間が一致しているか。ずれていると時間外の発信で最初の接点を失います
  • 口コミへの返信内容が、解決事例や弁護士紹介の記述と矛盾していないか

どのページが問い合わせを生んでいるかを測る(総論13)

総論13(成果計測と改善)のとおり、導線は設置して終わりではありません。最低限、次の3つを確認できる状態にします。

  • お問い合わせページに来る直前のページ(どの記事が問い合わせを生んでいるか)
  • フォーム送信完了の件数(送信完了ページへの到達数で代用可)
  • 時期別のコンテンツごとの遷移率(事故直後向け・治療中向け・示談交渉中向けのどれが機能しているか)

被害者側では金額系の記事にアクセスが集中しますが、集まったアクセスの割に問い合わせが少ないことがよくあります。その場合、疑うべきは記事の質より、金額の目安から相談への接続が置かれているかどうかです。

サンプルサイトで見る実例(How it looks)

ここまでの原則が実際のページでどう現れるかを、サンプルサイト(sample-jiko.kijiraku.com/contact/)で確認します。真似すべき点と、真似すべきでない点の両方を見ます。

ヘッダーの電話番号と各ページ末のCTAバンド

サンプルサイトは全ページのヘッダーに電話番号を常時表示しています。業務紹介・解決事例・料金の各ページ末には「まずはお気軽にご相談ください」というCTAバンドがあり、「初回相談60分無料。お電話・メールでのお問い合わせを受け付けております。」という一文に加えて「お問い合わせはこちら」ボタンと「TEL: 03-0000-0000(平日 9:00〜18:00)」が併記されています。

機能となぜ: ヘッダーの電話番号は、本文の流れを妨げずに事故直後の層を拾う別線です。受付時間の併記がないと、時間外にかけた訪問者に「つながらなかった」という体験だけが残ります。

自事務所への適用ポイント: ただし、トップページと事務所紹介ページ末のCTAバンドには受付時間が入っておらず、ページによって表記が揃っていません。電話番号と受付時間は必ずセットにし、全ページで同じ形に統一します。

トップページの3STEPフロー──相談後に何が起きるかを先に見せる

トップページには「ご相談から解決までの流れ」として、ご相談→方針のご提案→正式受任・実行の3段階が示されています。第2段階には「事故状況・お怪我の内容を伺い、想定される賠償額と今後の手続きの見通しをご説明します」と書かれています。強みの一覧には「着手金無料・成功報酬制」「土日夜間相談予約可」「医療機関連携」「オンライン相談可」が並びます。

機能となぜ: 相談から受任までの間に「方針の提案」という段階があると明示すると、問い合わせが「契約の申し込み」ではなく「見通しを聞く行為」に見えます。相談を考え始めている段階の73%は「連絡したら依頼させられるのではないか」と身構えており、第2段階の存在がその警戒を外します。「オンライン相談可」は、入院中・通院中という被害者側特有の障壁を直接取り除く要素です。

自事務所への適用ポイント: 3段階の説明は実際の運用に合わせて書き換えます。入院中・通院中でも相談できることを明記すると、治療中の層に届きます。

料金ページの弁護士費用特約──「まずは保険証券をご確認ください」

料金ページには費用のモデルケースが2件あり、合計欄に「弁護士費用特約適用で実質0円」と書かれています。お支払い方法の欄には「弁護士費用特約にご加入の場合は、保険会社が費用を負担するため、実質的なご負担は0円となります。まずは保険証券をご確認ください。」とあります。

機能となぜ: 「まずは保険証券をご確認ください」という一文は、訪問者に今すぐできる次の行動を渡しています。費用そのものより「自分は特約を使えるのか」が障害になっている被害者側では、この一手が効きます。

自事務所への適用ポイント: 一方で「実質0円」という書き方は、上限額を超える部分や適用の可否が保険会社の判断によることに触れておらず、そのまま真似すべきではありません。条件を添えたうえで、保険証券のどこを見るか、家族の契約でも使える場合があること、確認を事務所側で代行できることまで書くと、確認方法が分からない人も動けます。

お問い合わせページの構成──連絡先3ブロックと「お話を伺います」

お問い合わせページは「ご相談のご予約・各種お問い合わせは、下記の連絡先またはフォームよりご連絡ください。」というリードで始まり、メールアドレス・電話番号・所在地の3ブロックが並びます。その下に「お話を伺います」という見出しで「初回60分のご相談は無料です。事故の概要と、お差し支えなければご連絡先をフォームにご入力ください。」と案内されています。

機能となぜ: フォームより先に連絡手段を3つ提示することで、入力が苦手な訪問者や、事故直後で今すぐ話したい訪問者に別の選択肢を先に見せています。「事故の概要と、お差し支えなければご連絡先を」という条件付きの依頼は、情報を出すことへの警戒を下げます。

自事務所への適用ポイント: この言い回しはそのまま使えます。ただしこのページには受付時間の記載がなく、料金ページにある「平日 9:00〜18:00」と揃っていません。連絡先を出すページこそ受付時間が要ります。

フォームの項目設計──4項目・すべて任意・表記は英語のまま

フォームは姓・名・メールアドレス・メッセージの4項目のみで、いずれも必須指定ではありません。一方で入力欄の表示は「First Name」「Last Name」「Enter Email Address」「Enter Your Message」、送信ボタンは「SEND MESSAGE」と英語のままです。

