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狙うキーワードの選び方──需要×難易度×検索意図で“相談につながる”1語を決める

結論・要点

「相続 弁護士」のようなビッグキーワードは、大手事務所とポータルサイトが上位を占め、小規模事務所が正面から挑んでも埋もれてしまいます。本記事では、需要(検索数)×競合(上位の顔ぶれ)×検索意図(相談への近さ)の3軸で、あなたの事務所が入り込む余地のあるキーワードを選ぶ手順を、実データによるモデルケース解説つきでお届けします。読み終えたとき、次に書くべき1語が決まっています。

目次

  1. なぜ「相続 弁護士」で書いてはいけないのか——小さな事務所が消耗する仕組み
  2. 選ぶべきキーワードの条件——需要×競合×検索意図の3軸
  3. 候補キーワードの洗い出し方——5つの型と実例
  4. 3軸で絞り込む——評価表の作り方
  5. モデルケース解説: 債務整理を看板にしたい小規模事務所が「次の1本」を決めるまで
  6. 選んだキーワードを記事に落とす——1ページ1KWとタイトルの書き方
  7. 規程に触れないためのチェック——「専門」表記・勝訴率など

なぜ「相続 弁護士」で書いてはいけないのか——小さな事務所が消耗する仕組み

弁護士探しは検索から始まっている

結論から言えば、いま依頼者は「検索」であなたの事務所に出会うかどうかを決めています。弁護士を探す人の40.2%が「インターネットで検索して探す」と答え、9割以上が依頼前にネットで弁護士の情報を確認しています(出典: 弁護士ドットコム×マクロミル調査・2026年2月)。紹介だけに頼れない時代に入ったことは、前の記事「検索・地域で評価される仕組み」で学んだとおりです。

だからこそ多くの事務所が最初に考えるのが、「相続 弁護士」「離婚 弁護士」のような大きなキーワードで記事を書くことです。分野を代表する語だから当然に見えますし、キーワードツールで調べれば検索数の大きさが目に入ります。しかし、この最初の一歩こそが、小規模事務所が消耗する典型的な入り口になっています。何本書いても順位がつかず、「記事を書いても意味がない」という誤った結論だけが残るからです。問題は記事を書くこと自体ではなく、土俵の選び方にあります。

あなたの競合は隣の事務所ではない

大きなキーワードの検索結果で戦う相手は、駅前の同業者ではありません。実際に上位を占めているのは、①ベンナビなどの法律ポータルサイト運営企業、②検索数の多い語を狙う比較・アフィリエイトサイト運営者、③豊富な記事と実績を持つ大手事務所、という3種類のプレーヤーです。いずれも数百〜数千本の記事と強いサイト評価を持ち、物量で戦う相手としては桁が違います。

それぞれの性質を知っておくと、避け方が見えてきます。ポータルは全国規模の資本と更新体制で「分野名+弁護士」級の語をほぼ固定的に押さえます。比較サイトは検索数の多い語だけを機械的に狙うため、大きな語ほど密集します。大手事務所は分野ごとに専門チームが記事を量産します。逆に言えば、この3者は「小さくて具体的な悩みの言葉」までは手が回りません。そこが、月1〜2本ペースの事務所が積み上げるべき場所です。

広告で回避しようとしても、弁護士分野のリスティング広告はクリック単価605円〜4,102円と高額で、月100クリックを集めるだけで約60,500円〜410,200円の出費になります(出典: Googleキーワードプランナー相場より試算)。執筆が月1〜2本しかできない体制で、この土俵に正面から入るのは合理的ではありません。

数字で見る: ビッグキーワードとロングテールの現実

では、どこに入り込む余地があるのか。実データで比べると答えは明確です。

キーワード 月間検索数 検索している人の状態 上位の顔ぶれ
債務整理 とは 66,790 情報収集(今すぐ相談したい度40) 大手事務所・ポータルが独占
債務整理 相談 無料 480 相談直前(今すぐ相談したい度90) 地域の事務所にも入り込む余地

(キジラク調べ・抽出日: 2026-07-05。「今すぐ相談したい度」は検索語ごとに算出された、相談行動への近さを示す0〜100の指標です)

検索数が小さくても、「相談直前」の人が使う言葉なら、1本の記事が問い合わせに直結します。しかも小さな語の検索結果には、まだ大手が本気を出していない余白が残っています。数の大きさを追わず、土俵を変える——これが本記事の結論であり、この後、実際に「次の1本」を決めるところまで実演します。

