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弁護士サイトの構造化データ──検索結果にFAQ・事務所情報をリッチに表示する方法

結論・要点

構造化データとは、検索エンジンにページの内容を「タグ付き」で伝える仕組みです。設定すると検索結果にFAQや事務所情報がリッチに表示され、クリック率の向上が期待できます。弁護士サイトではLocalBusiness(事務所情報)・FAQPage(よくある質問)・Article(記事情報)の3つを優先的に設定します。本記事ではWordPressでの設定方法を実演します。

目次

  1. 構造化データとは何か──検索結果が変わる仕組み
  2. 弁護士サイトで優先すべき3つの構造化データ
  3. 構造化データの記述方法──JSON-LDの基本
  4. WordPressで構造化データを設定する方法
  5. 【モデルケース解説】離婚に注力する事務所の構造化データを設定する
  6. 構造化データの運用と注意点
  7. 構造化データでやってはいけないこと

構造化データとは何か──検索結果が変わる仕組み

構造化データの定義──検索エンジンへの「タグ付き説明書」

構造化データ(structured data)とは、ページの内容を検索エンジンが理解しやすい形式で記述したデータのことです。通常のHTMLだけでは、検索エンジンはページに書かれた文章を「テキストの塊」として読み取ります。そこに構造化データを追加すると、「これは事務所名」「これは住所」「これは営業時間」といったタグ付きの情報を検索エンジンに直接伝えられます。

構造化データの記述ルールを定めた国際的な共通規格がschema.org(スキーマ・ドット・オーグ)です。Googleをはじめ主要な検索エンジンはこの規格に対応しており、schema.orgの仕様に沿って記述すれば、どの検索エンジンでも正しく認識されます。弁護士サイトであれば、事務所名・所在地・電話番号・取扱分野・FAQといった情報を、schema.orgの形式でページに埋め込むことになります。

リッチリザルトとは──検索結果での表示例

構造化データを正しく設定すると、検索結果にリッチリザルト(通常の青いリンクに加えて、FAQの展開・星評価・住所・営業時間などが表示される拡張表示)が出る可能性があります。リッチリザルトは通常の検索結果より目立つため、クリック率の向上が期待できます。

弁護士サイトの場合、以下のような違いが生まれます。

項目 構造化データなし(通常表示) 構造化データあり(リッチリザルト表示)
検索結果の表示 ページタイトル+メタディスクリプションのみ タイトル+メタディスクリプション+FAQ展開・住所・営業時間など
事務所情報の伝わり方 検索者がページを開かないと住所・電話番号がわからない 検索結果画面で住所・電話番号・営業時間が直接見える
FAQ表示 表示なし 「養育費の相場はいくらですか」等の質問と回答が展開表示される
検索者の行動 他の検索結果と見た目が同じで埋もれやすい 表示面積が大きく、クリック前に情報提供できるため信頼感が生まれやすい

弁護士サイトで構造化データが重要な理由

弁護士サイトが扱う情報は、離婚・相続・債務整理など、人の生活や財産に直結するYMYL(Your Money or Your Life)領域です。「E-E-A-Tとコンテンツ品質」の記事で学んだとおり、Googleはこの領域のサイトに対して、信頼性の高い情報発信を強く求めています。構造化データで事務所の所在地・弁護士名・取扱分野を明示することは、E-E-A-Tのシグナルを検索エンジンに伝える手段のひとつです。

さらに、地域検索(「〔市名〕 弁護士」など)では、構造化データのLocalBusiness(事業者情報を伝えるスキーマ)を設定しておくと、Googleビジネスプロフィール(GBP)に登録した情報との整合性が高まります。サイトとGBPの住所・電話番号・営業時間が一致していることで、検索エンジンは「この情報は正確だ」と判断しやすくなります。

弁護士サイトで優先すべき3つの構造化データ

schema.orgには数百種類のスキーマ(データの型)が定義されていますが、小規模な弁護士サイトでは、すべてを設定する必要はありません。まず優先的に設定すべきなのは、LocalBusiness・FAQPage・Articleの3種類です。