機能となぜ: 項目数と必須指定が減るほど送信までの摩擦は小さくなります。交通事故の相談は事故状況・怪我・治療経過と説明すべきことが多く、相談内容を必須にすると「どこから書けばよいか分からない」という理由でページを閉じる訪問者が出ます。任意にしておけば「名前と連絡先だけ入れて送る」という行動が生まれ、事情はその後の折り返しで聞けます。

自事務所への適用ポイント: 項目の少なさは真似してよく、英語表記は真似しません。押した後に何が起きるかが分かる日本語にします。加えて交通事故では「事故日」を任意項目で1つ置く価値があります。事故からの経過時間が分かれば、折り返しで話す内容を治療中向けか示談交渉中向けかに切り替えられ、請求できる期間の確認もできます。

コラム記事の末尾──相談を勧める文章はあるがリンクがない

慰謝料の解説記事は「まとめ」の後に「弁護士への相談について」という見出しがあり、相談を勧める文章と弁護士費用特約への言及が置かれています。ここまでは良い設計です。しかし本文中にリンクが1本もなく、お問い合わせページへのボタンもありません。

機能となぜ: コラム記事は情報収集段階の入口であり、最も多くの訪問者が最初に触れるページです。相談を勧める文章があっても、クリックできる先がなければ、読み終えた訪問者はヘッダーまで戻って探し直すか、そのまま離脱します。文章だけのCTAは、CTAとしては半分しか機能していません。

自事務所への適用ポイント: 記事末の相談案内には必ずリンクかボタンを添え、文言を記事のテーマに合わせます。慰謝料の記事なら「提示された金額の妥当性を確認する」、治療費の記事なら「打ち切りの連絡が来た方はこちら」です。

このサンプルサイトに足りない点

この記事の基準で見ると、サンプルサイトには次の不足があります。

  • 事故直後の層向けの導線がない: 業務紹介は示談交渉・後遺障害・慰謝料・過失割合・死亡事故という争点別の構成で、事故直後にやることを案内するページがありません。最も厚い層の入口が空白になっています
  • 返信目安がない: 「○営業日以内にご返信します」の一文を送信ボタンの直上に置きます。実際に守れる日数を書くことが前提です
  • 情報の取り扱いの記載がない: 「いただいた情報は弁護士と担当者のみが確認します」の一文と、プライバシーポリシーへのリンクを添えます
  • 特約の確認方法がお問い合わせページにない: 料金ページには「保険証券をご確認ください」とありますが、実際に連絡するページには書かれていません。確認方法は問い合わせの直前にあってこそ効きます

影響が最も大きいのは1点目です。事故直後の層を拾えないと、その人が治療中・示談交渉中に戻ってくる可能性も同時に失います。どの記事にCTAが無いか、どの時期の入口が空いているかは、キジラクの解析機能で一覧すると見つけやすくなります。

なお、ここまでは被害者側の設計です。加害者となった側のサイトでは、関心の中心が受け取る金額ではなく刑事処分・行政処分・相手方への対応に移るため、同じ問い合わせ導線でも重点が大きく変わります。

実践チェックリスト

  • □ 事故直後・治療中・示談交渉中の3つの時期それぞれに、対応する導線が用意されているか
  • □ コラム記事の末尾に、記事のテーマに対応したCTAとクリックできるリンクが置かれているか
  • □ 金額の目安を示すコンテンツが問い合わせの前段にあり、成果を保証する表現になっていないか
  • □ 弁護士費用特約の確認方法(保険証券のどこを見るか・家族の契約も対象になり得ること・確認を代行できること)が問い合わせの近くに書かれているか
  • □ 電話番号に受付時間が併記され、全ページで表記が揃っているか。入院中・通院中でも相談できることが分かるか
  • □ フォームの項目が最小限で、表示が日本語であり、事故日を任意項目で置いているか
  • □ 返信目安(「○営業日以内」)と情報の取り扱いが、フォームの近くに書かれているか
  • □ Googleビジネスプロフィールの電話番号・営業時間がサイトと一致し、どのページから問い合わせが発生しているかを確認できる状態になっているか(総論09・13参照)

これで交通事故・被害者側のサイトを構成する7記事の設計を学びました。トップページの記事で事故直後の層と示談交渉中の層を同時に受け止める構成を作り、業務紹介と解決事例の記事で争点別の紹介と増額幅の示し方を、料金ページの記事で弁護士費用特約を前提とした費用の見せ方を、事務所紹介の記事で医学的知見と等級認定の実績を信頼につなげる書き方を、コラム記事の回で金額と自分のケースに関するキーワードに基づく作り方を扱い、本記事でそれらを相談へつなぐ導線を仕上げました。次は交通事故(被害者側)の総合案内ページで全体を振り返り(→交通事故(被害者側)で集客する)、他分野の各論へ進むか、総論13(→成果計測と改善)で今回作った導線を数値で検証する方法へ進みましょう。作ったものを測り、測った結果で直す。ここからが継続的な集客の始まりです。

監修: 花井 直哉(キジラク運営)

学んだ方法を、手間なく実践する。

講座は無料で読めます。学んだ集客を効率的に実践するなら、キジラクの14日間無料トライアルから。

14日間無料でキジラクを試す
Scroll to Top