選ぶべきキーワードの条件——需要×競合×検索意図の3軸

キーワードの良し悪しは、感覚ではなく3つのものさしで測れます。ここでその3軸を手に入れてください。3つのうちどれか1つでも欠けると判断を誤ります。需要だけ見ればビッグキーワードに吸い寄せられ、競合だけ見れば誰も検索しない語を選び、意図を見なければ「読まれるのに問い合わせが来ない」記事を量産することになります。3つ揃って初めて「書く価値のある1語」が見えます。

  • 需要: どれだけ探されているか(月間検索数)
  • 競合: 上位に誰がいるか(大手・ポータルか、地域の事務所か)
  • 検索意図: 相談にどれだけ近いか(情報収集/比較検討/相談直前)

需要=どれだけ探されているか

需要は月間検索数で測ります。ただし最初に原則を明言します。検索数の大きさ=狙うべき、ではありません。大きい語は情報収集の人が中心で、競合も最強クラスが揃うからです。小規模事務所にとっての需要は「自分の商圏・分野で、相談につながる検索が存在するか」で見ます。

競合=上位の顔ぶれで測る

競合の強さは、ツールがなくても測れます。候補の言葉で実際に検索し、上位10位の顔ぶれを見るだけです。ポータル・大手・比較サイトで埋まっていれば見送り、地域の事務所や古い記事が混ざっていれば、そこは入り込む余地のある土俵です。

検索意図=相談への近さ(3区分)

3軸の中で最も見落とされ、最も成果を分けるのが検索意図です。法律相談の検索は、買い物の検索と根本的に違います。人生の一大事で失敗できないから慎重に比べ、誰にも聞けない悩みだから夜中に一人で検索し、費用の不透明さに不安を抱え、一般論ではなく「自分の場合はどうか」に合う答えを求める——依頼者の検索には、この特徴が常につきまといます。

だからこそ、言葉づかいが悩みの段階を映します。同じ「離婚」を考えている人でも、段階によって検索する語はまったく別物になります。

  • 情報収集: 「〜とは」「〜 流れ」——制度や手続きを知りたい段階
  • 比較検討: 「〜 費用」「〜 相場」「弁護士 選び方」——依頼を意識して比べる段階
  • 相談直前: 「〜 相談 無料」「〜 弁護士 相談」——今まさに相談先を探している段階

迷ったら「この言葉を検索した直後、その人は何をするか」を想像してください。記事を読み比べるだけなら情報収集、料金ページを見に行くなら比較検討、電話番号を探すなら相談直前です。本記事ではこの3区分で判断できれば十分です。より細かい4分類の読み解き方は、次の記事「検索意図の理解」で扱います。

候補キーワードの洗い出し方——5つの型と実例

3軸で測る前に、まず候補を並べる必要があります。ゼロから思いつく必要はありません。法律分野の検索語は、次の5つの型でほぼ網羅できます。型に自分の取扱分野を当てはめれば、誰でも候補を量産できます。世の中のキーワード解説は分類を紹介して終わることがほとんどですが、本記事では型ごとに「なぜ相談に近いのか」の理由と、この後の絞り込みまでを一続きの手順として扱います。

地域×分野×悩みの3語型

「東京 離婚相談」「大阪 相続手続き」「横浜 交通事故 弁護士」のように、地域名と分野を組み合わせる型です。依頼者は「近くで頼れる弁護士」を地名込みで探すため、商圏が限られる小規模事務所にとって最も相性の良い型です。「東京 離婚 弁護士 初回無料相談」のように語数が増えるほど、相談意欲は具体的になります。しかも地名が入った瞬間、全国メディアや比較サイトの多くは競合から外れます。あなたの市名・駅名で戦えるのは、原則としてその地域の事務所だけです。地域キーワードの詳しい設計は「地域集客を実践する」の記事群で扱うため、ここでは型として押さえてください。

手続名×相談ワード型

「離婚 届」「養育費 算定表」「交通事故 慰謝料」のように、具体的な手続き・制度の名前を含む型です。悩みの対象がすでに明確な人が使うため、記事の内容を事務所の実務に直結させやすいのが特徴です。使い方のコツは、自分の事務所で実際に受けた相談の「言葉」を思い出すことです。依頼者が相談室で口にした表現は、そのまま誰かが検索している表現でもあります。手続名に「相談」「弁護士」を足した組み合わせまで広げると、候補は一気に増えます。