種類 何を伝えるか リッチリザルトの効果 優先度
LocalBusiness(LegalService) 事務所名・住所・電話番号・営業時間・取扱分野 検索結果に住所・営業時間・電話番号が表示される 最優先
FAQPage よくある質問とその回答 検索結果にFAQが展開表示される
Article 記事の著者名・公開日・更新日 著者情報や更新日が検索結果に反映される場合がある

LocalBusiness──事務所の基本情報を伝える

LocalBusinessは、事務所の名称・所在地・電話番号・営業時間・URLなどの基本情報を検索エンジンに伝えるスキーマです。弁護士事務所の場合、LocalBusinessの下位タイプであるLegalService(法律サービス)を使うと、より正確に事務所の業種を伝えられます。

LocalBusinessを設定する最大のメリットは、地域検索での表示強化です。「〔市名〕 弁護士」「〔市名〕 離婚相談」のような検索で、検索結果に住所や営業時間が表示されれば、検索者は「この事務所は自分の地域にある」と即座に判断できます。小規模な弁護士事務所にとって、地域で検索する相談見込み客に事務所の存在を認知してもらうことは集客の起点です。Googleビジネスプロフィールに登録した情報と構造化データの内容を一致させることで、検索エンジンからの情報の信頼性評価がさらに高まります。

設定すべき主な項目は、事務所名(name)・住所(address)・電話番号(telephone)・営業時間(openingHours)・サイトURL(url)・事業内容の説明(description)です。これらを正確に記述するだけで、地域検索でのリッチリザルト表示の候補になります。

FAQPage──よくある質問を検索結果に表示する

FAQPageは、ページに含まれる「よくある質問」と「その回答」をセットで検索エンジンに伝えるスキーマです。正しく設定すると、検索結果にFAQが展開形式で表示され、検索者はページを開く前に回答の一部を確認できます。

弁護士サイトでの活用例として、離婚分野のFAQ記事を考えてみましょう。「養育費の相場はいくらですか」「離婚調停の費用はどのくらいですか」といった質問は、実際に検索されているキーワードと直結しています。養育費カテゴリの代表的な検索語には「養育費 相場」(月間検索数 33,100)(キジラク調べ・抽出日: 2026-07-10)や「養育費 算定表」があり、これらの検索意図をFAQの質問文としてそのまま活用できます。

FAQPageの構造化データが検索結果に展開されると、通常の検索結果よりも表示面積が大きくなり、検索者の目に留まりやすくなります。「この事務所は養育費の疑問に具体的に答えてくれる」という信頼感がクリック前に伝わるため、弁護士サイトのクリック率向上に特に効果的です。

Article──記事の著者・更新日を明示する

Articleは、記事の著者名・公開日・更新日・見出し画像などの情報を検索エンジンに伝えるスキーマです。「弁護士の著者性」の記事で学んだとおり、著者が弁護士であることを明示することは、E-E-A-Tの「専門性」「経験」を示す重要なシグナルです。Articleの構造化データに著者名と資格情報を含めることで、検索エンジンは「この記事は弁護士が書いた(または監修した)もの」と認識しやすくなります。

また、更新日を構造化データに含めることで、検索結果に「更新日: 2026年7月」のような表示が出る場合があります。法律分野は法改正や判例の変化があるため、「最近更新されている記事」であることは検索者の信頼を得るうえで大きな要素です。SEOプラグインを導入していれば、Articleの構造化データは記事を投稿するだけで自動的に出力されるため、設定の手間はほとんどかかりません。

構造化データの記述方法──JSON-LDの基本

JSON-LDとは何か──HTMLに埋め込む形式

構造化データをページに記述する方法はいくつかありますが、Googleが推奨しているのがJSON-LD(JavaScript Object Notation for Linked Data)という形式です。JSON-LDは、HTMLの中に<script type="application/ld+json">というタグを置き、その中にJSON形式でデータを記述します。

JSON-LDの特長は、ページの表示内容(HTML本文)と構造化データを分離して記述できる点です。HTMLのタグの中にデータ属性を埋め込む方式(Microdata)と異なり、JSON-LDはページのデザインやレイアウトに一切影響しません。そのため、既存のサイトに後から追加しやすく、WordPress環境との相性もよい方式です。

要素名 意味 弁護士事務所での記述例
@context 使用する語彙の規格 https://schema.org
@type データの種類 LegalService
name 事業者名 〇〇法律事務所
address 所在地 〇〇県〇〇市〇〇町1-2-3
telephone 電話番号 0XX-XXX-XXXX
openingHours 営業時間 Mo-Fr 09:00-18:00
url サイトURL https://example.com
description 事業内容の説明 離婚・相続を中心に地域密着で法律相談を行う事務所です

LocalBusinessの記述例(弁護士事務所版)

以下は、弁護士事務所のLocalBusiness(LegalServiceタイプ)をJSON-LDで記述した例です。実際の事務所情報に置き換えて使います。

<script type="application/ld+json">
{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "LegalService",
  "name": "〇〇法律事務所",
  "address": {
    "@type": "PostalAddress",
    "streetAddress": "〇〇町1-2-3",
    "addressLocality": "〇〇市",
    "addressRegion": "〇〇県",
    "postalCode": "XXX-XXXX"
  },
  "telephone": "0XX-XXX-XXXX",
  "openingHours": "Mo-Fr 09:00-18:00",
  "url": "https://example.com",
  "description": "離婚・相続を中心に法律相談を行う事務所です"
}
</script>

上記はあくまで基本的な構造を理解するための例示です。すべての項目を網羅する必要はなく、まずは事務所名・住所・電話番号・営業時間・URLの5項目を正確に記述することが重要です。

FAQPageの記述例(離婚相談FAQ版)

FAQPageのJSON-LDは、質問(Question)と回答(Answer)をセットにして記述します。以下は、離婚分野の養育費に関するFAQ例です。

<script type="application/ld+json">
{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "FAQPage",
  "mainEntity": [
    {
      "@type": "Question",
      "name": "養育費の相場はいくらですか",
      "acceptedAnswer": {
        "@type": "Answer",
        "text": "養育費の金額は、双方の収入や子どもの人数・年齢によって異なります。裁判所が公表する算定表をもとに目安を算出できます。"
      }
    },
    {
      "@type": "Question",
      "name": "養育費の算定表はどのように読むのですか",
      "acceptedAnswer": {
        "@type": "Answer",
        "text": "算定表は、支払う側と受け取る側の年収を縦軸・横軸に当てはめ、交差する範囲が目安の金額です。子どもの人数と年齢区分ごとに表が分かれています。"
      }
    }
  ]
}
</script>

JSON-LDに記述する質問と回答は、ページ本文にも実際に掲載されている必要があります。実装はWordPressのプラグインで自動化するのが効率的ですが、まずは「この形式で記述する」という構造を理解しておいてください。

WordPressで構造化データを設定する方法

SEOプラグインによる自動設定(Article・パンくず)

WordPressでは、SEOプラグインを導入するだけで、Articleやパンくずリスト(breadcrumb)の構造化データが自動的に出力されます。たとえばYoast SEOやRank Mathといったプラグインは、記事を投稿すると自動的にArticleのJSON-LDを生成し、記事タイトル・著者名・公開日・更新日・アイキャッチ画像の情報を含めます。

パンくずリストの構造化データも、プラグインの設定画面でパンくず機能を有効にするだけで出力されます。「サイト構造とURL設計」の記事で学んだとおり、パンくずはサイトの階層構造を検索エンジンに伝える手段であり、構造化データで補強することでその効果が高まります。

LocalBusinessの手動設定またはプラグイン活用

LocalBusinessの構造化データは、SEOプラグインの「組織情報」や「ローカルSEO」の設定画面から入力できます。Yoast SEOの場合、「検索での見え方」→「一般」タブで組織名・ロゴ・住所・電話番号などを入力すると、サイト全体にOrganization(組織)のスキーマが出力されます。ローカルビジネス向けの詳細設定が必要な場合は、Yoast Local SEO(有料アドオン)を追加するか、Schema Proなどの専用プラグインを使う方法もあります。