時期・期限型

「慰謝料 請求 時効」「財産分与 時効」「養育費 いつまで」のように、期限と結びついた型です。法律問題には時効や期日がつきものであり、期限を意識した人は行動が早い、という法律分野ならではの型です。美容や小売の集客にはこの型は存在しません。期限の記事は「あと何年・何箇月」という具体的な答えと、間に合わせるための手順をセットで示すと、そのまま相談の理由になります。

費用・比較型

「離婚 調停 費用」「弁護士費用 相場」「慰謝料 相場」のように、お金の不安から検索される型です。費用の不透明さは依頼の最大の障壁なので、誠実に目安を示す記事は比較検討層の信頼を得ます。着手金・報酬金・実費という費用の内訳を、依頼者の言葉で説明できるのは実務家だけです。ここは比較サイトの一覧表では代替できない、事務所サイトの独壇場になり得ます。

不安・心理型

「損害賠償 払えない」「着手金 無料 弁護士」「離婚 協議 書 テンプレート 無料」のように、不安や心理的ハードルがにじむ型です。検索数は小さくても、共感して手順を示せば「この事務所なら話せそうだ」という入り口になります。この型の記事だけは、正確さと同じくらい語り口が大切です。責めない・急かさない・選択肢を示す、の姿勢が問い合わせの心理的ハードルを下げます。

以下は、この4つの型(地域型を除く)に実データを当てはめた候補一覧です。あなたの分野の行をそのまま候補リストの出発点にしてください。一覧を眺めると、同じ分野でも型によって検索数と「状態」がまったく違うことが分かるはずです。関連語からさらに広げる方法は、次々回の記事「共起語・関連語とトピック網羅」に譲ります。

キーワード 月間検索数 検索している人の状態
手続名×相談ワード型 離婚 届 99,000 比較検討
手続名×相談ワード型 死亡事故 60,500 相談直前
手続名×相談ワード型 自賠責保険とは 49,500 情報収集
手続名×相談ワード型 交通 事故 慰謝 料 36,200 比較検討
手続名×相談ワード型 訴訟 33,100 比較検討
手続名×相談ワード型 養育費 算定表 33,100 比較検討
手続名×相談ワード型 養育費の算定表 33,100 比較検討
手続名×相談ワード型 離婚 届 書き方 29,600 比較検討
手続名×相談ワード型 財産分与 離婚 27,100 情報収集
手続名×相談ワード型 財産分与とは 離婚 27,100 情報収集
手続名×相談ワード型 ダウンロード 離婚 届 27,100 比較検討
手続名×相談ワード型 離婚 調停 と は 24,370 情報収集
手続名×相談ワード型 離婚 弁護士 22,200 比較検討
手続名×相談ワード型 協議 離婚 と は 19,890 情報収集
費用・比較型 養育費 の相場 33,100 比較検討
費用・比較型 養育費 相場 33,100 比較検討
費用・比較型 離婚 調停 費用 19,800 比較検討
費用・比較型 弁護士費用 9,900 比較検討
費用・比較型 慰謝料 相場 5,400 比較検討
費用・比較型 慰謝料 の相場 5,400 比較検討
費用・比較型 10対0 事故 示談金 相場 4,800 比較検討
費用・比較型 交通 事故 慰謝 料 相場 4,800 比較検討
費用・比較型 慰謝料 相場 離婚 4,400 比較検討
費用・比較型 養育費 相場 離婚 4,400 比較検討
費用・比較型 離婚 調停 弁護士 費用 3,200 比較検討
費用・比較型 弁護士費用特約 2,900 比較検討
費用・比較型 弁護士特約 費用 2,900 比較検討
費用・比較型 裁判費用 2,900 比較検討
時期・期限型 養育費 いつまで 8,100 比較検討
時期・期限型 損害賠償 請求 時効 1,600 比較検討
時期・期限型 ひき逃げ 時効 1,600 相談直前
時期・期限型 財産分与 時効 880 相談直前
時期・期限型 財産分与の時効 880 相談直前
時期・期限型 養育費 いつまで払う 880 比較検討
時期・期限型 損害賠償 時効 720 比較検討
時期・期限型 慰謝料 請求 時効 480 相談直前
時期・期限型 慰謝料 時効 320 相談直前
時期・期限型 物損事故 時効 320 相談直前
時期・期限型 慰謝料 離婚 時効 320 相談直前
時期・期限型 財産分与 期限 170 相談直前
時期・期限型 自賠責 時効 140 相談直前
時期・期限型 離婚届 有効期限 140 相談直前
不安・心理型 離婚 協議 書 テンプレート 無料 3,000 比較検討
不安・心理型 離婚 届 ダウンロード 無料 2,600 比較検討
不安・心理型 損害賠償 払えない 880 相談直前
不安・心理型 損害賠償 払えない 泣き寝入り 880 相談直前
不安・心理型 慰謝料 払えない場合 720 相談直前
不安・心理型 離婚 届 ダウンロード かわいい 無料 640 比較検討
不安・心理型 着手金 無料 弁護士 390 比較検討
不安・心理型 損害賠償 払えない場合 210 相談直前
不安・心理型 養育 費 弁護士 無料 相談 210 比較検討
不安・心理型 慰謝料 一括で払えない 170 相談直前
不安・心理型 弁護士 無料 相談 電話 離婚 170 比較検討
不安・心理型 離婚 弁護士 無料 相談 24 時間 110 比較検討
不安・心理型 離婚 無料 相談 所 110 比較検討
不安・心理型 法律 相談 無料 離婚 110 比較検討