プラグインを使わない場合は、テーマのheader.phpやfunctions.phpにJSON-LDを直接記述する方法があります。前のセクションで示したLocalBusinessのコード例をそのまま貼り付け、事務所の実際の情報に書き換えます。この方法は技術的な知識が必要ですが、プラグインに依存しないため軽量です。

FAQPageの設定方法

FAQPageの構造化データを設定する方法は、主に2つあります。1つ目は、Yoast SEOの「FAQブロック」を使う方法です。WordPress のブロックエディタで「Yoast FAQ」ブロックを追加し、質問と回答を入力すると、表示と構造化データの両方が自動的に生成されます。

2つ目は、記事の編集画面でカスタムHTMLブロックを使い、JSON-LDを手動で記述する方法です。前のセクションで示したFAQPageのコード例をカスタムHTMLブロックに貼り付けます。この方法は柔軟性が高い反面、記述ミスが起きやすいため、設定後の確認が重要です。

リッチリザルトテストで確認する

構造化データを設定したら、Googleのリッチリザルトテスト(https://search.google.com/test/rich-results)で正しく認識されているか必ず確認します。使い方は以下のとおりです。

  • リッチリザルトテストのページを開き、確認したいページのURLを入力する
  • 「URLをテスト」をクリックすると、検出された構造化データの種類が一覧表示される
  • 「検出されたアイテム」にLocalBusiness・FAQPage・Articleなどが表示されれば、正しく設定されている
  • エラーや警告が表示された場合は、該当箇所を修正して再テストする
構造化データの種類 設定方法 ツール・プラグイン 確認方法
Article SEOプラグインが自動出力 Yoast SEO / Rank Math リッチリザルトテスト
パンくずリスト SEOプラグインが自動出力 Yoast SEO / Rank Math リッチリザルトテスト
LocalBusiness プラグイン設定画面 or header.phpに手動追加 Yoast Local SEO / Schema Pro / 手動 リッチリザルトテスト
FAQPage FAQブロック or カスタムHTMLで手動追加 Yoast FAQ ブロック / 手動 リッチリザルトテスト

【モデルケース解説】離婚に注力する事務所の構造化データを設定する

事務所の設定と構造化データの現状

「サイト構造とURL設計」「内部リンク設計」「タイトル・メタディスクリプション」「見出し構成」「テクニカルSEO基礎」の記事と同じモデルケース事務所で、構造化データの設定を行います。

この事務所は弁護士2名・人口30万規模の地方都市に所在し、離婚と相続を中心に交通事故・債務整理も扱っています。WordPressで自社サイトを運用しており、サイトは全15ページ(トップページ・事務所紹介・弁護士紹介・取扱分野6ページ・コラム記事5本・お問い合わせ)で構成されています。SEOプラグインは「テクニカルSEO基礎」の記事で導入済みですが、構造化データの設定はまだ行っていません。現状では、検索結果にFAQや住所などのリッチリザルトは一切表示されていない状態です。

STEP1: LocalBusinessを設定する

まず、事務所の基本情報をLocalBusinessの構造化データとして設定します。この事務所では、SEOプラグイン(Yoast SEO)の「検索での見え方」→「一般」タブで以下の情報を入力します。

  • 組織名: 〇〇法律事務所
  • 住所: 〇〇県〇〇市〇〇町1-2-3 〇〇ビル3F
  • 電話番号: 0XX-XXX-XXXX
  • 営業時間: 平日 9:00〜18:00
  • サイトURL: https://example.com
  • 事業内容: 離婚・相続を中心に地域密着で法律相談を行う事務所

より詳細なLocalBusinessスキーマ(LegalServiceタイプ・取扱分野の記述など)を設定したい場合は、header.phpにJSON-LDを直接記述します。Googleビジネスプロフィールに登録済みの住所・電話番号・営業時間と完全に一致させることが重要です。情報の不一致は、検索エンジンの信頼性評価を下げる原因になります。

STEP2: 養育費記事にFAQPageを追加する

この事務所が公開している養育費のコラム記事に、FAQPageの構造化データを追加します。FAQの質問文は、実際に検索されているキーワードから設計します。

対応する検索語 質問(FAQ候補) 回答要約
養育費 相場(月間検索数 33,100) 養育費の相場はいくらですか 双方の年収と子どもの人数・年齢により異なる。裁判所の算定表で目安を算出できる
養育費 算定表 養育費の算定表はどのように読むのですか 支払う側と受け取る側の年収を縦軸・横軸に当てはめ、交差する範囲が月額の目安
養育費 いつまで 養育費はいつまで支払う必要がありますか 原則として子どもが経済的に自立するまで。多くの場合20歳が目安だが、大学進学時は22歳まで認められることもある
養育費 払わない 養育費が支払われない場合はどうすればよいですか まず内容証明郵便で催告し、それでも支払われない場合は家庭裁判所への調停申立てや強制執行が可能

上記のFAQ候補をもとに、記事本文にFAQセクションを追加し、同時にFAQPageのJSON-LDを記事に埋め込みます。WordPressのYoast FAQブロックを使えば、質問と回答を入力するだけで構造化データも自動生成されます。重要なのは、構造化データに記述する質問と回答が、ページ本文にも同じ内容で掲載されていることです。

STEP3: リッチリザルトテストで確認する

LocalBusinessとFAQPageの設定が完了したら、リッチリザルトテストで確認します。確認の手順は以下のとおりです。

  • トップページのURLをリッチリザルトテストに入力し、LocalBusiness(またはLegalService)が検出されるか確認する
  • 養育費記事のURLを入力し、FAQPageが検出されるか確認する
  • エラーが表示された場合は、エラーメッセージの指示に従って修正する(例: 必須項目の不足、値の形式エラーなど)
  • 修正後に再テストし、エラーがゼロになるまで繰り返す

よくあるエラーとして、住所の記述形式が不正(postalCodeの桁数ミス)、openingHoursの曜日表記が英語略称でない(「月〜金」ではなく「Mo-Fr」と書く必要がある)、FAQのacceptedAnswerが空になっている、などがあります。エラーが残ったままでは構造化データが無効になるため、必ずゼロエラーの状態にしてから公開します。

キジラクのサイト診断機能(※WordPressのみ対応)では、構造化データの設定状況も確認できます。学んだ設定方法を実践したら、自社サイトで設定状況を確認してみてください。

構造化データの運用と注意点

構造化データを設定してもリッチリザルトが表示されないことがある

構造化データを正しく設定しても、リッチリザルトが必ず表示されるわけではありません。リッチリザルトを表示するかどうかは、最終的にGoogleが判断します。ページの品質、検索クエリとの関連性、検索結果全体のバランスなど、複数の要因が影響します。

ただし、構造化データを設定しなければ、リッチリザルトが表示される可能性はゼロです。「設定したのに表示されない」と落胆するのではなく、「表示される可能性を確保するための土台作り」と捉えてください。設定さえしておけば、Googleが適切と判断したタイミングでリッチリザルトが表示されるようになります。

情報の更新を忘れない

構造化データは、一度設定したら終わりではありません。事務所の住所が変わった、営業時間が変わった、電話番号が変わったといった場合、LocalBusinessの構造化データも合わせて更新する必要があります。Googleビジネスプロフィールを更新したのにサイトの構造化データが古いままだと、情報の不一致が生じ、検索エンジンの信頼性評価に影響します。

記事のArticle構造化データについても、記事をリライトした際は更新日(dateModified)が最新の日付に変わっているか確認してください。SEOプラグインを使っている場合は記事を更新すれば自動的に反映されますが、手動で設定している場合は手作業での更新が必要です。