(キジラク調べ・抽出日: 2026-07-05。検索している人の状態は検索語の語尾・構成から判定した目安です)

3軸で絞り込む——評価表の作り方

候補が並んだら、次は絞り込みです。よくある解説は「候補を洗い出して優先順位をつけましょう」で終わりますが、その「つけ方」こそが知りたいところのはずです。本記事はここを具体化します。必要なのはExcelかスプレッドシート1枚で、SEOツールの契約は要りません。マーケ専任のいない事務所でも、事務スタッフと分担して回せる形にします。

評価表の作り方(Excelで3列)

候補キーワードを縦に並べ、3軸を3列で埋めます。埋め方は次のとおりです。

何を書くか 調べ方
需要 月間検索数 キーワードツールの数値(本記事の一覧表も利用可)
競合 上位10位の顔ぶれ 実際に検索し「大手・ポータル/混在/地域」の3段階でメモ
意図 情報収集/比較検討/相談直前 語尾で判定(〜とは=情報収集、費用・相場=比較検討、相談・無料=相談直前)

1語あたり数分で埋まります。ここまでやれば、感覚の議論は終わりです。競合列は面倒でも実際の検索を省略しないでください。同じ「混在」でも、上位に個人ブログや古い記事が残っている語は狙い目ですし、公的機関のページが並ぶ語は情報収集の色が濃い、といった手触りは検索結果を見た人にしか分かりません。意図列の語尾判定に迷う語(例えば分野名単体)は、いったん情報収集に寄せておけば安全です。

着手優先度の判定

評価表が埋まったら、優先度は次のマトリクスで機械的に決まります。

競合: 地域・混在(弱い) 競合: 大手・ポータル(強い)
意図: 相談直前・比較検討 ◎ 最優先で書く △ 後回し(将来の挑戦枠)
意図: 情報収集 ○ 2番手(信頼づくり用) × 見送り

最優先は「競合が弱い×相談に近い」の象限です。検索数の大小はここでは順位を決めません。月1〜2本しか書けないからこそ、◎の象限から埋めていきます。○の情報収集記事は、◎の記事が数本たまってから、それらへ内部リンクでつなぐ形で書くのが効率的です(この設計は「構造で評価される」のカリキュラムで詳しく扱います)。△と×に時間を使わないと決めること自体が、小規模事務所の戦略です。次の章で、この表を実際に使って1語決めるところをお見せします。

モデルケース解説: 債務整理を看板にしたい小規模事務所が「次の1本」を決めるまで

モデルは、人口約30万人の地方都市にある弁護士2名+事務員1名の事務所です。開業5年、新規相談は月5件ほどで紹介が中心。ポータルに月5万円を払っていますが、自社サイトからの問い合わせは月0〜1件。執筆に割けるのは月1〜2本で、相談の多い債務整理を看板分野に育てたいと考えています。ここまで読んだあなたの事務所と、状況はそう変わらないはずです。この事務所が前章までの手順をそのまま実行すると、次のようになります。

  1. STEP1: 5つの型で候補を洗い出す
  2. STEP2: 3軸評価表に落とす
  3. STEP3: 優先度マトリクスで1語に決める

STEP1: 候補を洗い出す(型→31語)

まず前章の型に「債務整理」を当てはめ、31語の候補を洗い出しました。手続名×相談ワード型からは「債務整理 とは」「債務整理 相談 無料」、費用・比較型からは「債務整理 費用」「債務整理 おすすめ」、不安・心理型からは「借金 無料 相談」「借金 問題 相談」——という要領で、型に沿って機械的に並べるだけです。この段階では取捨選択をしません。むしろ「こんな語で来る人はいないだろう」という思い込みを外すことが目的です。

STEP2: 3軸評価表に落とす

次に代表的な8語を評価表に落とします。実データでは次のようになりました。

候補キーワード 月間検索数 検索している人の状態 今すぐ相談したい度
債務 整理 と は 66,790 情報収集 40
借金 無料 相談 720 相談直前 95
債務 整理 相談 無料 480 相談直前 90
借金 弁護士 無料 相談 320 相談直前 95
借金 問題 相談 220 相談直前 90
債務 相談 140 相談直前 90
債務 整理 おすすめ 19,800 比較検討 65
債務 整理 費用 16,200 比較検討 40

(キジラク調べ・抽出日: 2026-07-05)

「債務整理 とは」は月66,790回と圧倒的な需要ですが、今すぐ相談したい度は40にとどまり、上位は大手が独占しています。「債務整理 おすすめ」(月19,800回)も数字は魅力的ですが、比較サイトの主戦場です。一方「債務整理 相談 無料」は480回と小さいものの、今すぐ相談したい度90。「借金 弁護士 無料 相談」(月320回)は95に達します。検索した人がそのまま相談者になる言葉です。表の上半分と下半分、どちらの土俵で1本目を書くべきかは、もう数字が答えています。

STEP3: 1語に決める

優先度マトリクスに当てると、「競合が弱い×相談直前」の象限に入るのは「債務整理 相談 無料」「借金 弁護士 無料 相談」の系統でした。看板にしたい分野名を含む「債務整理 相談 無料」を最初の1本に決定します。次点は「借金 無料 相談」(月720回・今すぐ相談したい度95)で、これが2本目。「債務整理 とは」のような情報収集の大きな語は、◎の記事が揃ってから内部リンクの受け皿として検討する、と順番まで決めました。月1〜2本の執筆計画が、このままキーワードの順番表になりました。

ここまでの所要時間は、洗い出しから決定まで合計2〜3時間ほどです。一度この評価表を作れば、2本目以降は表の次の行を書くだけになり、「今月は何を書こう」と悩む時間がなくなります。記事を書くたびに評価表へ実際の順位や問い合わせの有無をメモしていくと、あなたの商圏だけの精度の高い地図に育っていきます。

あなたの分野でも手順は同じです。相続なら「相続 相談 無料」系、離婚なら「離婚 調停 費用」系というように、型→評価表→マトリクスの順で「次の1本」が決まります。分野ごとのキーワード地図は、各論「分野ごとの対策」の記事で扱います。

なお、この評価表は手作業でも作れますが、キジラクでは14の法律カテゴリ・9.3万語の実データ(検索数・今すぐ相談したい度)をもとに、この選定から記事作成までを行えます。手順を学んだうえで時間を節約したい場合の選択肢としてください。

選んだキーワードを記事に落とす——1ページ1KWとタイトルの書き方

1ページ1キーワードの原則

決めた1語は、1つのページに割り当てます。1ページ1キーワード(1つのページは1つの検索語に集中させる)が原則です。複数の語を1ページに詰め込むと、検索エンジンはそのページの主題を特定しにくくなります。よくある失敗は「千葉の弁護士なら千葉駅近くの千葉法律事務所へ」のように同じ語を不自然に連呼する書き方で、Googleも公式ガイドで、同じ語を過度に繰り返す書き方を明確に非推奨としています(出典: Google 検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」)。複数ページで同じタイトルを使い回すのも、重複と判定される典型例です。

大切なのは、キーワードと中身の一致です。「債務整理 相談 無料」で来た人には、無料相談の範囲・当日の流れ・持ち物といった中身が必要です。「市川 離婚 弁護士」で来た人には、慰謝料・財産分与・養育費といった離婚実務の具体が求められます。一致していれば問い合わせにつながり、看板だけなら即離脱されます。検索した人の期待に本文で応える——キーワード選定の成果は、最終的にこの一致で回収されます。読まれる記事の作り方そのものは、次のカリキュラム「読まれて選ばれる記事をつくる」で扱います。

タイトルの書き方(NG→OK)