構造化データの追加で検索順位は直接上がらない

構造化データそのものは、Googleの検索順位を決めるランキング要因ではありません。構造化データを設定したからといって、それだけで検索順位が上がるわけではない点を正しく理解しておく必要があります。

構造化データの効果は「間接的」です。リッチリザルトによって検索結果での表示面積が広がり、クリック率(CTR)が向上する。CTRが高いページはユーザーに支持されている指標となり、長期的にはSEO効果につながる可能性がある。この間接的なサイクルが構造化データの本当の価値です。

よくある誤解 事実 対処法
構造化データを設定すれば検索順位が上がる 構造化データ自体はランキング要因ではない 順位向上はコンテンツの質と被リンクが主要因。構造化データはCTR向上による間接効果
構造化データを設定すればリッチリザルトが必ず出る 表示するかどうかはGoogleの判断 正しく設定して「表示される可能性」を確保する。表示されなくても損はない
一度設定すれば更新不要 住所・営業時間・電話番号の変更時は構造化データも更新が必要 GBP更新時にサイトの構造化データも同時に確認・更新する
すべてのスキーマを設定すべき 小規模サイトではLocalBusiness・FAQPage・Articleの3つで十分 まず3種類を正確に設定し、サイトの成長に合わせて追加を検討する

構造化データの設定や更新に手が回らない場合は、キジラクの専門サイト制作代行をご活用いただくこともできます。構造化データの初期設定から運用まで、サイト全体の技術的な品質を維持するサポートを行っています。

構造化データでやってはいけないこと

ページに存在しない情報をマークアップする

構造化データには、そのページに実際に掲載されている情報のみを記述してください。ページの本文に書いていない情報をJSON-LDだけに記述することは、Googleのガイドラインに違反します。たとえば、ページにFAQが存在しないのにFAQPageのJSON-LDを埋め込む行為はスパムとして扱われる可能性があります。

虚偽の評価・口コミを構造化データに含める

自作自演の星評価や架空の口コミを構造化データに含めることは、Googleのガイドラインで明確に禁止されています。実際には存在しない「5つ星評価」を記述すれば、手動対策(ペナルティ)の対象になります。弁護士の業務広告においても、虚偽の評価を掲載することは弁護士広告規程に抵触するおそれがあります。

すべてのページに同じFAQを設定する

同じ質問と回答をサイト内のすべてのページにコピーして設定するのは避けてください。Googleは重複する構造化データを好ましく評価しません。養育費の記事には養育費のFAQ、離婚調停の記事には離婚調停のFAQというように、記事テーマに固有の内容を設定してください。

構造化データのエラーを放置する

リッチリザルトテストやGoogle Search Consoleでエラーが報告された場合、放置してはいけません。エラーが残ったままの構造化データは無効として扱われ、リッチリザルトが表示されなくなります。よくあるエラーには、必須項目(nameやacceptedAnswerなど)の欠落、値の形式エラー(日付フォーマットの誤り)があります。エラーが検出されたら速やかに修正し、再テストでエラーゼロを確認してください。

✓ 実践チェックリスト

  • □ 自事務所サイトにLocalBusiness構造化データが設定されているか確認した
  • □ LocalBusinessの住所・電話番号・営業時間が最新の情報と一致しているか確認した
  • □ 主要な記事にArticle構造化データ(著者・公開日・更新日)が設定されているか確認した
  • □ FAQ記事にFAQPage構造化データを追加したか確認した
  • □ FAQ構造化データの内容がページ本文と一致しているか確認した
  • □ リッチリザルトテストでエラーがないか確認した
  • □ Googleビジネスプロフィールの情報とLocalBusinessの情報が一致しているか確認した

構造化データの設定ができたら、次は「順位計測とリライト改善」の記事に進みましょう。Search Consoleで検索順位を計測し、記事のリライトで順位を改善するサイクルを学びます。サイト構造・内部リンク・タイトル・見出し・テクニカルSEO・構造化データと、ここまでで技術的な土台を整えてきました。次の記事では、データに基づいて記事を改善し続ける運用サイクルを身につけます。

学んだ方法を、手間なく実践する。

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