タイトルは検索結果であなたの記事が選ばれるかを決めます。よくある実例には、規程の観点で注意が要るものがあります。

NG例 何が問題か OK例
〇〇市 相続問題の無料相談|専門弁護士が解決 「専門」表記は客観的裏づけがないと誤導のおそれ。「解決」の断定も期待を抱かせる 〇〇市 相続の無料相談|相続案件を中心に扱う弁護士が対応
債務整理なら必ず借金が減る! 断定的な効果保証は誇大広告に当たるおそれ 債務整理の無料相談|費用と当日の流れを説明します

タイトル作りの手順は3つだけです。①決めたキーワードを前半に自然に1回入れる(詰め込みは読者にも検索エンジンにも逆効果)、②その語で検索した人の不安に「何が分かるページか」で答える(費用・流れ・持ち物など)、③次章の規程チェックを通す。Googleの公式ガイドも「読者が使う言葉を予測して書く」ことを基本として挙げています。読者の語彙で書かれたタイトルは、それ自体が最良の検索対策です。

規程に触れないためのチェック——「専門」表記・勝訴率など

キーワード・タイトルで注意する規程の要点

キーワード選定の最後は、規程のチェックです。弁護士の広告表現には日本弁護士連合会の定めがあり、事務所サイトの記事やタイトルも広告として扱われ得ます。「規程が不安で発信に踏み切れない」という声は多くの事務所から聞きますが、実際にキーワード選定の場面で注意すべき点は限られています。ここではその要点だけ押さえます(体系的な解説は「弁護士広告のルール」のカリキュラムで扱います)。

根拠 内容の要点 キーワード選定への含意
規程第3条(広告の禁止) 事実に合致しない広告、誤導・誤認のおそれ、誇大・過度な期待、過度な不安をあおる表現などの禁止 「必ず」「絶対」や不安を煽る釣りタイトルを候補から外す
規程第4条(表示できない事項) 訴訟の勝訴率、同意のない顧問先・依頼者名などは表示不可 「勝訴率」系のキーワード・訴求は最初から使わない
指針(専門分野の表示) 客観的な裏づけなく「専門」を名乗ることは誤導のおそれ 「〇〇専門弁護士」でなく「〇〇を中心に取り扱う」等の事実表現に

(出典: 「弁護士等の業務広告に関する規程」(平成12年3月24日会規第44号・日本弁護士連合会)、「業務広告に関する指針」(平成24年3月15日理事会議決・日本弁護士連合会))

NG→OK書き換え例

実際の書き換えは、次の3パターンを覚えておけばほとんどの場面に対応できます。左がやりがちな表現、右が規程に配慮した表現です。

  • 「相続に強い専門弁護士」→「相続案件を中心に取り扱う弁護士」
  • 「必ず減額できます」→「減額の可能性と条件を初回相談でご説明します」
  • 「今すぐ相談しないと手遅れに」→「時効・期限がある手続きです。早めの確認をおすすめします」

共通するのは「断定と誇張を、事実と手順に置き換える」という一点です。事実(取扱分野・費用の内訳・手続きの流れ)は堂々と書けますし、それこそが依頼者の知りたいことでもあります。規程は発信を止めるためのものではなく、誠実な表現の型です。この型の中で書けば、発信への不安なく公開できます。迷ったときは所属弁護士会の広告担当窓口に確認するのが確実です。

✓ 実践チェックリスト

  • □ 自分の分野のビッグKWで実際に検索し、上位10位の顔ぶれ(大手・ポータル)を確認した
  • □ 5つの型で候補KWを20〜30語リストアップした
  • □ 各候補の月間検索数を調べて評価表に記入した
  • □ 各候補の意図(情報収集/比較検討/相談直前)を語尾で判定した
  • □ 優先度マトリクスで「低競合×高意図」から次に書く1語を決めた
  • □ 決めた1語でタイトル案を作り、規程NG表現がないか確認した

本記事の手順を振り返ります。ビッグキーワードの土俵を避ける(3プレーヤーの独占を確認する)、需要×競合×検索意図の3軸で候補を測る、5つの型で洗い出す、評価表とマトリクスで絞る、規程チェックを通す——ここまでで「次に書く1語」が手元に残っているはずです。チェックリストの□を埋めながら、今週の1本に取りかかってください。

狙うキーワードは決まりました。次のステップは、そのキーワードを検索する人が本当は何を知りたいのかを読み解くことです。検索意図の4分類が分かると、同じキーワードでも記事の中身の精度が一段上がります。次の記事「検索意図の理解(4分類と弁護士領域の例)」に進んでください。

学んだ方法を、手間なく実践する。

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